泉田良輔の考えたこと

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風間八宏監督の戦略-サッカー理論と戦術から分析

2012年に就任した川崎フロンターレの風間八宏監督。2016年シーズンで就任5年目となる。2016年シーズンは年間勝ち点で現在2位。1stステージは鹿島アントラーズに優勝を奪われたものの、その後は再び首位に返り咲いたのだが。風間戦略の根底にある理論と戦術の背景に迫まる。

風間八宏監督が川崎Fでの監督を2016年今季限りで退任するという。今後はどのような役割を担うかに注目が集まるが、風間監督の戦略および戦術観は大きく変わらにであろう。引き続き風間監督のコメント「風間文学」をもとにその思考プロセスを考えていきたい。【2016年11月21日アップデート】

風間八宏監督が唱える日本サッカーが強くなるための処方箋

川崎フロンターレ風間八宏監督のサッカー理論は日本では独特、ユニークな理論に聞こえるが、グローバルを視野に入れれば特段特別な話をしているわけではない。

風間理論を一言でいえば、日本のサッカーのレベルがどうすれば世界に近づけるか、個人がどうすれば競争優位を確立できるかという思想が基盤となっている。

2012年に風間監督が川崎フロンターレの監督に就任し、2016年現在いまだタイトルを獲れていない中、「なにをそんな理想をいうか」と指摘する人もいるであろう。

しかし、ワールドカップに出場できるサッカーのレベル及びそのステージの追求は日本としてはもう十分ではないであろうか。

むしろいかに世界の強豪国、強豪クラブと競う中でどのように勝てるかが重要かと思う。

風間サッカー理論とは

風間監督のサッカーは実際に川崎フロンターレの練習を見に行くと勉強になる。詳細は外では見せないであろうが、練習やミニゲームなどから見えてくることもある。

ただし、言語化されたものの方が理解し易いということもあるので、著書も紹介しておく。

風間サッカー理論を理解できる本は下に示す2冊である。

風間監督が語る内容は当然サッカーに関することが、それ以外の領域、特にビジネスにも共通すると思える良書である。

>>日本サッカーを救う「超戦術」 (ベースボール・マガジン社新書)

>>「 1対21 」 のサッカー原論 「 個人力 」 を引き出す発想と技術

さて、風間氏は「目的と手段を間違えるな」と繰り返し指摘している。これは、あたり前のように感じるが、言われてみるとなるほどと思うことが多いから不思議だ。

日本人は、手段を教え込まれると、それを磨き上げるのが目的となってしまい、もともとの手段の目的を見失ってしまいがちである。

たとえば、首を振って周りを見るというのは何のためなのか、ということを風間氏は例として取り上げている。首を振るのは、周囲の状況をよく見るためであるが、首を振ることの自体は忠実に行うのであるが、なぜ首を振るのかを忘れてしまいがちであるという。別に周囲を理解するためには必ずしも首を振るのではなく、別のアクションでもよいではないかということだ。

余談だが、日本の半導体産業においても“微細化のための微細化投資”になり、微細化のイニシアティブをとることで最終的に半導体メーカーとしてどうしたいのが見えていなかった。現在、技術的にも競争優位の残っているとされるNANDフラッシュメモリもそのトレンドにあるような気がしてならない。

結果、日本の半導体メーカーは微細化投資に多額の資金がかかった上にアップルをはじめとした一部大口顧客の交渉力に負け十分な収益を上げることができないケースが多かった。最悪のケースの場合には、莫大な設備投資をした割に回収が十分ではなければ会社の生存確率を極端に下げてしまうことも多い。

個人戦術-「個」にこだわる

風間氏は、「個人戦術」を「考える力」と「技術」の集合体と定義しており、選手一人ひとりの戦う術としている。

また、「考える力」に必要なのは情報収集力とスピードが大事だとしている。

では、情報収集が重要だというのは、自分の周りの状況を把握し、次にどうするかを決める材料になるからである。また、その情報収集と意思決定を迅速に行うことができれば、相手よりも有利なポジションや展開ができるということもある。

