川崎フロンターレが鹿島を倒して2017年リーグ優勝できるシナリオとは
2017年9月30日のJ1の第28節、川崎フロンターレ対セレッソ大阪戦。森谷選手のスーパーミドルシュートも含め、5-1という勝利とともに、勝ち点で先行する鹿島が鳥栖に敗れ、また勝ち点で並んでいた柏が甲府に敗れたために単独2位、鹿島との勝ち点の差を5点までに縮めました。どういう条件がそろえば川崎Fは鹿島を上回って、優勝することができるのか考えてみました。
勝ち点5をいかに埋めるのか
勝ち点は、勝利すれば3点、引き分ければ1点、敗れれば0点です。
残り6試合を通じて、鹿島との間の5点差を埋める必要があります。
- 川崎Fが勝ち、鹿島が負ければ、勝ち点の差は3縮まります。
- 川崎Fが勝ち、鹿島が引き分ければ、勝ち点の差は2縮まります。
- 川崎Fが引き分け、鹿島が敗れれば、勝ち点の差は1縮まります。
- 川崎Fと鹿島の結果が同じ場合には、勝ち点の差は変わりません。
勝ち点5の差を詰める組み合わせは、以下の通りです。ちなみに、勝ち点の差を埋める順番を問いません。
また、川崎Fが対鹿島に対してマイナスになるシチュエーションは心持ちとしてもまたシミュレーションが複雑になるので、ここでは考慮していません(実際には十分にありうるシナリオ群ですが)
- (3、2、0、0、0、0)
- (3、1、1、0、0、0)
- (2、2、1、0、0、0)
- (2、1、1、1、0、0)
- (1、1、1、1、1、0)
1番目のケースは、「川崎Fが勝ち、鹿島が負ける」という組み合わせが1回、「川崎Fが勝ち、鹿島が引き分ける」という組み合わせが1回で、それ以外の4試合の結果が川崎Fと鹿島が同じというものです(もちろんこの試合結果が同じという中には、それぞれが勝利をする、引き分ける、敗れるというのを含みます)。
2番目のケースは、「川崎Fが勝ち、鹿島が負ける」という組み合わせが1回、「川崎Fが引き分け、鹿島が負ける」という組み合わせが2回で、それ以外の3試合の結果が川崎と鹿島が同じ。
3番目のケースは、「川崎Fが勝ち、鹿島が引き分ける」という組み合わせが2回、「川崎Fが引き分け、鹿島が負ける」という組み合わせが1回で、それ以外の3試合の結果が鹿島と同じ。
4番目のケースは、「川崎Fが勝ち、鹿島が引き分ける」という組み合わせが1回、「川崎Fが引き分け、鹿島が負ける」という組み合わせが3回で、それ以外の2試合の結果が鹿島と同じ。
5番目のケースは、「川崎Fが引き分け、鹿島が負ける」という組み合わせが5回で、それ以外の1試合の結果が鹿島と同じ。
こうしてみると、鹿島の強さを考えて、現実的に狙えそうな組み合わせとしては、1もしくは2くらいかなと。
残り6試合で鹿島が最低でも川崎Fに対して2回負け越してくれると…どうなんでしょうか。
1のケースで見た時のそれぞれの結果が同じというのも、鹿島はそんなに負けないでしょうから、勝つか、最低でも引き分けるというところでしょう。
【2017年10月22日・追記】
川崎Fは10月14日の対ベガルタ仙台戦に3-2で勝利。一方、鹿島アントラーズも対2-0で勝利し、お互いの勝ち点差は縮まりませんでした。
ところが、10月21日の試合では、川崎Fが対広島戦でアウェーで0-3で下したのですが、鹿島アントラーズが対マリノス戦でアウェーで2-3と敗れたため、勝ち点差が2点差へと縮まりました。
上記のシナリオでいけば、ケース1及び2で進んでおり、
- (2、0、0、0)
- (1、1、0、0)
のいずれかの組み合わせで川崎Fの優勝が決まります。
つまり、3試合のうち一つで、川崎Fが勝ち、鹿島が負け、また残り3試合で同じ結果か、川崎Fが2試合引き分け、鹿島が2試合負け、残り2試合同じ結果であれば、川崎Fの優勝が決まります。
まあ、現実的には、鹿島が2試合負けるというケースは考えにくいので、川崎Fと2試合は同結果で、1試合で転んでくれればというところでしょうか。
川崎Fは勝ち続け、鹿島の対戦相手にどこかで踏ん張って勝ってもらえれば、というやや他力本願がありますが、そういうことです。
【2017年12月5日・追記】
- 10月22日以降は、川崎Fの戦績は以下の通りです。
- 10月29日の柏戦は引き分け△(鹿島は勝ち)
- 11月18日のガンバ戦は勝ち〇(鹿島は勝ち)
- 11月29日の浦和戦は勝ち〇(鹿島は引き分け)
- 12月2日の大宮戦は勝ち〇(鹿島は引き分け)
結局、最後の4試合は以下の様になりました。
(-2、0、2、2)
柏戦の後は非常に苦しくなりましたが、巻き返しました。
なぜ同じ勝ち点で良しとしているのか
勝ち点に並ぶことを考えるだけでいいのか、というツッコミに対しては、28節を終えての現在の得失点差が川崎Fが+28で、鹿島が+19なので、まあ、残り6試合でこれは埋まらないという前提ではあります。
もしかして鹿島の大量得点で埋まってしまったら、それは前提が崩れることになります。
柏や横浜Fマリノスはどうした
柏の川崎Fとの得失点差が3、横浜Fマリノスとの差が5なので、川崎Fの試合展開次第でまくられる可能性は十分あります。
したがって、ケース4や5では、話にならないわけではあります。
ただ、2017年元旦の天皇杯の屈辱を取り戻すためには、何としても鹿島をどうするのか、どうしたいのかというのが川崎Fサポの共通の思いですので、今回は柏と横浜Fマリノスの動きは対象外としました(すみません)。
鹿島の残りの対戦相手はどこだ
以下の通りです。強豪や上位争いに残っているチームも多く、鹿島といえどもその試合結果には波乱が伴う可能性は十分に残っています。
- 29節:広島(ホーム)=>鹿島勝ち〇
- 30節:横浜Fマリノス(アウェー)=>鹿島負けX
- 31節:札幌(アウェー)=>鹿島勝ち〇
- 32節:浦和(ホーム)=>鹿島勝ち〇
- 33節:柏(ホーム)=>鹿島引き分け△
- 34節:磐田(アウェー)=>鹿島引き分け△
鹿島は常勝軍団とよく言われますが、浦和、柏、磐田と力あるチームが残っているので、全部勝ち切れるかはやってみないとわかりません。
実は、札幌もホームでは強かったりするので、ジェイに一発かましてほしいところです。
まとめにかえて
いかがでしたでしょうか。まだまだ鹿島を乗り越えていける可能性は十分残されています。また、川崎Fは天皇杯とルヴァンカップを残していますので、緊張感は当分続きます。勝手に頑張りたいと思います。
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水平分業と垂直統合は繰り返す。20年サイクル?かそれくらいの時間軸
ちょっと前の記事ですが、最近こんなことを考えています。
早稲田大・野口悠紀雄先生との対談記事が公開されました @NewsPicks
ビットコイン、ブロックチェーン、アマゾン、ICO、最後はシェアリングエコノミーと様々なテーマで話が盛り上がり、楽しい時間でした。
詳細は記事をご覧ください。
こちらが前編
こちらが後編
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MUFGのJDDの構成を分析した記事を日経BizGateに寄稿しましたの、こちらもご参照いただければと思います。
サッカー日本代表のいつもの議論。カウンター主体かポゼッション主体か論
先日のオーストラリア戦では、ハリルホジッチ監督の戦術-前線プレス&相手にビルドアップさせない、がばっちりはまりました。
結果は見事に日本勝利&ロシアW杯出場決定!!!
