泉田良輔のブログ

テクノロジーアナリストの100%私見

あらためて投資信託の復習。とりあえず6冊読んで一番良いのはこの本

6冊読んでおすすめはこれだけ

投信会社に10年在籍していた訳だが、今回あらためてざっと復習してみる。

結論としては、一番ちゃんと書いてあったのは、次の本。

中野晴啓「見る・読む・深く・わかる 入門 投資信託のしくみ」日本実業出版社

他の入門書には、嘘とはいわないまでも誤解を招く表現が含まれるものもあった…。

謀書に「インデックスファンドは、全銘柄を買います」…なんて…大丈夫っすか。

しかし、本書ではその辺りもしっかり書いてある。

中野氏のセゾン投信は米国で有名なバンガードのインデクスファンドを扱っている。

そうした背景もあるからだろうか。

「連動目標であるインデックスに採用されている全銘柄を組み入れなくても、連動目標であるインデックスとほぼ同じリターンが実現できるようなモデルポートフォリオ」を構築します

インデックスファンドとは、上のような構築プロセスということです。

つまり、インデックスファンドの運用現場は汗をかいている、そういうことです。

また、テーマ型投信のリスクについても言及してあります。

ファンドマネージャーの立場からすれば、投資対象に関しては幅広く、かつ自由に選べるというのが理想です。

その通りだと思います。

日本の投資信託の歴史とは

さて、中野氏の本は、文字ばかりで、絵も少ない。

しかし、日本の投資信託の歴史と今後の投資信託がどうすべきか丁寧に書いてある。

冒頭から、

日本の投資信託は歴史的に見ても、(中略)、その主旨とは大きく乖離したビジネスを繰り返しています。(中略)、長期に渡って資産形成を行いたいという大多数の一般生活者のニーズにかなう商品提供を怠ったままになっています。

というように、まえがきから結構ぶっ飛ばして書いています。

ただ、細かく丁寧に網羅しようとしているので、本来の入門書の枠を外れているかも。

いきなり歴史から入られても、入門者は少し戸惑うかもしれない。

結局、もうけるのが最大の目的なので、歴史は後でいいよとばりに。

(投信業界で働こう、希望のある学生には必須の内容だと思う)

それでも、いずれにせよ投信で運用する個人投資家は十分に知っておくべき内容だ。

株と違い複雑に見えるところが、投信の保有比率が低いということもあるのだろう。

ファンマネの権限は大きい

一方で、中野氏のキャリアにより、想像や見聞で書いてあることもある。

運用の現場や意思決定プロセスは各社により異なろうが、ファンマネの権限は大きい。

CIOの役回りは、それほど実務には直結しない。

どちらかというと運用方針からそれるような行動をとっていないかのチェックだ。

この辺りは、まあ、仕方がない。

セゾン投信、バンガード vs アクティブ 

中野氏はセゾン投信でバンガード(米国インデックスファンド大手)を持ち込んだ人。

当然、アクティブ運用には手厳しいだろうし、回転売買はもってのほかだろう。

手数料の安いインデックスファンドをすすめる理由は理解できる。

また、アクティブでインデクスに勝てない投信が多いというのも事実。

ただし、日本の場合には、株式相場が循環相場であった事実も忘れては行けない。

日本は米国のように成長のある循環であれば良いが成長のない循環。

投信はトレードでリターンを上げるというコンセプトは合わない。

今後、ROEを重視した企業が増えれば、継続的に相場が上昇する可能性はある。

ある意味、アクティブが恩恵を受ける最大のチャンスかもしれない。

日本はアクティブが全体の90%ということと、5000本以上の投信が存在する。

いまだ、個人投資家はどのファンドを買ってよいか迷う事実はある。

どういったファンドマネージャーがどのような運用しているかの機会は重要。

そうした現状でインデクスファンドを扱う投信の経営によって書かれた本書。

インデックスファンドは、いまだマイノリティ。

マイノリティの声には、聞くべきものがある。

手元に置きたい1冊ということで。

 