「技術」に関しても定義は極めてシンプルだ。

  • 止める
  • 蹴る
  • 運ぶ
  • 外す

とこの4つであり、この一つずつを完成度の高いものにしていくことと、その組み合わせが技術としてレベルの高いものとなっていく。

詳しくは以下のDVDが非常に面白いし、分かりやすい。少なくともVol.3 までをじっくり見ると風間監督の言いたいことが理解できるようになる。

>>風間八宏 FOOTBALL CLINIC Vol.1 [DVD](ちなみに「止める」がテーマ)

>>風間八宏 FOOTBALL CLINIC Vol.2 [DVD](「運ぶ」[外す]がテーマ)

>>風間八宏 FOOTBALL CLINIC Vol.3「受ける」 [DVD]

>>風間八宏 FOOTBALL CLINIC Vol.4「シュート」 [DVD]

>>風間八宏FOOTBALL CLINIC vol.5「シュート応用編」 [DVD]

戦闘能力とはいかに

さて、風間氏は、「個」をテーマに、別の個所では「個人戦術」という言葉のほかに「戦闘能力」という言葉を使う。

その言葉自体は、やや平たく言いすぎているが、システムズエンジニアリングでいえば、LCI, Lowest Configuration Item に近いかなと思う。サッカーのシステムを構成する上で、もっとも根幹というか、基盤になる要素だ。

風間氏は、その例を「ボールをいかに取られないか、取られたらいかにとりかえすか」や「相手の力を見極めて自分の手を講じる」というような意味で使っている。

ビジネスでも、個人の戦闘能力で大きくビジネスモデルそのものが影響を受ける。細かいことを言えば、相手の言いたいことを理解するコミュニケーション能力であったり、自分たちの受注環境を優位にするための交渉術であったり、会社のキャッシュフローを盤石にするためのプライシング策であったり、様々だが、こうしたマイクロな局面での積み上げがビジネスでいう「戦闘能力」だ。

サッカーでも、監督の言われたとおりにやって見せたので褒めてほしいというような選手もいるそうだ。それは最低限で、それ以上の何ができるかで評価が決まると、風間氏は言う。

サッカーも局面局面で様々に変化をする。それにいかに柔軟に対応ができるかも「戦闘能力」だという。つまりは、読み筋をいかに柔軟にいくつも持つことができる選手が強い。

サッカーもビジネスも同様だと思うが、全体はシステムであるのだが、LCIでそのシステムの強さが決定づけられることが多い。そこを理解できるだけで、システムへの取り組み姿勢とデザインが大きく変わる。

風間八宏語録

風間監督の試合後のコメントは、その試合の振り返りとともにどのような思考プロセスや戦術があるのかが透けて見えてくる。極めて面白いので順を追ってみていこう。

<第96回天皇杯ラウンド16 対浦和レッズ戦>

激戦。このコメントで風間監督は日本全体のサッカーを展望しているなと思っていたのだが。代表監督も視野に入ったかと思ったのだが、ハリルがサウジ戦で勝ったことも含めて歯車が崩れたのか。

浦和レッズというチームはものすごく特別に個人が揃っているチーム、それから自分達の自信というものをものすごく持っているので、そういうところでああいうゲームが沢山できるというのはすごく大事なことだと思いますし、Jリーグでもああいう試合が見られるんだということをもっともっとみんなで突き詰めていかないといけないんじゃないかなと思います。必ず海外が面白いという訳では無いですし、海外から何かを学ぶというのはいつも言っていますけど、もう必要が無いんじゃないかなと思いますので、我々独自のもの、ペトロヴィッチさんも外国人とは思っていないです。*1

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<2016年2ndステージ第17節 対ガンバ大阪戦>

2点先行したらちゃんと勝ち切れよ!という試合。以上。

初めてやって約5シーズン。その中で色々と考えることもありますし、それから選手と同じように自分自身も継続と刺激と、トレーニングでもそうですけど、必要だと思いますので。そのへんで少し頭を変えたいなと思っただけです。*2