めでたしというわけです。
カウンター主体のサッカーしたいんだっけ?
しかし、試合を観ているものにとっては、気になったのは次のような点ではないでしょうか。
- 日本代表ってカウンター主体のサッカー目指してたっけ?!
- 忙しいサッカーしているな・・・
- プレーしている選手はみんな楽しいのかな?
楽しむためにW杯の予選戦っているんじゃないぞ!というツッコミはあるでしょうし、今回は対オーストラリア戦で出場決めるぞ!ということで、最適化した戦術がカウンターだったということなんでしょう。
ただ、その後の対サウジ戦を見る限りでは、方向性はどうなったのか更に疑問がわいたのではないでしょうか。
これもかれこれ相当前からしている議論で、今に始まったことではなく、残念な話でしかないのですが、まだそこという状況。
元ジュビロ磐田の藤田氏、かく語りき
と思ったら、元ジュビロ磐田の藤田氏が次のような記事を公開してました。
あくまでもボールをつなぎ攻撃を仕掛けるスタイルで行くのか。それとも、カウンター主体のサッカーで短期決戦での結果を追い求めていくのか。カウンターサッカーは時として効果的だが、果たして、それは日本サッカーが目指すべきスタイルであるのか。そんなことを自問自答するキッカケにもなったわけだけれど、ワールドカップだけのことに限らず、今後の日本のサッカースタイルを確立する意味でも、積極的に議論し決定していく必要はあるだろう。
いい加減、この議論から抜け出したいなぁと。
まとめにかえて
毎回W杯の度に同じ議論をして、解が出ていない。
個人的には、「日本人代表監督&Jリーグのコアチーム」で、どうしたいかを議論するべきかと思います。
毎回「外国人代表監督&海外組組み合わせ」で、乗り切ってしまうという状況にそろそろ、決めたら?と思う次第。
今回参考にした記事
MiFID2とは何か。証券アナリストはどうなる?証券会社や運用会社どうなる?金融庁は?
元メリルリンチの銀行アナリストの大槻さんのMiFID2についての記事。当記事で言及されている中でもMiFID2には、様々なポイントがありますが、ランダムに。
MiFID2(Ⅱ)の読み方
はじめての方は迷うと思うので、まずかここから。
「ミフィッドツー」と読む。「ミッフィー・ディー・ツー」と覚えよと、別の人に教わった。
そもそもMiFIDの規制概要とは
「ミフィッド」(Markets in Financial Instruments Directive) という規制は、欧州版の「金融商品取引法(金商法)」のことである。2007年11月に、投資家保護を主眼に施行された。日本の金商法と同様に、運用会社や証券会社に対し、投資家に合った取引商品の提供や、取引の透明化などを義務づけている。
そしてMiFID2へ-2018年1月1日
2014年6月に公布された改正法「ミフィッド2」が示した手数料規制の大幅な厳格化
もともと施行はもっとはやい予定だったが、英国のEU離脱などのイベントもあり、伸び伸びとなっていた模様。
そして迎える2018年1月1日。
なぜMiFID2か
ところがミフィッド2では、運用会社が外部リサーチを購入することは「原則として禁止」とされた。購入されたリサーチが本当に投資家のためになっているのかが不透明なためだ。
機関投資家とよばれるバイサイドは投資に必要な判断に至るまでの調査はそもそも自分で調べることにはなっている。
ただ、実際は、証券会社に所属するアナリスト(セルサイド・アナリスト)に会社の業績モデルをもらったり(発行体がセグメントなどを頻繁に変えるケースでは重宝する)、事業会社の特別に人に合わせてもらえるような段取りをしてもらっていた。
そうしたサービスがどれくらい価値があるのかはさておき、「原則禁止」というのはアクティブ運用の実態を完全に無視している。
仮に、セルサイド・アナリストのサービスがゼロになると仮定したときに、バイサイド・アナリストが全部自分で用意するというのは実作業レベルではちょっと考えにくい。
証券会社だけではない、本質は運用会社の直面する苦境
ただ、バイサイド・アナリストはもっとまじめに調査しろ!というメッセージは見えるが、果たしてどれくらいの割合で機能するかは今後時間とともに明確になるであろう。
外部リサーチへの調査費用が明確になるということは、バイサイド自身の調査費用はいくらになるのかという話でもある。
つまり、アクティブ運用に資金を拠出している投資家からすれば、「そのパフォーマンスを出すのに、内部の人材に対してそんなにカネをかけているのか!」ということにもなりかねない。
バイサイドからしてもMiFID2で証券会社のリサーチ費用が数値化されることは歓迎されない動きであるということは言える。
なぜMiFID2はこんなに無茶ぶりなのか
今回のMiFID2の話を聞いて思い浮かぶことがいくつか。
世の中は、アクティブ運用(ベンチマークを上回るような運用、アルファをとることを目指す運用)には冷ややかな一方、インデックス運用を歓迎するトレンドが現在は確実にある。
インデックス運用は、市場そのものに投資をし、運用をするというコンセプトなので、個別で企業調査などは必要ない。
仮に、このインデックス運用が今後も主体になるという発想があるのだとすれば、確かに「調査に費用をかけるなんてばかばかしくねぇ?どうせアクティブのほとんどはインデックスに勝てないんだから、そんなの削れるだけ削ったら?」みたいな読みもあるのかなと。
MiFID2は証券会社ドリブンのアクティブファンドはもはやどうでもいい扱いになっているのではという印象すら受ける。
だとすれば、アクティブファンドは大変だなと。
MiFID2で外部リサーチの扱いは?