セブンイレブンのセブンカフェ ドーナツを食べてみた。ヘルシーな感じでよい

セブンイレブンのドーナツの味はいかに

2013年6月にセブンの100円コーヒーを徹夜明けに飲み、そのうまさに衝撃をうけた。

当時、Longine立ち上げのために泊まり込みだったのだ。

コーヒーは家でも自分で入れる方だが、富士電機製マシ-ンもやるなと正直思った。

どうやら機械ではなく、うまさはまめにあるらしいが。。。

そして、今回のセブンの挑戦はドーナツだという。

報道はよく見ていたが、初めて店で見つけたので早速ドーナツとコーヒーとともに。

下の写真にある、「ふんわりリングドーナツ」をいただくことに。

甘すぎず、しつこくない、ヘルシーな感じだ。

値段も、ミスドが100円というのを意識しているのだろうか。

102円というのは税込みで110円にしたいということなのだろうか。

できれば税込みで100円にしてほしいところだ。

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米国セブンイレブンの展開ののろしか

はじめは、世間でいわれるようにミスドからシェアを奪うということかと。

しかし、Longineの椎名則夫アナリストの分析を聞いて、合点がいった。

北米でセブンを展開する際のフックではないかと。

コーヒーとドーナツ。かつドーナツはヘルシー感を出さなければならない。

日本の競合企業なぞセブンの眼には入っていない。

セブンの生まれ故郷、米国。

そこでいかにコンビニエンスストアを展開できるか。

世界市場を見据えているところに事業展開のロマンがある。

世界で展開できる小売り事業の可能性は無限大。

日本からそんな小売事業が出てくるのはうれしい。

ユニクロ無印良品、セブンか。

ウォーレン・バフェット語録

意外にテレビに出るバフェット

ウォーレン・バフェット マニアとしては、彼の語録は必ずチェックしておきたい。

実は、バフェットは、マーケット関連のテレビにも出ていたりする。

なので、意外に語録は多い、はずだ。

正直、これまでの膨大なバフェットのまとめがほしい。

アニュアルレポートを読めば多くの情報を得られる。

が、日常的に、ぽろっとでた言葉が欲しい。

あらためて、この本を読んでみた(本棚で眠っていた)

語録集は、日本語で手に入るものは限られるが、次の本は良かった。
(ただし、発言の出所が書かれていないのが、困るのだが)

史上最強の投資家バフェットの教訓―逆風の時でもお金を増やす125の知恵

書き手はウォーレン・バフェットの息子の元奥さん。

まあ、どこまでバフェットの言葉をおえているのか、時期は微妙な感じはある。

が、中身は結構いいことがかいてある。

繰り返すが、出所がないのが残念。

随所に、バフェットは編集に加わっていないとでてくる。

本人が直接聞いたことも書いてくれているとうれしいが。

バフェットロジー

メアリー・バフェットは、「バフェットロジー」といって投資の本も出している。

邦題は下のようになってますが、バフェットロジーという。

麗しのバフェット銘柄 (ウィザードブックシリーズ)

読んでみた。

どこまでバフェットの側にいたことで、バフェットの考えが反映されているかは?

バフェットの好きな投資について書かれている。

細かいところまで書いてあるのだが、心に響いてこない。

さて、なぜだろうか。

素直にうれしい。Windows8でスタートメニューを戻す方法

昔のスタートボタンをWin8上で取り戻す

ここ1年で3台のノートPCを購入。

SurfaceLaVieのOSはWindows8だ。

皆さんの声と同じように、スタートボタンがない!

ということで、ネットで検索。

いくつかある中で、昔からメールソフトを使っていた安心感のある秀丸を見つけた。

今回は、とりあえず秀丸フリーソフトをダウンロード。
(有料のプロフェッショナルというのもあるが、とりあえず今回はフリーで失礼)

