泉田良輔のブログ

テクノロジーアナリストの100%私見

2012-10-01から1ヶ月間の記事一覧

パナソニックの最終赤字はなぜ7650億円なのか:キーワードは監査法人と日立

津賀一宏社長、相当気合の入った経営者とお見受けしました。 普通の経営者であれば監査法人とネゴってここまでの下方修正は受け入れないでしょう。 (もしくは監査法人に相当詰められたかですが…さすがに天下のパナソニック様なので) 津賀社長も今年度が社…

私にとって佐々木則夫氏といえばなでしこジャパンの監督ではなく東芝の社長なんです

インテリジェンスでは一次情報というのは超重要です。 それは書き手が菅直人元首相であっても変わりません。 東電福島原発事故 総理大臣として考えたこと (幻冬舎新書)を読んでいて思い出したことがありました。 それは東芝は311の地震直後からエンジニアは…

地エネ時代特集「現代農業(季刊地域)」2012年11月増刊

季刊地域 第11号 地エネ時代 農村力発電いよいよ 2012年 11月号 [雑誌]出版社/メーカー: 農山漁村文化協会発売日: 2012/10/05メディア: 雑誌この商品を含むブログを見る 最近いろいろ教えていただいているソーラーエバンジェリストの方からのご推薦。 本日到…

キヤノンの成功はオープンイノベーションと技術資源再配置にあり-「経営は10年にしてならず」

いきなり本当稿からそれるが、「キヤノン」の「ヤ」は大文字であり、決してキ「ャ」ノンではない。ググると、京都大学内の資料すら「キャノン」になっている。会社研究のリテラシーレベルを問われるので気を付けたい。【2016年12月5日更新】 今回は経営を10…

「原発とレアアース」:原発事業は既に民間でどうにかできるレベルを超えている

原発とレアアース (日経プレミアシリーズ)作者: 畔蒜泰助,平沼光出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社発売日: 2011/08/09メディア: 新書 クリック: 3回この商品を含むブログを見る レアアース資源と原発エネルギーのインテリジェンス本。 海外の原発動向や…

「決算書の50%は思い込みでできている」

決算書の50%は思い込みでできている作者: 村井直志出版社/メーカー: 東洋経済新報社発売日: 2011/03/04メディア: 単行本(ソフトカバー) クリック: 16回この商品を含むブログ (5件) を見る 我が意を得たりというタイトル。 会計士の自殺を含むりそなの国…

「民主党代議士の作られ方」:政治にもリーンスタータップを

民主党代議士の作られ方 (新潮新書)作者: 出井康博出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2010/01メディア: 新書購入: 1人 クリック: 13回この商品を含むブログ (7件) を見る 授業の宿題として読了。 こんな選挙やっていたんでは、若手で優秀な人材は政治には間違…

「財政破綻は回避できるか」:やはりドイツはPIIGSと一蓮托生

財政破綻は回避できるか作者: 深尾光洋出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社発売日: 2012/07/26メディア: 単行本(ソフトカバー) クリック: 1回この商品を含むブログ (1件) を見る 深尾光洋教授の「財政破綻は回避できるか」を読み終えました。 ヨーロッパ…

「精神論抜きの電力入門」:政府の東電処理が残した電力業界への波紋

精神論ぬきの電力入門 (新潮新書)作者: 澤昭裕出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2012/08/14メディア: 単行本 クリック: 14回この商品を含むブログを見る 澤昭裕「精神論抜きの電力入門」新潮社を読み終わりました。 政府の東電処理のいきさつやその業界への影…

ソフトバンクのスプリント買収をクールにみてみる(孫さんは一体どんなリスクをとっているか)

あんぽん 孫正義伝作者: 佐野眞一出版社/メーカー: 小学館発売日: 2012/01/10メディア: 単行本購入: 5人 クリック: 151回この商品を含むブログ (40件) を見る 今回のソフトバンクのプレゼンをじーっくり読み込んでみました。 プレゼンシートには孫さんのオモ…