例外的に認められるリサーチの購入のためには、運用会社は、どんなリサーチにどれくらい支払ったかを、おカネを預けている人や企業に対して明示しなければならない。リサーチ費用の年度予算は事前に決めることが義務づけられ、その予算を各チームに割り当てることになる。このため、データの必要性やその情報がもたらす価値がこれまでよりも厳しく精査されることになる。
普通の企業で考えれば当たり前かもしれないが、「調査」は事前に読み切るのは難しい。上記でいうと、実質ルーティンものしか事前に組み入れることができない。
そして、外部に見せて納得してもらえるような調査に予算を充てないと、担当者も説明するのにまた時間が取られるというので、外部から一定の評価を得たリサーチに需要が集中するということもあるだろう。
とはいえ、投資の世界でみんなの知っている情報を知っているということも大事だが、既にコンセンサスとなっている情報をどれだけ集めてもエッジはないのはみんな知っている。
MiFID2の料金表で証券会社のリサーチはどうなる
アナリストへのミーティングや個別分析の依頼については、さらに1回につき数万円〜数十万円の別料金を要求するとみられる。
まあ、別にアナリストでなくとも外部に調査を頼むということであれば、このレベルは普通ともいえるが…これで驚かれるとインテリジェンスの値段ってと思う。
投資家で数百億とか数千億を運用している人からすれば、本当にも受かる話であれば、1時間数十万レベルであれば、パフォーマンス次第でなんとでもなる数字だというのは気づいている。
ただ、リサーチの内容にもよるであろうが、機関投資家もコストにより慎重になるであろうから、証券会社のバンドルでのリサーチからより細分化された人ベースのリサーチに需要がさらにシフトするのは自然なことだろう。
証券会社もアナリストを採用するときに、MiFID2の枠内で客に売れるアナリストしかとれなくなる。
ジュニアアナリストを抱えるだけの余裕がなくなるところも多いのではないだろうか。
だとすれば、また業界の高年齢化が加速することになる。
また、クロスボーダー、セクターボーダーのリサーチといっても必ずしも証券会社のリサーチが強いわけでもないので、そうなれば、独立系でネットワークのある人が圧倒的に有利に。
となると、証券会社のリサーチの存在意義が問われる。
証券会社のアナリストの仕事はどう変わる
こういってしまっては身もふたもないですが、私が機関投資家をしていたころは、証券アナリストの公開されたレポートはもちろん見はしますが、それもをもって投資判断を直接するということはない。これは私が特殊というよりはまわりも同じ。
機関投資家も証券会社の証券アナリストと同様に決算説明会に出席し、経営者やIRにも(基本的には)会うことができるので、努力次第ではあるが、入手(アクセス)できる情報には変わりがない。
では、証券会社のアナリストの仕事はこれからどうなるのか。
機関投資家時代にありがたっていたのは「いつもとは違う情報」だ。つまり、証券アナリストが持っている情報ではないことになる。
では、証券アナリストはどう生きるのか。
禅問答のようになるが、証券アナリストが入手できない情報をとってくるということに尽きる。
担当する業種によるが、業界の情報かもしれなし、技術の情報かもしれないし、それらを分析した結果かもしれない。
また、情報を持っている人を見出す目利き力も問われるであろう。
おかしな話ではあるが、決算を分析して投資判断をするのは証券会社の証券アナリストの仕事ではなくなるかもしれない。
とっておきの情報を持ってくるか、めんどくさい収益予想モデルのアップデートをしてその作業をありがってもらうのか、どちらかという極端なことも十分にありうる。
個人投資家と機関投資家の情報格差
アナリストリポートの開示範囲が狭くなる可能性が高い。これまでは、一部の大手証券会社のリサーチリポートは、その証券会社の顧客でなくても、ネット上など何らかの形で読むことができた。しかし今後は、多額の支払いを行う顧客からのクレームが怖いので、顧客以外はリポートを見ることができないように工夫が凝らされるだろう。同様にアナリストのメディアに対するコメントも自粛が促され、個人投資家と機関投資家との情報格差が大きくなる可能性もある。
一番最後が重要。
これまでも個人投資家と機関投資家の情報格差があったにもかかわらず、手数料?調査料?にカネを払わない投資家(別に個人だけではない機関も含まれる)はインテリジェンスにアクセスできないということになる。
機関投資家もネット証券に注文する?
仮に、機関投資家は証券会社には発注だけして、リサーチは別から調達する、という具合にしたときに、さて、これは一体何なんだと。
機関投資家は売買の発注をするときはネット証券に注文を出して、リサーチは自前か、外部から買えばいいということになる。
ただ、昔を思い出すと、インスティネット証券とかあったなぁと思いだす。
時代が一巡したんだろうか。
MiFID2の金融庁の対応はどうなる
問題はここ。
ただ、様子見の様子。
欧州の動きを見て、米国がどうするか、そして日本がそれを見てどう動くか。
まとめにかえて
個人投資家向けの金融経済メディアLongineも4年が過ぎたが、また更にその役割が(勝手に)見直される。とポジショントークでしめるが、いずれにせよアナリストの仕事そのものの意義や証券会社はアナリストを抱え続けるのかという点も。
また、中小型株のようにアルファの取りやすい銘柄のアクセスは引き続きあるであろうから、そこは需要は残るのかなと。
ただ、そこは今まで通りなので、大きい銘柄を見ていた人の競争が第一段かと。
https://www.longine.jp/
ネット証券比較の決定版 powered by トウシンワン | 個人投資家の声 × アナリストの視点をもとにネット証券を徹底比較!
今回執筆にあたって参考にした記事
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IKEA(イケア)の全体像を分析した記事は他に見ない…と思いますが:決算、株主、構造
日本のイケアの話は世界の一部。
どちらかというと世界のイケアの話、ファンド、持ち株会社、FCの仕組みも含めて解説している記事はなかなか見当たらない。
一言で言うと、イケアは消費者が買い物に行く時に見る姿とは違って、非常に複雑な組織。
イケアは未上場企業。
秘密のベールに包まれていて、勢いのある会社だなと。
ニトリもいい会社だが、ちょっと規模が違いすぎますね。
参考文献
創業者の話は、壮絶。
第三者の見方もどうぞ。
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メディアは本当に自由競争で素敵な世界
下が、8月13日の「投信1」の記事。
お盆のさなか、ヤフトピにもでました。
下が、8月23日の「プレジデント・オンライン」の記事。
何なんでしょうか「時価」って。
市場関係者やアナリストが見たらおっおっおって思います。
魚や野菜とは違うよ、企業の時価総額は。
いずれにせよ、ZOZOTOWN人気ありますね。
まとめ
メディアは自由競争で本当に読者に刺さる記事を書くメディアが残る世界
鹿島アントラーズ。弱者のマーケティング戦略、強者のサッカー実績
鹿島はいつも嫌な対戦相手であると同時に、楽しみなゲーム展開を期待できる相手。その鹿島のマーケティングの裏側がよくわかるインタビュー。今回はエッセンスを更に抽出。
負けない勝ち切るサッカーはコンテンツ
それはそもそもユニバースが限られている分だけ、勝利にこだわる土壌があったという話。
我々のホームスタジアム「茨城県立カシマサッカースタジアム」がある鹿嶋市の人口は6万7000人。スタジアム周辺30キロ圏内の人口を含めても78万人しかいない。このマーケット規模で商売になるかと考えたら、商売にならない。なるわけがないんです。
鹿島のマーケティングのすべてが規模の差にある。
同じ関東圏にあるクラブの浦和レッズやFC東京、横浜F・マリノスは都市部にあり、1800万人~2000万人規模のマーケットを対象にビジネスを展開している。我々とは20倍以上もの差がある。
確かに人口規模でいえば20倍かもしれない。
ただ、都心はサッカー以外のエンターテインメントの選択肢も多い。
時間の奪い合いの競争は厳しいというのは付け加える必要があるだろう。
コンテンツ×流通
どんなにいいものを作っても伝える方法、流通を確保しないとという話。
「アントラーズは強い」というイメージづくりに取り組んできましたが、その情報を伝える手段がなかった。その問題を解決し、一人ひとりのファンとつながるために、ファンクラブを創設しました。
ファンクラブ設立の背景の発想が特殊。リアルのオウンドメディアを作ったと。
茨城県における通勤・通学の手段はほとんどが車。電車を使っている人がいないので、中吊り広告は効果がない。全国で唯一、ローカルの放送局もない。
そうなのか!