使ってみた。

もっと初めに仕込んでおけばよかったと後悔。

3台のPCの使い勝手と感想

テックのアナリストとして、仕事としていずれも評価すべきなので3台も購入。

結論としては、Macが一番使いやすい。

APPLE MacBook Air 1.3GHz Dual Core i5/11.6"/4GB/128GB MD711J/A

ただ、Wordにグラフなどの貼り付けがある場合で、Webページ用に変換で不具合有。

仕方ないが、仕事でのWordベースの作業を変えれずに、ベースPCではなくなった。

Surfaceも試したが、専用キーボートの「パカパカ」浮く感じがなじまない。

また、CPUをCOER i3を買ってみたら、ちょっと仕事で使うレベルではなかった。

これまで、i5以上を必ず買うようにしていたが、その差は大きかった。

それに、タブレットといいながら背面が熱くなる。これも、ちとしんどい。

最後に、WinOSのノートPCで一番軽いものということでNEC LaVie HZ750になった。

日本電気 LaVie Hybrid ZERO - HZ750/AAB ストームブラック PC-HZ750AAB

でどうかというと、パフォーマンスに問題はないが、ファンの音がうるさい。

ちょっと気になるというレベルではなく、普通に気になる。

ただし、軽いのがうれしい。

仕事で疲れているときは鞄のPCの重さが結構じわじわくる。

今回は軽さで決めた。

3台使ったおすすめは…。

これを考えると本当にMacはよくできている。

パフォーマンスを考えるとMacは間違いない。

アップルはデザインでも優っているが、実はハードのパフォーマンスも最高。

ちなみに、値段も他同等スペック機種よりも安い。

つまり、コスパMac

 

「アインシュタイン150の言葉」が心に響く件

アインシュタインと文章はあまり関係がない様ですが、実際自分でモノを書くようになって、いくつか気づいたことあり。インパクトの強かった内容を簡単にまとめておきます。

読んでいて、うなづくこと、いくつもありました。150しかないのに、いくつも引用するといまいちなので、そこからいくつか。【2016年11月30日更新】

>>アインシュタイン150の言葉

常識というばかばかしさ

バイアス(思い込み)をいかに崩してまわりの見る目を変えるというはいつも必要。

常識とは、十八歳までに身につけた偏見のコレクションをいう。

確かに思い込みで身動きとれなく、思考も固まる。

現在≒未来?!

そもそもその思い込みで、自分でできない理由を先にあげてしまう。リスクもたくさん思いつく。

わたしは、先のことなど考えたことがありません。すぐに来てしまうのですから。

先のことを考えて、身動きとれないことも多い。

システムデザインという発想の不完全さ

世界について最も理解できないことは、世界が理解できているということだ。

システムデザインは世界が理解できているという前提だとすると、この言葉は重い。システムデザインというコンセプトがそもそも不完全だということであって、学問として追及することが同なのかと。

生半可な覚悟で達成はない

結果というものにたどり着けるのは、偏屈狂だけである。

それくらい、物事を成し遂げるのは時間も苦労も多いということ。

科学と宗教のバイラルな組み合わせ

宗教なくして科学は不具であり、科学なくして宗教は盲目です。

日本の科学を考える際に、これはいろいろと考えることがいい。

生命科学を今後の日本の成長ドライバーにするのであれば、ここをはずせない。

何のためかを考えないと間違えそうだ。

プロトタイプ、実験

何かを学ぶためには、自分で体験する以上にいい方法はない。

アインシュタインがいうと説得力がある。いろいろ本で学ぶよりも、とりあえずやってみるが一番収穫多い。ただし、金と時間が必要。

想像力>知識

想像力は、知識よりも大切だ。

知識には限界がある。

想像力は、世界を包み込む。

これを理解できる人が実は世間には少ないことが最近よくわかった。

事実の分析は重んじるが、未来、まだ見ないことを論じることを軽視し過ぎている。

というより、未来をそもそも嫌がっているのではないだろうか。

シナリオプラニングやフォーサイトという言葉がある中で、日本人はなかなか…。

未来を提示すると、当然議論があってしかるべきだが、否定しかない。

未来像を提示できる人材は、実は非常に少ない。

それ自体を大事にすべきだと思うが。

アインシュタインの考える人工知能

知性を神にしてはいけない。

神は強い筋肉をもっているが、人格はもたない。

最近の人工知能について先んじた言葉のように見えるが。

アインシュタインの定義する学校とは

知恵とは、学校で学べるものではなく、一生をかけて身につけるべきものです。 

 知恵が学べる学校が、最高だと思う。

まとめ

いかがだったでしょうか。一部の印象に強いフレーズだけ、引っ張ってみました。ということで、簡単な本ですが、手元に置いておいて、たまに見返す感じでしょうか。そして今日も見返してしまいました。

「IR戦略の実際」より改善するにはどうしたらよいか。答えは「ハイ・コンセプト」かも

なぜIRがうまくいかないのか

IR戦略の実際 」を読んでみた。もれもない。

強いていえば、期待値とバリュエーションの関係だろうか。

そこは運用経験のない人に言っても無理というもの。

さて、この上の本のタイトルのようにIRは戦略的に行われるべき。

ところが、トップMGMTが意識しないとなかなか戦略的には実行できないのが実際。

また、IRのあるべき姿をかたちだけ追及してもしっくりこないケースも多いのでは?