ということで、結局グランパスに行く可能性が高くなった風間監督。グランパスに一体何があるのか不明だが、そこは風間監督なので。

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<2016年2ndステージ第16節 対鹿島アントラーズ戦>

ちぐはぐな試合。結局GK新井章太選手とFW森本貴幸選手が主役。

1人でも自信を持たない、あるいはそこのところの技術を相手に対して向かっていかなければ、リズムが悪くなる。*3

そして風間監督をしてでも言語化できない森本選手。

不思議な選手というか。それが僕のいつもの印象です。なかなかゲームの中に入ってこないなと思うと、でも試合に出すと点を獲る。練習試合でもカップ戦でもですけど、そういうところがあるので。不思議な選手だなと。*4

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<2016年2ndステージ第15節 対サンフレッチェ広島戦>

この試合で負けると本当に年間王者が遠のいてしまうので負けられない一戦。といっても相手がサンフレッチェとあればという心境。

結果は怪我後の新井章太選手がしっかり守っての2-0という完封勝利。

たくさんの失敗、それからたくさんの成功、そこのところを徹底的に作って行けと言うことを言って3週間たちましたけど、そういうことは何かというと、失敗がわかると成功がわかることですから。逆に成功がわからないと失敗がわからないので。そこを徹底的に意識してくれと。かなりきついトレーニングをしましたけど、逆に試合だから全てが成功だということも伝えて。*5

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サンフレッチェの森保一監督の言葉も読み応えあります。以下が優勝経験監督の言葉です。風間監督に対してサンフレッチェの先輩という尊敬の念もありますが、ジュビロ磐田の名波監督の時といい、コメントの潔さ度が半端ない。

(森谷賢太郎のシュートを受けて)優勝争いをしているときは、ああいうスーパーなゴールが決まる。我々も経験していますし、川崎さんの攻撃のクオリティで、あのシュートは素晴らしかったと思います。

結果として力不足だったということ。そこは結果を真摯に受け止めて、どんなシーズンであろうとも、結果を出せるようにこだわって。ただ、今日もそうですけど、ケガ人や離脱者がすごく多い中で今シーズン戦ってきていますし、ほぼメンバー編成で固定して戦える状況が無かった中で、上位というか優勝争いには届かなかったですけど、選手達は逆に降格争いをしていてもおかしくない状況の中でギリギリのところで踏ん張ってくれたという部分では良くやってくれたと思いますし、そこはさらに上を目指して、優勝の喜びを知っているチームなだけに悔しさを糧に来季に繋いでいきたいです。*6

<2016年2ndステージ第14節 対ヴィッセル神戸戦>

あーっ、という結果。もともと負傷者・けが人続出でリソースの限界もあったが、GKまでもという状況。1stステージでの福岡戦が思い出される。最後は個人個人の意識レベルの問題か。勝ち続ける、優勝するというのは別次元、と感じる。

下を向くようなゲームではないと思いますけど、選手がチームに隠れたかなという感じがすごくしました。選手おのおのが「自分がチームを勝たせるんだ」、それからもう1つは「やりたいんだ」というところを出してもらえれば、決めるべきところを決められたと思いますし、ミスのところもなかったんじゃないかなと。ただ、途中から代わって入った3人は、すごくギラギラ感を出してくれました。こういうのがまたチーム力につながっていく。競争がない世界では強くなれませんので。*7

<2016年2ndステージ第13節 対横浜F・マリノス戦>

劇的すぎる結末。あれほど劇的な内容は欲していないので、2-0で素直に終わらせてほしい。技術という目。

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色んなことを選手がわかってくると思うですけど、特に技術という目ですよね。目がどのくらい早いか、あるいは何が見えているかという仕上げが出てくる。それは何かというと、いつも、というといつもではないですね。*8