ファン層の高齢化
これはサッカーに限らない。米国や欧州のスポーツも同じ。
ただ、これまでの25年間を振り返ってみると、既存のサポーターを大事にしてきた一方で、スタジアムが非常に閉鎖的な空間になっていた。
ここまでの成長は既存サポーターあってこそですが、今の状態のままでは将来性がない。放っておいたらクラブがなくなってしまう。この状況を脱するには、誰もが楽しめるスタジアムに変えていかなければいけないと考えて、現在さまざまな施策を展開しています。
これは鹿島だけではなく、日本中心で商品やサービスを提供する会社すべてにいえることではなかろうか。
アメリカは、「スタジアムを維持するためのコンテンツの一つとしてチームを持つ」という考え方で、スタジアムを持っている人たちがスポーツチームを支えているんです。一方で、日本は「チームのためにスタジアムが存在している」という考え方にもとづいて、チームがスタジアム経営も行おうとしています。
発想がそもそも逆だと。
まとめにかえて
いずれにせよ、ユーザーを作っていくような新しいサービスを目指すときには大木に参考になるインタビュー。
他作だから天才とはかぎらないが、天才は他作
はじめからすごいモノを作ろうとするとリキんで手が動かせなかったりします。ところが、細かなテーマで一つずつ作っていくと、意外に大きなテーマが自分がしたいことがつかめてくるという体験はないでしょうか?
「木を見て、森を観る」vs.「森を観て、木を見る」
そう、ちょうど、「木を見て、森を観る」的なプロセスで。「森を観て、木を見る」が重要と言われる中、あえて「木を見て、森を観る」が大事だと感じてます。
一応自分はアナリストだと思って?生活する中で、毎日いろいろな記事を読んだり、分析したり、アウトプットしてみたりしています。
ただ、はじめから全体像が見えていることなどほとんどなく、マイクロ(日本語で言うところのミクロ)な分析や体験をして、全体が見えてきているというのが率直なところです。
マイクロの分析(ここではレポートや記事などの文章も含めて)をいくつもこなす上で、各マイクロについての理解は平均値よりも知っていると思うようになればさらに先に進めます。
また、同じ対象に対して繰り返し分析を続けていっても、結局は自分の分析内容がマージナル(限界的)になってしまうので、個人的には分析する対象物はどんどん切り替えていった方が結局は「森を見る」のは早くなるのかなと。
優秀だが手を動かせないケース
優秀な人でも、実際は手が遅い人は結構多いと思います。実にもったいないなと。
また、短期間に仕上げられる場合は良いですが、できあがったモノがイマイチであれば、周りからの評価も当然ながら良いものとはなりません。
ただ、手を動かす作業がない分、そこでの気づきは十分とは言えないでしょう。
結局は天才は他作
東洲斎写楽とか司馬遼太郎とか手塚治虫とか、はたまた青山剛昌とか東野圭吾とか(漫画家が多いな)、天才と呼ばれる人たちは創り続けることができるという才能が確実にある。
歴史の登場人物を軸に小説を何作品も書き上げるというのは尋常ではないし、ストーリーと漫画を書き続け、単行本が100巻を超えるとか言うのも超人的。
まあ、普通の才能の人にはそんな機会は与えられもしないですが、与えられても実現はできないです。
編集者から以前聞いた話では、編集者はこの作家が書き続ける才能があるかどうかというのを大事にしているとか。
つまり、人間関係を構築して仕事をするので、確かに長い関係を築けないと効率が悪いとも言えなくもないです。
余談ですが、個人的におすすめなのは、司馬遼太郎だと「燃えよ剣〈上〉 (新潮文庫)」/「燃えよ剣〈下〉 (新潮文庫)」、手塚治虫だと「陽だまりの樹 コミック 文庫版 全8巻完結セット (小学館文庫)」
「陽だまりの樹」は高校のときに国語の先生に教えてもらってから読んだが、今読み直しても毎回感動がある作品。
創り続ける苦しみはやった人にしか分からない
自分も3冊本を書いてみたが、正直しんどいです。
頭にアイデアがぼんやりあるものの、いざ手を動かすとなると、動かない。
そこで気づいたのは、やはり、「書き続ける、創り続けるということの方がよほど難しく、次元が違うほど立派だ」ということ。
なので、個人的には単作でやりきったという意見には賛同しにくいなと。
もちろん、もしかしたらいるのかもしれないですが。
結局、思うのは作品を多く残して、様々な試行(思考)を繰り返した結果が、その作り手の世界観であって、シングルプロダクトでそれを表現できるというのはよほどのことがない限り難しい。
昔、米経済学者クルーグマンが大学院生に「毎日(別々の)レポートを書け」と指導しているというような話を読んだことがあったが、正直そこまでできるかどうかは分からないが、つまりは考えて「手を動かせ」と行っているのだなと。
まとめ
つまり、手を動かし続けることにしか、解はないということ。ということで、今日も書き続ける訳です。
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多作の話ではないが、仕事に関しての姿勢として参考になる記事。でも、結局、できる人は手が早いというのは必ずしもではないが、その傾向あるように思う。
個人投資家向けインデックスファンドの価格競争もそろそろ終わりか?投資環境整備は十分で新投資機会の提供必至
ニッセイアセット、アセットマネジメントOne、三菱UFJ国際投信の先進国株式のインデックスファンドの信託報酬が20ベーシス台で揃い、これで個人投資家の資産運用の投資環境は十分に整備されたといえるのでは。もちろんいずれのファンドもノーロード(買付手数料無料)。
20ベーシスの意味
そもそも株式を個人投資家が購入しようとすると手数料が発生します。たとえば、10万円の株式投資で100円の買付手数料がかかるとすれば0.1%、これが10ベーシスの手数料というわけです。
そもそもノーロードなのでその買付手数料もかからないので、運用会社(ファンドでは委託会社と呼ばれる)、つまりそのファンドがその手数料を被っていることになります。
もっとも運用会社は運用期間中に投資家から信託報酬を得られるので、そちらに原子があるという理解もできますが、いずれにせよ投資家が投資を始めた直後は運用会社がその買付手数料を被っていることになります。
ただ、信託報酬も運用会社である委託会社、証券会社をはじめとした販売会社、信託銀行である受託会社で分割されるのでそのすべてを手にすることはできませんが。
国際分散投資も簡単な時代に
個人の資産運用でも最近は特に国際分散投資が叫ばれますが、個人的には現在の金利水準などを考えれば債券エクスポージャーはほとんどいらないと思っているので、グローバル株式のインデックスファンド、配当や分配を重視する場合にはグローバルREITでもあれば十分かなと思ってしまいます。
したがって、今回の先進国株式インデックスファンドが20ベーシス台で出そろったということは、個人投資家が長期に資産形成する環境がと整ったという理解でよいのではないでしょうか。
もちろん債券のインデックスファンドの信託報酬も20ベーシス以下で手に入るので、そちらも十分魅力的です。
また、個人型確定拠出型年金(iDeCo, イデコ)もスタートし、資産形成だけでなく節税も可能となりメリットは非常に大きいといえるでしょう。
日本の個人投資家は次は何を求めるか(求めるべきか)
インデックスファンドが非常に手に入りやすくなったので、個人的には運用会社に何を期待するのか、ということになるとやはりこれまで個人投資家がアクセスできなかった金融商品を提供してほしいということです。
金融機関の本来の役割は投資機会の発掘とその提供だと思っています。それができないと今後は機械との競争は厳しくなるでしょう。
詳しくは、拙著に記載してあるのでそちらをご参照ください。
ということで、日本の個人投資家も資産形成がしやすくなったものです。