実は、そこには発行体と機関投資家個人投資家との間に大きな溝があるからです。

 

証券アナリストファンドマネージャーの思考回路

通常、証券アナリストはデータをもとに未来を予想します。

その際によく使う手は、過去実績値を詳細に分析し、未来を予測します。

あまり複数のシナリオで分析することもないですが、3つ程度は頭の中にあるでしょう。

アナリストはどうすれば将来を予想し易いか。

セグメントデータなど、開示されるものが多ければアナリストは喜びます。

ただ、あまり多いとアナリストに嫌がられます。入力とアップデートが面倒だからです。

ちなみに、頻繁なセグメント変更もいやがられます。

アナリストとのバランスをとるのがめんどくさいといえばめんどくさい。

ポイントは、そうした開示データをもとに全体が予想できるかどうかなのです。

 

では、アナリストに予想してもらうためには何が必要なのか。

それは一つです。ストーリーです。

未来を説明できるストーリーがあれば彼らの仕事は半分も終わったも同然。

 

しかし、ストーリーを語ってくれるIRはあまりいません。

トップが語るならまだしも、IRでは事実を述べるのが仕事という思いからでしょう。

そこはアナリストやファンドマネージャーも十分理解しています。

繰り返しますが、であればトップのストーリーを伝えてほしいと願っています。

個別の情報をより俯瞰した画を見たいと思っています。

 

そのストーリーも誰もが分かりやすいストーリーが良いのです。

個人投資家機関投資家までもが共感できるストーリーです。

つまり、分かりやすく壮大なもので、しばらくの間想像する期間を必要とするもの。

簡単に計算できるものは、アナリストはすぐに計算し株価に織り込んでしまいます。

グーグルの自動運転車やスペースXへの出資などすぐに利益貢献は計算できません。

グーグルはそうしてROEの下落トレンドから目をそらさせているのかもしれません。

 

ダニエル・ピンクの「ハイ・コンセプト」

ここまで来るとダニエル・ピンクのいっていることって、株にも当てはまるなと。

ピンクは「ハイ・コンセプト「新しいこと」を考え出す人の時代 」で次のポイントをあげています。

  • デザイン
  • 物語
  • 全体のシンフォニー
  • 共感
  • 遊び心
  • 生きがい

たしかにIRにこれらのポイントが織り込まれていれば、投資家は興奮するでしょう。

話した後に投資家の期待値をどうコントロールできるかは問題になるでしょうが。

 

外国人投資家を増やすだけのIRの危険性

以前は外国人投資家保有割合が多いとなんとなくイケテルイメージがありました。

しかし、いまやそれは外国人投資家の保有割合はリスクの度合いが高まりました。

ISSによる過去5年のROEコードやアクティビストの台頭が原因です。

ピンクの言うように、共感を持つ国内の投資家が増えることがどれほど重要か。

ただ、個人投資家の認知度を上げるためには時間がかかります。

また、どのようにリーチしてよいのか迷うことでしょう。

 

IRのメディアデザインとその運用戦略

アクティビストのサードポイントはメディアを活用して、うまい運用をしています。

発行体も彼らと同じ目線でメディア戦略をとらなければやられたい放題です。

個人投資家に直接興味を持ってもらえるようなメディアをおさえるべきです。

IRは単独では存在しえず、広報や企画チームとも連動する時代になりました。

IRのメディアデザインが肝となります。

ここでも、個別よりも全体です。

四季報プロ500、結構素敵です

四季報プロ500というキュレーション一歩手前雑誌

東洋経済の記者から取材を受けた時に頂戴したもの。

四季報はこれまで当然ながらバイブル的に手元に置いていたので親しみある。

しかし、四季報プロ500はなじみ薄。

四季報プロをメディアデザイン分析

頂戴したので、いつものようにどうメディアデザインされているか分析。

結論、良くできている。勉強になります。

特徴、

  • カラー
  • テーマ別編集
  • 競合他社比較 e.g. 指標も充実
  • 有価証券の価値にも言及 e.g. 上値余地ありとか、割安とか

ただし、いつものように銘柄が多すぎて、結局どれという質問には答えきれない。

四季報から選別しているとはいえ、個人投資家はそう何銘柄も買えるものではない。

四季報は3500銘柄、プロは500銘柄。7分の1に選別できているのか?!