<2016年2ndステージ第12節 対大宮アルディージャ戦>

前半の大久保嘉人選手が退場することで数的不利に。負けてはいけない試合での敗戦。

我々はいつも数的有利の練習はしていないので、そういう意味では、そういうものではないというのは選手たちは理解している。自分たちがボールを持って崩せば、人数が少なくても崩せるということは、選手たちは理解していると思いました。そこのところをハーフタイムに言いましたし、点は取れるとも言いました。そこはよくやってくれたと思います。

<2016年2ndステージ第11節 対アビスパ福岡戦>

1stステージでのフロンターレの優勝を阻んだ福岡をホームに迎えて。終始ボールを支配して安心感のあるゲーム。DF陣にけが人続出する中で、MF6の田坂祐介選手がまさかのDFで先発。大丈夫かなとドキドキしてみてましたが、安定感あり。

立て直す必要はないですね。過去はないというのと、レイソル戦も失点がものすごく安易だっただけですけど、あとはもう、今日と同じような試合展開になっていたので。あれをもっともっと、毎回ですけど、結果的にはそれを敬遠するよりも、自分たちのものですね。*9

風間監督の言葉の意味は良く分からないが、昨日と今日と明日は非連続であるということのようだ。はい。

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<2016年2ndステージ第10節 対柏レイソル戦>

小雨がふる等々力競技場。前節の緊張感ある立ち上がりとは打って変わって、試合開始早々ポンポンとセットプレーから立て続けにディエゴ・オリベイラに得点を許す展開。

はたから見ていると、セットプレーのマークが緩いとかディフェンスや攻撃時のミスから失点が多くみられたが、そこは風間監督は特に何が問題だとは指摘しない。よくわからないという。自ら相手を調子に乗らせるという「風を起こす」という。

ただ、僕はそこのミスももちろんなんですけど、最初のプレーはものすごく大事なんだなと思いました。そこでちょっと風を起こしてしまったかなと。というのは何かというと、遠いところ、サイドに開いたところ、特に自陣で逃げたパスが何回かあって、立ち上がりにそれをすぐに引っ掛けられて、それからなので。風を起こしてはいけないのですけど、相手の風をそこで起こしたかなと。ワンプレーの大切さ、それから、いつも言っていることを自信を持ってやること。これがあらためて大事だなというふうには思いました。*10

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<2016年2ndステージ第9節 対浦和レッズ戦>

今シーズンの天王山のアウェーでのレッズ戦。完全に前回の失敗を修正してポジションをしたというコメント。

単純にサイドバックがいないということですね。あとは自分達がボールをしっかり持って崩すというところが一番の課題で、レッズを受けるのではなく、どれくらいの時間、レッズに対してボールを持てるかで彼らはどちらかというとボールを取りたいチームですので、そこで取らせないように。前半はちょっと何回かありましたけど、だんだん良くなってきたので、そこのところをどのくらい出来るかということをみんなに話しましたけど、後半なんかは余裕を持ちながらやってくれたと思います。*11

ペトロビッチが自身でレッズを攻撃的なチームといっているのをいなすように「ボールを取りたいチーム」とカウンターを起点にスタートするデフェンシブなチームと皮肉っているようにも聞こえるのだが、どうだろうか。

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<2016年2ndステージ第8節 対サガン鳥栖戦>

落としてはいけない試合で0-1で敗戦。途中交代の三好選手の退場など計算したくないことも起きた試合の後を受けて。

今日は一言ですね。いろいろな事があったゲームだなと。以上です。*12

<2016年2ndステージ第7節 対ヴァンフォーレ甲府戦>

王者のメンタリティとはという質問に対しての回答。

まあ、いろんな意味で、全てそうなんですけど、ずっと言っているメンタリティという言葉はすごく抽象的で、考え方なんですよね。スポーツ心理というのは。そういう意味では、何に集中するか。例えば今、何ができるかですよね。例えば、3試合後のことを考えても何も起こらないですし、例えば3試合前のことを考えても今更何も起こらないですし、今この瞬間に何をすべきかを突き詰めていくこと。それで、そこに対して一人一人が強い要求を持つこと。ここだと思います。*13