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「銀行はこれからどうなるのか」を出版します。銀行から見るFinTechとは
書き下ろし第3弾として銀行セクターを分析した「銀行はこれからどうなるのか」を3月27日に出版となりました。銀行業界に興味のある方や就職活動をしている学生の方など幅広く読んでいただければ幸いです。
金融関連の最近のニュースを理解したい
現在、マイナス金利や地方銀行の再編にはじまりFinTech(フィンテック)やビットコインといったキーワードとともに、銀行や金融に関係するニュースを目にすることが多くなりました。
その一方で、それらのニュースがどのような背景があるのかを理解するのに苦労しているという人も多いのではないでしょうか。
今回は、そうしたニュースの背景を理解できるように銀行業界が直面している問題の根っこを見出せるように様々な角度から分析をしました。
三省堂書店@有楽町
世界の銀行と金融機関を俯瞰する
本書で取り上げる銀行は、いわゆるメガバンクだけではなく、主要地銀、ネット銀行、ゆうちょ銀行、小売りが運営する銀行、海外のJPモルガンチェース、ウェルズ・ファーゴ、ゴールドマン・サックス、HSBC、サンタンデール、BBVA、ペイパル、アリペイ、WeChat、JA、信用金庫など幅広く取り上げました。
また、まだ上にあげた金融機関が十分に意識していないであろう潜在競合企業であるAmazon.comを中心に、どのような事業展開をしてくるのかについて考えています。
銀行からFinTechを見る
今回はFinTechから銀行を見るのではなく、銀行からFinTechを見つめることで、いまFinTechといわれるトレンドの中で何が注目されているのかを理解しようとしています。
これは世の常ですが、攻める方の分析するよりも守る方を分析することでより多くのことが見えてくるからです。
FinTech分野の執筆をしないかというご依頼は何度かいただいたことはあるのですが、自分自身あまりしっくりきませんでした。
ただ、今回は編集者から「銀行ってこれからどうなるんですかね?」という質問が今回の執筆のきっかけになりました。
自分自身でもその姿を見たくなったからです。
都合、約半年かけて国内外の金融機関の決算書の分析や外国人へのインタビューを繰り返して、本書ができました。
銀行業界の未来予想図の一つとして読んでいただければ幸いです。
これまで、電機や自動車セクターを分析しましたが、ポートフォリオマネージャーがポートフォリオを構築するときに重要な判断が必要とされる大きなセクターは残すところ銀行セクターだけでした。今回はその意味でも自分の中で分析しておきたいという思いが強かったことは確かです。
また、銀行セクターは専門性の高いセクターですが、テクノロジーで産業構造が大きく変わろうとしている状況はテクノロジーアナリストとしては格好の調査対象といえます。引き続きこの業界もテクノロジーという切り口で分析し続けていきます。
紀伊国屋@大手町ビル
最後に
書店さんでも大きくスペースを確保していただいています。感謝しかありません。
できるだけ多くの方に目を通していただき、日本の金融業界がよりよく発展するためのきっかけになればと思います。
丸善@東京駅
紀伊国屋@大阪・梅田
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川崎F中村憲剛の評価はMVPで実証済み。日本代表とウーイェイとジャスティスの間に
川崎フロンターレ(川崎F)の元キャプテンでMFの中村憲剛選手。元日本代表であり、また2016年JリーグMVPを受賞するなど年齢を考えればベテランという域ではあるものの、いまだにJリーグでトップレベルのパフォーマンスを見せる稀代のサッカー選手。
中村選手が試合を俯瞰できるという評価とそのパスセンス、またゴールをどん欲に狙う姿は経験値とは裏腹にサッカー小僧ともいえる。将来は川崎Fの監督候補でもあろう。
ここでは、中村選手のブログやTwitter、試合後のコメントなどをもとにそのサッカー観を分析する。
中村憲剛選手はエンターテイナーでありパブリシティがうまい
中村選手を理解する際にメディアとの関係づくりがうまいため様々なところで目にすることができる。
ゴール後のウーイェイやジャスティスといったパフォーマンスもエンターテイナー前回のパフォーマンスである。
その一方で、パフォーマンスにとどまらずにサッカーの本質も上手に伝える努力をしている。
技術であったり、ゲームメイク報であったり、俯瞰できるイメージやメンタル面のコントールの仕方をよくとらえているのが、以下の著書。おすすめ。
中村憲剛のコメントから試合の読み筋を学ぶ
戦線後の振り返りは、戦術を確認するのと、どのように選手が考えてプレーしていたのかを知れて非常に貴重。
2017年Jリーグ 第12節 対鹿島アントラーズ戦
いやー、いい試合でした。
2点目は自分たちが握ったところからスタートしたが、相手がボールに食いつき気味という特徴があったので、そこを逆手に取ってうまくゴールにつなげることができたかなと。2-0で前半を折り返して、後半相手がどんどん出てくるので、その隙を突いてノボリ(登里享平)が決めたのも大きい。*1
2017年Jリーグ 第11節 対ジュビロ磐田戦
最初は少しバタバタしたが、ボールを保持できるようになってからは、どうやって崩していこうかということを考えていた。どこで仕掛けるかというのをもっと合わせることができれば、もっと崩せたのかなとも思う。
2017年Jリーグ 第10節 対アルビレックス新潟戦
圧勝。まずは勝ち癖を付ける試合。
憲剛は欠場。
2017年Jリーグ 第9節 対セレッソ大阪戦
怪我人などの選手リソース、スタメン、試合内容、いずれもやる気が見えなかった試合。
憲剛は欠場。
2017年Jリーグ 第8節 対清水エスパルス戦
アバンテを歌っている最中に失点という珍しいパターン。そして同点に。
サポーターからすると、なんだかなぁという気持ちと、素直に価値キレよという試合。
後半にケンタロウ(森谷賢太郎)が入って、球離れを早くして、相手に守備の的を絞らせない。相手も前半から走っていたし、空いてきた。相手のカウンターもケアできていた。相手からすれば、ボールは取れないし、攻めようとしてもすぐ取られる。追いついた瞬間はいけると思ったし、実際に逆転もできた。3点目も取りに行ったし、周りも守るつもりはなかった。*2
2017年Jリーグ 第7節 対コンサドーレ札幌
甲府戦と同じ。引いてくる相手の攻めの選択肢。
もっとペナルティエリアのど真ん中から攻めたい。そこを閉められたら、外からいけばいい。*3
プロサッカー選手でもこうした基本的なことをあえて言わないといけない、と思ってしまう。
前の選手がマークにつかれても、積極的に剥がしたり、止めて蹴って前を見て展開する。そういう前線3人の関係性が皆無に近い状態で、1対1でやっている。ユウ(小林悠)がたまにボールを受けてポストして、というぐらい。もうちょっと汲み取ろうとしないといけないし、突破が単独になる。*4
2017年Jリーグ 第6節 対ヴァンフォーレ甲府戦
川崎F相手に引いてくる相手への攻め方の典型パターンのコメント。
相手は真ん中は固めている。外に1回開かせないと、なかなかあのブロックは崩れない。相手が狙っているのは縦パスを入れたときに潰してカウンター。だから、いつ縦パスを入れるのか。そこを共有しないといけないが、今日はそこが足りなかった。*5
2017年Jリーグ 第5節 対ベガルタ仙台戦
前線3人でもいろいろ話をしながら、ユウ(小林悠)もタツヤも飛び出しができて、自分のポジションもワントップなのかトップ下なのかよくわからない感じだったので、相手もマークにつ来づらかったと思う。前にボールが入った瞬間ユウがキープしてくれれば、自分がフリーだったのでそこからタツヤやユウにスルーパスを出す仕事がメインだったかなと。あとはカウンターの起点になったり。まず前の2人が背後にランニングできるのが大きい。それで相手の3枚が引けば、自分が空く。ダブルボランチも自分のことを気にはするが、どちらかというと後ろに受け渡す感じだったので、それだったら平岡選手に張り付かずにボランチの背中で受けるイメージでプレーした。1点目みたいにリョウタ(大島僚太)から相手のボランチの背中でボールを受けて、ハイネルに出して、ユウにつながり、タツヤが決めた。今日はそれが仕事だと思っていた。*6