それでも個人投資家には情報量多いと思いますが

投資予算を考えれば、基本は入れ替え。

つまり、実際の売買は、何かを買って何かを売るのだ。

この雑誌は、結局何銘柄掲載されているのか知らないが、500銘柄は多い。

50銘柄を徹底分析でもよいのではないか。でも、それでは雑誌が売れないか。

個人投資家のすそ野を広げないといけないとき。

したがって、もう少し工夫が必要。それはLongineも同様。

 Longineで一番人気が高いのは「レポート」

レポートは、業界を俯瞰していたり、企業分析をじっくりと扱う。

結局、個人投資家も理解しやすい記事が大好き。

個別銘柄をたくさん扱うよりも、全体と細部の連携をつけるのが一番。

その意味で、四季報のスタイルは網羅性があるが、マスの要素は小さい。

Longineの存在意義は、業界俯瞰からボトムアップ企業調査のクロスポイントだ。

インフォグラフィックスも入れていこうかw

まあ、プロ500の春号は購入しようかな。

会社四季報プロ500 2015年春号

この本はインフォグラフィックスの集大成。「世界の今がひとめでわかる図鑑」が一番好きかな

最近、一番はまっているのインフォグラフィックスです

インフォグラフィックス(IG)」という言葉を覚えて以来、ハマっている。

まあ、最近で恐縮ですが。

IG自体はよく目にしていた。それも小さいころからである。誰しもそうであろう。

ただ、あらためて単語として定義されたにすぎないが。

インフォグラフィックスの定義とは

さて、IGを自分なりに定義すると、

数字を直感的に分かりやすく、かつデータ周辺を俯瞰させるためのツール

とでも言おうか。

データを扱うアナリストとしては、抽出したデータをどううまく読み手に伝えるか。

これは今も昔も変わらないテーマだ。

文章で分析の結論を伝えることは重要。意思決定者はそれがすべてのところがある。

しかし、インパクトのあるグラフがあれば、その結論の背景を示すこともできる。

上手なグラフでなくても、数字の抽出次第では効果は抜群だ。

効果的なグラフがあれば、結論を説明することなしに理解してもらえることもある。

グラフのチカラである。

インフォグラフィックスを上手に使った例とは

私自身、世界のデータを眺めるのが好きだ。日本ばかりで比較していても飽きる。

年末に、実家近くの本屋で立ち読みして目を引いたのが、下の本。

世界の今がひとめでわかる図鑑 (エクスナレッジムック)