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<2016年2ndステージ第6節 対湘南ベルマーレ戦>

練習以上のことは本番では出せない。

選手には日頃、練習で想定する試合の基準を高くしてくれということを言っていますが、そこにまだ多少、途中から出た選手も含めてバラツキがあるなと。*14

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<2016年2ndステージ第5節 対FC東京戦>

ポゼッションを結果的に支配するサッカーにおいてのリスクをどのように管理するかの解説。相手がこう来るのでこちらはこうするというのではなく、こちらがこうしたいから考えられる事態をどのように対処するかというサッカー。ちなみにこの試合でFC東京の城福監督が解任される。

我々のチームはどこでも、向こう中心に考えていないので。自分たちがボールを持って押し込んでしまえば何もないと。とういことは何かというと、うちの場合は必ずカウンターがあると。ミスをすれば相手のカウンターになるので、まずカウンターを起こさせないということ。それから、それに対して時間を吸収するといいますか、相手のスピードを止めることはだいぶ狙っていますので。そういう意味ではだいぶ良くなったかなと。*15

<2016年2ndステージ第4節 対ジュビロ磐田戦>

今回のジュビロ戦は名波監督との2度目の対戦。もともとフロンターレ風間監督と名波監督は清水商業の先輩と後輩という関係。したがって、試合後にかわすやり取りも美しい。

このサッカーは形でやっているわけではないので、一番大事なことは今日も見ていただけたと思いますが、何本もものすごく早いパスが飛び出しています。今までとは全く違うので、そういう意味ではそれに対する技術の変化を一人ひとりが進化をしていかなければいけないと。常に常に進んでいかなければいけないので、そういう意味では彼ら(中村憲剛と大島僚太)がいるからいないからということではなくて、先に進む為に1人ひとりが本気で努力をしてやってくれていますので、進んでいかなければいけないなと思います。*16

以下は名波監督のコメント。

試合が終わってすぐに八宏さん(風間八宏)に前回対戦の時とどうでしたか?と聞いたところ、今日の方が良かったと言っていただいたので、まずは僕自身もそうですし、チームとしても自信を持って次節以降に臨んでいけるお言葉をいただきました。非常に嬉しく思っています。*17

Jリーグに日本代表として世界で戦ってきた選手が監督として活躍しているのでどんどん面白くなってきたなと。サッカーは当然、走る・蹴る・受けるが中心のスポーツではあるが、それらを支えるには頭のエッセンス。日本代表監督に日本人が出てきてほしいもの。いい加減外国人監督に頼るのはやめたい。 

<2016年2ndステージ第3節 対アルビレックス新潟>

ハーフタイムには毎回言っていますけど、相手のやり方とか弱点ですよね。逆に向こうが強いと思っているところが弱点になると。3ポイントくらい言いますけど、あとは相手がどこが疲れているかというのはわかりますし、今日はどんどん左に回せば良いと思いましたけど。勝負勘は僕があるかはわかりませんけど、だんだん選手がボールを動かすことで相手を見れるようにはなってきているなと。(中略)質というのは永遠に、これで良いというのはないので。(中略)勝負勘という抽象的なものだけではなくて、相手が見られるということですよね。どう見るかというところと、どうボールを動かしながら、いつ見るかというところ。そこを鍛えていきたいなと思います。*18

 <2016年2ndステージ第2節 対名古屋グランパス>

自分たちが分析されるので、そこをそらすといってますね。

フロンターレとやる時は相手がものすごい力を出してくるので、これで良いというものはないですし、分析をしたところで相手も変わりますので、我々は1試合1試合、試合中に対処していくための技術をつけていますので、今話されたことは当てはまらないと思います。今日は上手く勝てましたけど。*19

<2016年2ndステージ第1節 対ベガルタ仙台>

どこでチャレンジをすれば得点の可能性が上がるかについて当たり前に語る。

特にペナルティエリアの中でやっていけるようになれば、チャンスも決定的な場面ももっと増えるのではないかなと思いました。*20

<2016年1stステージ第17節 対アルディージャ大宮>

最初から言っている通り、チャンスはありましたら、周りはそこを騒ぎますけど、我々は今シーズンに入る時から1試合1試合自分たちのステップを踏んでいかなければいけないと。過去も未来もあまり気にする必要がないと。1番気にしなければいけないのは、今日であれば明日のこと*21