これがゼロトップの解説。
鬼木監督よりもコメントが詳細(笑)。そして分かりやすい。
2017年ACL 第3節 対広州恒大戦
立ち上がりは相手も迫力があったし、こっちもいろいろ変えた部分があったので、やっていてちょっとうまくいかないなという感じはあった。でも落ち着いて30分を過ぎたあたりから相手の空いているところはわかっていたし、しっかりボールを回しながらそこを突けばいけるという感触はあった。*7
サッカーは相手がどんなに強力でも常に攻めているわけではない。そこのスキを見出して、狙う。
2017年J1リーグ 第3節 対柏レイソル戦
試合前にオニさん(鬼木達監督)が攻守で圧倒しようと言っていた。フロンターレに入って長いが、守備でも相手を圧倒したのは久しぶり。相手のやりたいことを、なかなか出させなかった。それを体現できたのは大きな勝利だった。今日ぐらいみんながファイトすれば、そんなに簡単に屈するチームではない。ただ、もっともっとボールを持った時の攻撃の質、精度がまだ欠けている。良い形で攻撃を完結していきたいし、そこに向かってやっていきたい。*8
2017年のフロンターレの課題はいかに勝ち切るか。
前半から後半途中までリードしていても試合終了直前に同点に追いつかれる、勝ち越されるようなシーンはもうたくさん。
等々力劇場はエンターテインメントとしては秀逸だが、常勝チームにはもしかしたらいらないエッセンスかもしれない。
その意味で、これまでの攻撃一辺倒から攻守で圧倒するというのは、高みへ達するための条件といえる。
2017年J1リーグ 第2節 対サガン鳥栖戦
3ボランチだが、高橋選手のアンカーは一人。彼が自分に引っ張られれば、ユウ(小林悠)が空く。自分が顔を出すことで、バイタルから前に行くシーンは増えたが、そこから最後の仕上げ。ペナ幅、サイドの崩しがまだまだあっていない。*9
崩しの起点の中村選手。
決定機をモノにするシーンで、今年は大久保嘉人選手がいないため、小林悠選手だけなのが現状の弱み。結果、中村選手も得点を意識したプレーとなり、2017年3月20日現在で既に2得点。
阿部浩之選手や大塚翔平選手、森本貴幸選手にもそうしたプレーが求められるが、まだまだ。
2017年J1リーグ 第1節 対大宮アルディージャ戦
今までは良い試合をしても、隙を作って負けてしまったこともある。この試合でそれがすべて解消できたわけじゃないけど、去年の悔しさを思い出しながらやれているし、それが結果につながったところもあると思う。*10
本当に上の言葉がフロンターレのすべて。
2016年天皇杯 決勝 対鹿島アントラーズ戦
自分たちがチャンスを外して、向こうがセットプレーで2発決めている。わかりやすい。*11
本当に悔しい試合。
お互いのストロングポイントの戦いとその結果。
キックの軌道も得点の時は変えてきた。ちょっとしたことだけど、すごく大きな差になっている。
セットプレーの鹿島の小技もきいているらしい。
2016年J1リーグ 第15節 対鹿島アントラーズ戦
ボールを持ちながらやれればベストだとは思うけど、むこうもほぼ2バック状態でどんどん1ボランチ気味にして上がっていったので、そこで守備と言うか、細かな修正じゃないが、サイドハーフを下げさせないとか、FWを縦の関係にするとかは出来ると思うので。*12
3-5-2と4-4-2のシステムのぶつかり合いとその解説。
本当に絶妙に試合内容。
どちらが勝ってもおかしくなかった。
中村憲剛選手のブログはLINEブログ
なぜかちょっと前にLINEブログに移った。
時代でしょうか。
中村憲剛選手のツィッター
結構よくTweetされているのでフォローしていても面白い。
あわせて読みたい
*1:
ゲーム記録・速報 - 2017/J1リーグ 第12節 vs.鹿島アントラーズ | KAWASAKI FRONTALE
*2:
ゲーム記録・速報 - 2017/J1リーグ 第8節 vs.清水エスパルス | KAWASAKI FRONTALE
*3:
ゲーム記録・速報 - 2017/J1リーグ 第7節 vs.北海道コンサドーレ札幌 | KAWASAKI FRONTALE
*4:
ゲーム記録・速報 - 2017/J1リーグ 第7節 vs.北海道コンサドーレ札幌 | KAWASAKI FRONTALE
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ゲーム記録・速報 - 2017/J1リーグ 第6節 vs.ヴァンフォーレ甲府 | KAWASAKI FRONTALE
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ゲーム記録・速報 - 2017/J1リーグ 第5節 vs.ベガルタ仙台 | KAWASAKI FRONTALE
*7:
ゲーム記録・速報 - 2017/ACL 第3節 vs.広州恒大 | KAWASAKI FRONTALE
*8:
ゲーム記録・速報 - 2017/J1リーグ 第3節 vs.柏レイソル | KAWASAKI FRONTALE
*9:
ゲーム記録・速報 - 2017/J1リーグ 第2節 vs.サガン鳥栖 | KAWASAKI FRONTALE
*10:
ゲーム記録・速報 - 2017/J1リーグ 第1節 vs.大宮アルディージャ | KAWASAKI FRONTALE
*11:
ゲーム記録・速報 - 2016/天皇杯 決勝 vs.鹿島アントラーズ : KAWASAKI FRONTALE
*12:
鬼木フロンターレの戦略と戦術。コーチ時代の評判と鹿島イズム
2017年シーズンより風間八宏監督に代わり、コーチでもあった鬼木達(おにきとおる)氏が監督として就任。ここでは、試合後の監督や選手のコメント、公開情報を振り返ることで鬼木フロンターレの戦略及び戦術を振り返りたい。2017年はACL(アジアチャンピオンズリーグ)にも出場していることから、幅広い選手起用なども含めて俯瞰してみていく。
鬼木フロンターレ概要
風間八宏前監督からのボールを支配することで主導権を握り、「個の技術」でシステムを崩すというコンセプトをコーチとしてサポート。
とはいえ、鬼木監督自身は鹿島アントラーズ出身の「4-4-2」のシステムに強みを持たせる哲学がオリジン。
攻撃一辺倒?!サッカーにどこまで鹿島のような負けない要素を入れ込めるか
鬼木フロンターレとしては、攻撃サッカーともいわれる個の技術を軸に、鹿島の代名詞ともいわれる負けないサッカーをどのように融合させていくのかが課題。
実際、風間サッカーでは2016年シーズンは難関勝ち点では2位だがチャンピオンシップでは鹿島に敗れ、結果としては3位。天皇杯でも決勝で鹿島に敗北。
個人的には一発勝負の結果で、チームの強い弱いはあまり議論する意味合いを感じないが、2016年は「一発勝負」がフロンターレのキーワードといってもよい年だった。
コーチ時代の布石と発展
鬼木フロンターレは、ここまでの基本形は「4-2-3-1」。家長昭博選手やエウシーニョ選手等がシーズンはじめから怪我で離脱する中、右SBや大久保嘉人選手が抜けた後のアタッカー陣の駒不足に直面。
実際は、「4-2-4」という「ゼロトップ」で前線の4人が以下に連動をして得点に結びつける状況を生み出せるかがキーとなる。
フロンターレのリスク要因
ボールを支配し、攻撃時間を長めに保有し、得点確立を上げるというコンセプトは変わらないため、カウンターが最大のリスクとなるが、これをどう防ぐかはこれまでと変わらない。
エドアルド選手が手術で離脱だが、奈良竜樹選手が復帰したため、CBは体をなしているが、ACLや怪我人が出る可能性を考えると不安な要素は残る。
