永守さんはすごい、でも日本電産の創業当時の京都のVCのインフラはもっとすごかった
日本電産永守イズムの挑戦 (日経ビジネス人文庫 ブルー に 1-32)
- 作者: 日本経済新聞社
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2008/04
- メディア: 文庫
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「日本電産永守イズムの挑戦」を読み終わりました。
3度も顧客の倒産に直面しながらも、会社を成長軌道に乗せ続けて来たのは圧巻。
中でもIBMや3Mからビジネスを取ってくるなど、客筋はピカ一。
HDD用のモーターもはじめからシーゲートがお客だったとは。
20年30年たっても、最後まで勝ち組が主要顧客とはすごい。
永守さんの目利きの力か、はたまたたまた単なる偶然か、どちらでしょうか。
さて、この本を読んで一番印象が強かったのが京都という町の力。
東の京都、西のシリコンバレーといったところでしょうか。
京都の谷町というか、VCというか、エンジェルというかそのインフラがすごい。
その周辺の企業を京都信金の榊田喜四夫理事長が積極的に支援する。
京都の金融機関や大きく育ててもらったオムロンなどの財界がVCを設立。
その名も京都エンタープライズ・デベロプメント(KED)。
KEDの社長にはオムロンの創業者立石一真氏が就いていました。
日本電産はそのKEDの2号案件。
しかし、KEDの出資後には信用力は大きく上がったようです。
数々の成長企業を生み出した京都のインフラには驚かされます。
ところが最近その京都のVC機能が発揮されていないのが気になるところです。
新しい企業が出てきていません。
むしろ昔のベンチャーがどんどん老舗になっていってしまっています。
日本の経済自体が製造業からサービスに移行しているのが原因でしょうか。
それに伴って京都という町自体が適応しにくくなっているのでしょうか。
翻って東京が京都やシリコンバレーみたいな役割を果たせるかというと、
なんでもそろっていて便利なのですが、規模が大きすぎるような気がします。
新しい事業やアイディアを生み出すのに、町という条件まで必要と感じています。