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<2016年明治安田生命1stステージ第16節 対アビスパ福岡>

最後の表現が絶妙。ただし、なぜ勝てなかったかは正直理由不明。

長いボールが来るのは分かっていたのですが、2本、ものすごくきれいに決められてしまった。思いがけないスタートになってしまいましたが、選手もボールを持てていましたし、取れるという確信、それから前半のうちに1点を取ったので逆転できると思いましたけど、今日は本当に決めなかったのか、決められなかったのか、そのへんが上手くいかなかったのかなと思います。*22

<2016年1stステージ第15節 対横浜F・マリノス戦>

長い先のことは考えない。 

何回も言いますけど、シーズンが始まる前から、我々は1つ1つの相手に今から全力を費やすと。いつも言っているように、見えないものに対して何かアプローチをするつもりはないので。そういう意味では、次はなにかと言えば、もしかしたら明日の休養、それからその次の日のトレーニングと。そこから入っていくので。*23

<2016年1stステージ第14節 対ジュビロ磐田戦>

攻撃と守備は一体であると。

ですから、守備と攻撃が別ではなくて、自分たちがどれだけボールを持って相手を崩せるか。崩せた上での相手のカウンターですから、それをまた奪うと。それから、そういうところの準備はもう出来ていると思うので。イメージはできていると思うんです。そこだと思います。*24

<2016年1stステージ第13節 対ジュビロ磐田戦>

風間監督のコメントによく出てくる「質」というキーワード。プロもどこまで行っても質。そしてその質を上げるための練習。

もっともっと最後の質のところで上げられば良かったのですが、なかなか今日のコンディションだと難しかったんじゃないかなと思います。*25

<2016年1stステージ第12節 対ヴィッセル神戸戦>

自分でやりたいと思わなければ終わり。ちなみに奈良竜樹選手がこの試合でけがをしリオオリンピック代表への選出がなくなった。

積極性というのは楽しい、やりたい、と思うこと。それを自分でやるんだということ、それが楽しいんだということがなければ、強気でもサッカーはできませんし、それから自信を持ってもできないと思います。ただ、楽しそうに見えているときは自信を持って選手がやれているときだと思います。*26

<2016年1stステージ第11節 対柏レイソル戦>

攻めるから守りが堅くなる。つまり攻めと守りは不可分だということ。

今日の試合は自分たちがどのくらいやるのかというのをしっかり見せなければいけない。というのは何かというと、攻守ともに攻めると。これが我々の形だということですよね。相手をしっかり崩し切るからその後にすぐボールを奪い返して、その後にすぐ俺たちが攻められると。攻めの時間を増やさなければいけない。*27

<2016年1stステージ第10節 対ベガルタ仙台戦>

これは本当に重要なコメントで、サッカーに限らずプロ全てにいえる。

「仕事というのはその人にしかできないこと」といった東芝の佐々木則夫元社長の言葉にもあるように、そこにいることは必然だということ。

サッカーは選手が楽しめなければ観客も楽しめない。

グラウンドに出たというのは、自分が楽しむ権利がある。グラウンドに出たということは、自分の意志を積極的に、自分の思考を出して良いと。やらされる場ではないと。そこのところが非常に残念でした。*28

<2016年1stステージ第9節 対ガンバ大阪戦>

風間監督がいつもいうこのコメントは全てそのまま日本代表の質を上げるためのコメントでもある。

ここ何試合か続いているようにラストのプレー、最後のパスあるいは最後の選択肢、そこの判断がまだまだ甘いなと。*29

<2016年1stステージ第8節 対浦和レッズ戦>

攻めというのは発想(クリエイティビティ)で守備は経験(スキル)。ただし、チームとして成立するためには両立しないとダメということ。2016年は年間通じてこの試合での敗戦の教訓を生かせるかどうかというのがカギにもなっているような印象すら受ける。