2017年試合ハイライト
以下、公式コメントをもとに鬼木フロンターレの戦略と戦術を読み解いていく。
2017年J1リーグ 第4節 対FC東京戦
FC東京に移籍した大久保嘉人選手に移籍後初得点を許すなど、フロンターレとしては後味の悪い試合。2017年公式戦で初黒星。
少しフリーになったというか、ボールを持っている時にあまり選手たちもプレッシャーを感じなくなってきたと思うんです。その中で逆に動きが止まってきてしまったというか、みんながボールを動かしている間に基本的には動きを入れたいところなんですが、そのタイミングでだんだんボールが動かなくなってしまって、一緒に動きも止まってしまったというところがあったと思います。*1
フロンターレのパスワークは見ている者を魅了するが、実際はその動かすアクションとともに次にどう攻めるかという企画とともにパスがなければならず、それがなければただパスを回しているだけ。
昨年同様圧倒的なポゼッションともに相手を崩すためのアイデアが必要。
また、得点ケースが小林悠選手中心になっているのが現在の問題点。本来は、阿部浩之選手や大塚翔平選手がタメを作るだけではなく「決定力」として機能しなくてはならないが、そういったシーンはまだ見えていない。
家長昭博選手がフロンターレのパスワークになじんでいないという話もあったが、家長選手には復帰後にはタメと決定機をモノにする役割が待たれる。
ACL 第3節 対広州恒大戦
最初、少しチームとしてバタついて慌ててしまったという印象がありまして、そこのところでまず中盤のところ、大島のところを本来のポジションに戻して、そこのところで時間をしっかり作れるように、我々の形というものを作れるようにするためにまず森本を入れました。板倉滉のところは少し慌ててしまっていたので、そこのところの修正ということですね。*2
2016年もそうだが、怪我人なども含めて、限られたリソースで戦わなければならない状況にある。
板倉滉選手もずいぶん頼もしい選手に見えるようになってきたが、経験が必要ということか。
ただし、アクシデントでもシステムを柔軟に変更するオプションを試し、ドローに持ち込むあたりは評価されるべき。
2017年J1リーグ 第3節 対柏レイソル戦
ゲームの中で言いますと前半、とにかく立ち上がりから自分達でのボールを握るというところ、もう一つは相手に時間を与えずに徹底して前から行こうというところで、非常に良い形で得点も含めてゲームが進められたと思います。*3
2017年の変化は前線からのプレス。
昨年はなかったかといえばそうではなく、ボールが支配できないなと感じれば大久保嘉人選手がデフェンス陣の深いところまでボールをもらいに行くようなシーンもあった。
今年は前線からボールを奪いに行くという姿勢。
もともとのゴールキーパー、デフィエンス、ボランチからのビルドアップという「風間流」に加えて、前線からのプレス。これはハードワーク。
勝利後にコアラのマーチを観客席に投げる田坂選手
2017年J1リーグ 第2節 対サガン鳥栖戦
ゴール前のところですよね。どれだけ積極的にシュートを打てるか、どれだけ積極的に背後を取りにいけるか。ただこれは時間をかけてやっていくしかないことなので。もちろん来週からも取り組みますけど、それがどれだけ擦り合わされるかというのが大事になってくるかなと思います。*4
見ていても攻めが単調。
いつものことながらディフェンスを固めてカウンター相手に弱いフロンターレ。
得点した小林悠選手
ACL 第2節 対イースタンSC戦
まず、前半の早い時間帯に退場をしてしまったので、前半はあのメンバーで乗り切ろうという形で、しっかりまず守備のところを固めて前半を乗り切ることというプランでした。プラン通りにいきましたし、後半は少しポジション、システムを変えまして前に少し人数をかけてと。というのは相手がそれほど前から取りに来なかったので、人数をかけれるんじゃないかということでシステムを変えて、得点は出来ましたけど、もっと重ねることが出来たと思っています。非常に残念です。*5
奈良竜樹選手の早々の退場。
不運な試合。
2017年J1リーグ 第1節 対大宮アルディージャ戦
前への意欲といいますか、ゴールへ向かっていく姿勢がもう少し欲しかったといいますか、それをどこで作るかという意味で言うと、最初は右の小林のところで作ろうと思っていたんですけど、それがなかなかうまく行かなかったので、一番前のところで、背後も行くしボールを受けてくれるということでポジションを変えました。*6
家長昭博選手のタメと得点という読みが狂ったシーン。
その後、怪我が発表される。
ACL 第1節 対水原三星ブルーウィングス戦
基本的にはクロスは上げたくないと。相手も高いですし。選手が個人で判断するというところは尊重しますけど、僕らとしては普段の練習から崩していこうというところなので。そこらへんは去年と変わらず、崩したいという思いが強いです。*7
基本はクロスではなく、崩すコンセプト。
今日で言うと家長としてもユウ(小林悠)にしても、ポジションとしてのとり方としては前半は悪くなかったと思いますし、うちのところでいうと、相手の3バック、バイタルのところを攻略しようということで出ていったんですけど、マンツーマン気味にくるので。ポジションチェンジはしなさいという話は試合前にしていましたし、立ち上がりとしてはそれは悪くなかったんですけど、ボールの取られ方ですね。失い方が悪くなってから運動量というところでどうしても自分のポジションから違うところにいけなくなったなというのはありますね。*8
家長昭博選手が大久保嘉人選手と比べられている件。
家長選手、中村憲剛選手、阿部浩之選手、小林悠選手の4人が連動して動けばベスト。
去年が0トップかと言われるとそうではないと思っているんですけど、去年はヨシト(大久保嘉人)が行ったり来たりということですよね。*9
ということで、当事者は「ゼロトップではない!」と仰っており、外野が勝手にゼロトップと思いっているという事実がここに。
あわせて読みたい
*1:
ゲーム記録・速報 - 2017/J1リーグ 第4節 vs.FC東京 | KAWASAKI FRONTALE
*2:
ゲーム記録・速報 - 2017/ACL 第3節 vs.広州恒大 | KAWASAKI FRONTALE
*3:
ゲーム記録・速報 - 2017/J1リーグ 第3節 vs.柏レイソル | KAWASAKI FRONTALE
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ゲーム記録・速報 - 2017/J1リーグ 第2節 vs.サガン鳥栖 | KAWASAKI FRONTALE
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ゲーム記録・速報 - 2017/ACL 第2節 vs.イースタンSC | KAWASAKI FRONTALE
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ゲーム記録・速報 - 2017/J1リーグ 第1節 vs.大宮アルディージャ | KAWASAKI FRONTALE
*7:
ゲーム記録・速報 - 2017/ACL 第1節 vs.水原三星ブルーウィングス | KAWASAKI FRONTALE
*8:
ゲーム記録・速報 - 2017/ACL 第1節 vs.水原三星ブルーウィングス | KAWASAKI FRONTALE
*9:
RegTech/レグテックとは何か-FinTechとは何が違うのか。評判はどうか
RegTechと耳にすることが多くなってきました。一体RegTechとは何なのでしょうか。また、FinTechとの違いは何なのでしょうか。ここではRegTechの定義と最近の動向をまとめました。
RegTechとは
Regulation(規制)とTechnology(テクノロジー)の造語で、FinTechやMedTech、EdTechというように一つの領域とテクノロジーを掛け合わせた造語のうちの一つです。