取り扱うジャンルは様々だが、知らないことも一気に理解できる。

よくよく見ると、これをつくっている徳間貴志氏はMETIの資料も作っている。

IGは、データの理解をしたうえでしかデザインできないので、アナリスト目線必要。

すごい!と思います。

個人的には、IGで「世界業界マップ」をアップデートしてほしい。

世界業界マップ2013-14

これをアップデートできると、仕事に相当つかえる。

アップデートも滞っているようなので?!、徳間さんに頼んでみてはどうでしょうか。 

ダイヤモンド社さん。

Wiiはこうして生まれた:玉樹真一郎「コンセプトのつくりかた」ダイヤモンド社

任天堂Wii元担当者による本。

内容は、世間でよく取り上げられるアイデアの生み出し方を忠実に守っている印象。

その意味では、アイディエーションマニアには、目新しさはないかもしれない。

しかし別の見方もできる。

世でいわれるアイディエーションの成功事例ではないだろうか。

皮肉を込めて言うと、学校や書籍で語られる以外に成功事例は目にしたことがない。

学校は、方法論と「過去の」成功事例の列挙。

書籍も同様。

成功体験がない人にアイデアの生み出し方を語られても腑に落ちない。

本に書いてある通りやれば、できるということをある意味実証している。

モデレーターって重要だなぁ

ただし、この本を読むとわかるのだが、モデレーターの役割が大き過ぎる。

つまり、だれが会議を進行するか、引き出せるかで結果が変わる。大きく変わる。

打ち合わせなどに参加する人をどのように選ぶところから始まると思う。

参加者は多様性がある方がいい。

議論を活性化させるためにルールを守れる人が必要。

人の話を聞いているようで、聞いていない人も必要。

など、考えさせられる。

今の任天堂は同じような作業をしているのだろうか

Wii U3DSで苦戦している任天堂だが、新しいハードを生み出すプロセスに入っているのだろうか。

だとすれば、今回と同じこともしているのだろう。

気になるのは、このスマホ全盛の世にどんなコンセプトを提示しているかだ。

そちらの方に興味ある。

 

 

Panasonic(パナソニック)HITの太陽光発電の実績。ある意味ブレない

 

自宅の太陽光発電の実績を検証

2012年に自宅に太陽光発電を導入。

発電容量は5.76kWのパナソニックのHIT。
(HITは、もともとは三洋電機の太陽光発電システム)

HITの発電効率は18%という水準の数字で、当時は一番高い数字だったので導入。

さて、その結果はということでAiSEGの記録データをもとに計算。

実は2013年2月に2012年からとっていた機器が壊れ、AiSEGに入れ替えている。

(それ以前のデータが入手できていない)

下図は、2013年3月から2015年1月のデータ。

 

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結論

  • 5月の発電量が一番多い
  • 発電効率は5月では20%を超える
  • 2014年年間では14%(この水準は他も同じなんでしょうか)

発電量は余剰買取の前の数字なので、実際に売電できた数字ではないです。

不思議なもので、月や年でならすと数字はブレないものです。

インプリケーション

実は、日別でみると発電効率は21%なんかよりもさらに高い日もあります。

天候、場所を選べば太陽光発電は思ったより効率的かもしれません。

インフラというシステムで考えるのであれば、送電と蓄電コストは必要ですが。

太陽光発電を強大な発電システムを支えるものとして組み入れる発想が違うのかも。

使い方によっては、効率的です。

 導入前は、どうなるかなぁと思いましたが、世の中の数字は保守的な数字かと。

 工夫してもっと上の数字をたたき出している人もいるのでしょうね。

鶴原吉郎他「自動運転 ライフスタイルから電気自動車まで、すべてを変える破壊的イノベーション」

鶴原さんとは日経オートモーティブテクノロジーのセミナーでご一緒させていただいた。

鶴原さんには、セミナー後にこの本をご献本いただいた。

自動運転車が社会インフラをかけるきっかけになるという点で同意見だった。

そう、自動運転車とは、単なる自動車のアップグレードではない。

自動車が含まれるシステム全体を変える(シフト)するパワーを持つ。

やられるまえにやらなければ、社会全体へのインパクトが大きくなってしまう。

 

ところで、この本、本来アナリストがやるべき試算が多分に含まれており、面白い。

無人タクシーや燃料電池車のコスト分析などなるほどと思わせる。

加えて、オートモーティブ創刊メンバーとして自動運転技術の詳細にも詳しい。

エレキ、自動車関係者はMUST READです。

「武人の本懐」を読んで

 

御縁あって、いただいた本

311当時は仕事で関西にいたため、東京の状況はテレビではじめて確認した。
しかし、当時京都の大きなビルにいたが、大きな揺れが長く続いたのを覚えている。
すぐにその会社の方が、新幹線は止まっていることを教えていただいた。

その日は、帰京できずにそのまま関西に宿泊。

東京湾岸で出火した映像をホテルでみたのをいまでも鮮明に覚えている。
その夜「原子力緊急事態宣言」がでているのを再びテレビで確認し、背筋が凍った。
原子力発電プラントを扱う企業も担当しており、普通の人より知識はあったろう。

海上自衛隊の指揮官の回顧録

「武人の本懐」は一般人の視点からではなく、海上自衛隊の指揮官の回顧録。
震災直後からの自衛隊の指揮官の記憶と記録が詳細に残されている。
たしかに、後世に引き継がなければならない内容である。