永守さんはすごい、でも日本電産の創業当時の京都のVCのインフラはもっとすごかった

日本電産永守イズムの挑戦 (日経ビジネス人文庫 ブルー に 1-32)作者: 日本経済新聞社出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社発売日: 2008/04メディア: 文庫購入: 10人 クリック: 113回この商品を含むブログ (20件) を見る 「日本電産永守イズムの挑戦」を読み…

オシント(OSINT)とは。その意味と分析方法について

インテリジェンスの勉強を始めた方にとって、オシント、シギント、ヒューミントなど聞きなれない言葉が出てくると思います。今回はその基礎的な意味や分析方法、使い方などについて見ていきましょう。 私も証券アナリストとして調査活動を長年務めてきてはい…

「パナソニックの選択」からみるパナソニックのクラウド戦略

パナソニックの選択――「環境で稼ぐ」業態転換の未来作者: フランシス・マキナニー,福知里恵出版社/メーカー: 講談社発売日: 2012/06/22メディア: 単行本この商品を含むブログ (2件) を見る パナソニックに「精通している」という外国人コンサルタントによる…

「さよなら!僕らのソニー」のその後

さよなら!僕らのソニー (文春新書)作者: 立石泰則出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2011/11メディア: 単行本 クリック: 65回この商品を含むブログ (34件) を見る 著者の立石泰則氏はもともとすごいジャーナリストだなとみてました。 圧倒的な取材量で、まさ…

「超」入門失敗の本質:今も昔も変わらない日本の負けパターン

「超」入門 失敗の本質 日本軍と現代日本に共通する23の組織的ジレンマ作者: 鈴木博毅出版社/メーカー: ダイヤモンド社発売日: 2012/04/06メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 8人 クリック: 159回この商品を含むブログ (25件) を見る この本を読む限り、…

こんなシャープに誰がした

オンリーワンは創意である (文春新書)作者: 町田勝彦出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2008/09メディア: 新書購入: 31人 クリック: 423回この商品を含むブログ (11件) を見る 報道を見る限りホンハイにやられっぱなしじゃないか! 元凶は大型液晶パネル製造…

「電子部品だけがなぜ強い」を冷めた目で見る

電子部品だけがなぜ強い作者: 村田朋博出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社発売日: 2011/10/25メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 1人 クリック: 3回この商品を含むブログ (6件) を見る 『電子部品だけがなぜ強い』という考え方を少し冷めた目で見てみ…

日本のエネルギー政策の現実解

2030年代に原発比率をゼロにするしないでもめている。 原発をどうしたいかはユーザーが決めるべき内容なので大いに議論すればよいと思う。 ただ、一番問題なのは2030年までにエネルギー調達リスクを抱えていることである。 311までは原発の発電比率は26%程…

日本経済を引っ張るのは内需企業か外需企業か

マクロの経済指標がぱっとしない。 一方で、一部の内需の消費やサービスをターゲットとした企業が元気がいい。 これにはいくつか理由がある。 一つに、景気が良くないといっても、日本人はこれまでため込んだ資産がある。 若者の失業率が高くなってきている…

エンジニアリングとプロジェクトマネジメントの質

上越新幹線の中でプラントエンジニアと2時間ほどおしゃべり。 彼らは日本を代表するエンジニアリング会社出身の人達。 これまで誰もが知っている大規模プロジェクトに参画している。 最初はエンジニアリングの質ってどうやってみたらよいかというテーマ。 結…

はじめに-「ノマドアナリスト」宣言。そしてサードウェーブアナリスト、アナリスト3.0へ

本日付で独立しました。 ここに「ノマドアナリスト」宣言をいたしたいと思います。 そしてこれはサードウェーブアナリストともアナリスト3.0ともいえるでしょう。 ノマドアナリストが成立する環境 調査機関がエッジある分析を出し続ける環境を維持するのは難…