ただし、FinTechやMedTechのように産業とテクノロジーを掛け合わせるのとは違って、規制というやや漠然としたエッセンスが少し気になります。
英国のFCA(Financial Conduct Authority)はRegtechを以下のように定義しています。
RegTech is a sub-set of FinTech that focuses on technologies that may facilitate the delivery of regulatory requirements more efficiently and effectively than existing capabilities.*1
和訳すると次のような感じでしょうか。
「レグテックはフィンテックの一部である(部分集合)。フィンテックはテクノロジーを重点的に取り扱っており、そのテクノロジーとは規制が必要とする内容を届けるのにこれまでの現在機能している状況以上に効率的にかつ効果的に役立つものである」
RegTechはFinTechの一部ということですね。
RegTechの特徴が出る4領域
デロイトは先の「規制」と「テクノロジー」ことを掛け合わせることがこれまでにXXXTechと違うということも指摘していて、その中でもRegTechの特徴として以下の4つの点を指摘しています*2
- アジリティ
- スピード
- インテグレーション
- アナリティックス
これらの項目は、いずれも金融機関が対監督官庁に対応するために必要な項目で、実はあまり消費者やユーザーと接点がないように思われます。ここも、これまでのXXXTechとは少し特徴が異なるといえます。
ただし、それでは私たちと全く関係がないかといえば、決してそうではなく、金融機関などが新たなサービスを開始するにあたっては監督官庁と事前にすり合わせていることはごくごく自然です。
金融機関がそうした新しいサービスを提供するにあたってはテクノロジーを活用してどのように利用者を把握しているか、またリスク管理ができているかということが重要になります。
したがって、新しいサービスと規制はいわばコインの表と裏であり、またそうした取り組みにテクノロジーを活用しようという動きといえます。
金融機関の仕事は突き詰めるとリスク管理です。これはフロントであろうが、ミドルであろうが、バックオフィスであろうが、基本となる仕事です。
RegTechは金融機関と監督官庁が主導で進める?!
IIF(institution of international Finance)はRegTechが進化すると以下のようなコンプライアンスやレポーティング領域において改善があるといっています*3
- リスクデータアグリゲーション
- モデリング、シナリオ分析と予測
- 支払い履歴のモニタリング
- 顧客などのアイデンティフィケーション
- 金融機関内部の「考え方やくせ」や振る舞いの監視
- 市場取引
- 新しい規制の確認
うーん、こう見るとRegTechが必要なのは金融機関を監督する監督官庁とそこに迅速に報告する必要がある金融機関といえそうです。
リーマンショック以降、金融機関、投資銀行に対しては特に風当たりが強くなりましたが、投資銀行を取り込んだ商業銀行も結果として規制対応とそれらに伴うコスト増に耐えきれないのでしょうか。
となれば、テクノロジーを活用して効率的に監督官庁にレポーティングしたいというのがリスク管理などを担当している役員の本音でしょう。
人海戦術で対応した挙句、漏れがあって自分の責任などになってしまってはたまったもんではないでしょう。
RegTechはICT産業への参入障壁か
金融機関のICT予算は結構な確率でつきやすいというのがアナリストとしての見通しになるかもしれませんが、ちょっと違う角度から見ると、RegTechはICT産業からの新規参入組に金融業は難しいんだよと見せかける参入障壁にも見せかけることができている気がします。
ICTが得意だからといって、アップル、マイクロソフト、グーグル級の会社にバンバン金融業に参入されても困るでしょうから。
銀行としてはIBM程度の規模のICT企業と付き合っている方がよっぽど気楽なんでしょうね。
まとめ
いかがでしたでしょうか。RegTechはFinTechの一部のようですが、このキーワードがマス化するのはちょっと遠そうですね。
FinTechが金融機関と個人、金融機関と法人、個人と個人という領域をカバーしていたと思いますが、RegTechは金融機関と監督官庁という関係をカバーするイメージでしょうか。
*1:
https://www.fca.org.uk/publication/feedback/fs-16-04.pdf
*2:
https://www2.deloitte.com/content/dam/Deloitte/ie/Documents/FinancialServices/ie-regtech-pdf.pdf
*3:
regtech_in_financial_services_-_solutions_for_compliance_and_reporting.pdf
商品と製品は何が違うのか-英語に見る違いと意味
商品と製品は何が違うのか、どう違うのか。
前々から問題意識はあったものの、自分の中で明確に定義していなかったのですが、最近おきている問題をきっかけにいろいろ考えることになりました。
解が見えてきました。両方の日本語である単語は一見同じように見え、ややもすれば同じ意味で使いっているかもしれません。
しかし、おそらく・・・次元が違います。
製品とは
とりあえず、えいや!これが自分の思うところのモノだと作ったものが製品。
生産現場でできた品、執筆者が書き上げた原稿、デザイナーが書き上げた絵…。
ひとつ注意をしておきたいのは、製品といった時点でハードウェアを思いがちですが(特に日本人)、必ずしも手に取ることができるものである必要性はないということです。
ただし、ありがちなのは作り手がこの作業だけでやった感が出ていること。
ところが、営業する身になると気付くのが「こんなの売れたもんではないよ!」と突っ込みまくりの状況ではないでしょうか。
このステージでとどまっている「製品」であるケースがいかに多いことか。
商品とは
お客さんに売れると自信を持つまでに磨き上げた(前提)のモノが商品。
ここでいう商品は、いわゆるハードウェアとしての商品だけではなく、目には見えないサービス行為を含んでの商品です。
つまり製品を市場に出す前に社内に限らず多くの人の目に触れ、評価、確認、編集が効いたものが商品だということです。
一面としては、マーケティングが効いているともいえるかもしれません。
マーケティングも話は長くなるので割愛しますが、単に広告を打つことがマーケティングではありません。
商品の価値をどう理解してもらえるかの導線づくりがマーケティングです。
禅問答のようですが、お客さんは商品の価値を事前に100%知りえていることはないでしょう。そこは当然初期には情報の格差があるでしょうし、そのギャップをいかに下げるかもマーケティングかもしれません。
いまいろいろとコンテンツで問題になっているのは確認(Verification/Validation)や編集が効いていないものが出回ってしまったということなんでしょう。
英英辞典で"PRODUCT" プロダクトと"GOODS"グッズの違いは
手元にある英英辞典でPRODUCTとGOODSを確認しました。
こちらがPRODUCT
こちらがGOODS
よくわかりませんねぇ。
ただし、ポイントはいずれも" in order to be sold"とあります。
売れないものでは、PRODUCTでもGOODSでもないということになります。
売れてなんぼということです。
まとめ
売れるものを作ることがはじめの一歩。
製品から商品にするプロセスの付加価値とその意味合いを知ることが重要。
人が必要とするものはそういうものだということです。