だいたいが、攻撃というのは発想だと思っています。確実性もないし誰の目にも見えないものだと思うんです。守備というのは相手が教えてくれるものなので、そういう意味ではそこの対処は比較的にできるのではないかなと思います。ただ、どういう組み立てをするか、どういうふうな時間を使うのか、それから普通でいうと攻守という言葉になってしまうのですが、どっちが先にすればそういうことができるのか。最終的に、守備も含めてチームとして成り立っていくのかというのがすごく重要になるんじゃないかなと。

攻撃起点で考えれば、技術と戦術眼であり、そこから判断が生まれる。

だから、ミシャさん(ミハイロ ペトロヴィッチ監督)も言っている通り、そっちから組み立てているという風には思いますし、他の監督のところは言うつもりはないしわからないですけど、攻撃を組み立てる上では1番は技術と戦術眼。これが、自分たちの中で判断という形を生んでくるので、その的確な判断を正確な技術でやらなければ結局、ボールは持てませんので。*30

ただ、ペトロヴィッチが自分でいうような攻撃的なサッカーかどうかは理解しかねますが。

<2016年1stステージ第7節 対FC東京戦>

監督もメンバーを固定するのは実は難しいということ。固定できるならばしたいができないぞという話。

何故かというと、財布の中を見ると思ったより入っていなかったり、急に1万円札が抜けていたりするので。突然のことで、この何試合でどのくらいの確率であるんだろうというところなので、何かを固定しないのではなくて、固定することが出来ないということです。*31

<2016年1stステージ第6節 対サガン鳥栖戦>

相手あっての自分ではなく、自分あっての相手。

敵よりも味方なんですよね。例えば田坂が入るだけでも、動きが間、間に入るので、マークが付こうが付かないが、必ず相手は上げられるんですよね。*32

<2016年1stステージ第5節 対鹿島アントラーズ戦>

個の戦術を基盤においている以上、個が期待値に届かなければ理想のサッカーはできない。

人が変われば全て上手くいかない。我々がずっとやり続けているのは人を増やしていくこと。今日も人が変わってもそれなりにではできていると思いますけど、いろんな選手ができるかといえばそうではない。そこのところは根本的にいつものペースではないというのが一つです。ですから必然的にピンチも多くなる。これは分かっていること。*33

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<2016年1stステージ第4節 対ヴァンフォーレ甲府戦>

場所を攻めるのではない、人を攻略する。

いつも言っているのですが、うちは場所を埋められても場所を攻略するわけではないので、人を攻略するサッカーですから、そういう意味では今日なんかは壁パスやワンツーのパスなんかはすごく効果的なので、そこのところで人を動かしながら、どう崩していくかという作業をしました。*34

<2016年1stステージ第3節 対名古屋グランパス戦>

やっぱり攻めから入るんですと。

やっぱり、自分たちが攻めることで相手が崩れていくから、そこはすごく、こっちのほうが速く奪うことができるということですよね。*35

Jのレフリーの質の低さも風間監督はしばしば指摘する。特にアフターチャージ。2ndのグランパス戦でも中村憲剛選手へのアフターに怒っていた。

最後にレフェリーには、お疲れ様と言いながら、少しアフターを気をつけて貰わないと危ないということは言いました。でも、レフェリーもそれなりに自覚はしてくれていると思いますので、そこはどんどんどんどん、そこの境は我々とレフェリーの両方で作っていかなければいけないなと思います。激しさと危ないプレーは違いますのでね。*36

<2016年1stステージ第2節 対湘南ベルマーレ戦>

攻めてカウンターがあるので守備をする体制も備える。つまり、点を入れることがすべての前提に立っている。あたりまだが、点を入れないことには勝てないゲームなので。

それから、ただし、間違われて困るのは、守備をしているわけではないです。攻めるための対応です。選手達がすごく理解をしてやっている。受ける守備でやろうとすれば絶対にできないです。そういう意味では崩せないと難しいとは思います。*37

<2016年1stステージ第1節 対サンフレッチェ広島戦>

風間監督でも緊張するのか?!というコメント。なぜか質疑応答がなかったとのこと。なぜだろうか。

久しぶりに大勢の人の前で話をするので多少、緊張している感じがしています。していませんか?*38

まとめ

いかがだったでしょうか。風間監督の言葉には哲学が存在しますし、どのようにしてサッカーを強くしていきたいかというのが明確です。かつ重要なことはシンプルであるということです。

日本サッカーは決定力不足というのがまことしやかに語られるのですが、正直疑問です。日本サッカーに決定力があるFWが存在しないという単純な話ではなく、得点を挙げるだけの十分な崩しとそれを支えるロジックが確立できているかが怪しいのです。つまりプロセスの方法論というゴールという川下の論点でなくさらに問題は上流にあるのではということです。

2016年は川崎フロンターレで5年目の風間監督ですが、Jリーグで優勝争いできる状況になるまで5年を要したということです。日本サッカーも経験豊富という理由だけで外国人監督を安易に連れてくるのはもうやめにしませんか。

日本人の特徴を生かせる、かつ競争優位のあるサッカーを基盤としてそろそろどうやって世界で生存確率を上げるかの戦略を真剣に立てる時期に来ていると思います。

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ゲーム記録・速報 - 2016/J1リーグ 第1節 vs.ベガルタ仙台 : KAWASAKI FRONTALE

*21:

ゲーム記録・速報 - 2016/J1リーグ 第17節 vs.大宮アルディージャ : KAWASAKI FRONTALE

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ゲーム記録・速報 - 2016/J1リーグ 第16節 vs.アビスパ福岡 : KAWASAKI FRONTALE

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ゲーム記録・速報 - 2016/J1リーグ 第15節 vs.横浜F・マリノス : KAWASAKI FRONTALE

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ゲーム記録・速報 - 2016/J1リーグ 第14節 vs.ジュビロ磐田 : KAWASAKI FRONTALE

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ゲーム記録・速報 - 2016/J1リーグ 第13節 vs.アルビレックス新潟 : KAWASAKI FRONTALE

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ゲーム記録・速報 - 2016/J1リーグ 第12節 vs.ヴィッセル神戸 : KAWASAKI FRONTALE

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ゲーム記録・速報 - 2016/J1リーグ 第11節 vs.柏レイソル : KAWASAKI FRONTALE

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ゲーム記録・速報 - 2016/J1リーグ 第10節 vs.ベガルタ仙台 : KAWASAKI FRONTALE

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ゲーム記録・速報 - 2016/J1リーグ 第9節 vs.ガンバ大阪 : KAWASAKI FRONTALE

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ゲーム記録・速報 - 2016/J1リーグ 第8節 vs.浦和レッズ : KAWASAKI FRONTALE

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ゲーム記録・速報 - 2016/J1リーグ 第7節 vs.FC東京 : KAWASAKI FRONTALE

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ゲーム記録・速報 - 2016/J1リーグ 第6節 vs.サガン鳥栖 : KAWASAKI FRONTALE

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ゲーム記録・速報 - 2016/J1リーグ 第5節 vs.鹿島アントラーズ : KAWASAKI FRONTALE

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ゲーム記録・速報 - 2016/J1リーグ 第4節 vs.ヴァンフォーレ甲府 : KAWASAKI FRONTALE

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ゲーム記録・速報 - 2016/J1リーグ 第3節 vs.名古屋グランパス : KAWASAKI FRONTALE

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ゲーム記録・速報 - 2016/J1リーグ 第3節 vs.名古屋グランパス : KAWASAKI FRONTALE

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ゲーム記録・速報 - 2016/J1リーグ 第2節 vs.湘南ベルマーレ : KAWASAKI FRONTALE

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ゲーム記録・速報 - 2016/J1リーグ 第1節 vs.サンフレッチェ広島 : KAWASAKI FRONTALE