海上自衛隊による救助活動の難航さも詳細に書かれている。
たしかに、あれほどのがれきが海に流れ出ていれば満足に走行するのは難しい。
漁業の盛んな地域とあって網などがスクリューが巻き込む。
陸路が経たれていることもあり、海上からの輸送。その難しさ。
後から指摘されればなるほどと思うが、本書を読む前には想像もしなかった。

大きな組織になればなるほど、情報の重要性が増し、その扱いが難しくなる。
そうした中で指揮官がどう処理するかが結果を左右することが分かる。

311米国はどう対応した

また、本書で気になったのが米国の対応の描写。
当時、私は米国に本社を持つ子会社(子会社の本社は英国)に勤務していた。
したがって、本書に書かれているような情報も耳に入ってきた。
当時は、そうした情報をもとにどのように判断しようか考えあぐねた。
準備ができていないと対応できないものである。

本書は過去の貴重な記録であると同時にリスク管理がいかなるべきかを考える好著。

一番印象深いのが著者が震災当日の午前中に、第二の関東大震災の話をしていたとのこと。

ワーストシナリオはいつ時点でも更新、検討されるべき。

タッチポイント、タッチポイント、接点。アナリストもメディアもすべてはこれに尽きる

最近、考え抜いていきつくところは、すべてタッチポイント、接点かなという気がする。

たとえば、証券アナリストは企業への取材が接点といえる。自分で調査していくことで聞きたいポイントも出てくるであろうが、ミーティングの中で知り、また疑問となることも出てくる。接点がアイデアの源泉である。

接点の少ないアナリストは、話の深みや広がりもなく、調査としては完成度が低いともいえる。これは、個人的な資質が影響することも多いが、どんな人でも自らプロアクティブに行動しなければ得られるものではない。

これはアナリストに限った話ではなく、ジャーナリストも同様であろう。

接点を自分で生み出すことができれば、アイデアや深い調査ができるというものである。
これを怠れば、時間とともにアナリストやジャーナリストとしての価値は棄損していくであろう。

一方、メディアであれば、これまで読んでくれている読者との接点があり、何かのきっかけでメディアに触れることで新たな接点が生まれる。接点を通じて興味を持ってくれれば、将来読者にもなる可能性がそこで初めて生まれる。

広告で認知させるというのは、一番手っ取り早いが、その分忘れ去られるスピードも速い。メディアのポリシーやステークホルダーという概念が欠落したアプローチであるからだ。

接点を探り、その数をいかに増やし、制御していくかがすべてのような気がする。

2015年、メディアとそのデザイン&エンジニアリングについて考えてみた。有料vsPV狙いの広告モデルを超えて

メディアとしてやはり一番なのは、情報のスクリーニング機能とオピニオン機能だという考えが益々深くなってきている。突き詰めるとそれしかないとも考えている。

 

ネットの普及で、入手可能な情報量も急激に増え、そこへのアクセスコストも断然安くなった。そしてそのトレンドは今後も続くと思う。

 

ところが、情報は集まるのだけれども、何かの意思決定に絡むような有益な情報、つまり分析やオピニオンがしっかりと含まれているインテリジェンスが手に入るかというとそうではない。

 

以前は本というメディアが信頼足るメディアだった。書き手がいて、編集者のスクリーニング機能が十分に機能していたからだ。ところが、出版業界の状況もあるのだろうか、個人的意見だが、書籍の質を犠牲にしながら、数量を求める傾向にもあるようなので、むしろ昔よりもインテリジェンスを入手するのは難しく、手間ひまのかかる作業になったかもしれない。結果として、情報入手という環境は整備され便利にはなる一方、情報のキュレーションの必要性が叫ばれてきたわけだ

 

ところが、キュレーションは、誰にでもできる訳ではないし、優秀な人がすべての情報に目を通せる訳でもない。ある意味、キュレーション自体が有限のリソースという訳だ。

 

美術品にキュレーターがいるのは、歴史とともに作品数が増え、贋作もある中、キュレーターが必要であるからだ。また、それは高価な値がつく作品を中心に調査をすれば良い=>結果として評価しなければならない数が限られる?ので、ビジネスとしては成立するのだろうか。美術のキュレーターに関してはどこかで一度インタビューしてみたい。さて、こと情報に関してはお金の出し手とその調査の対象は曖昧なのが厄介なところだ。

 

ただ、美術のキュレーターに関しても万人に必要という訳ではない。美術に興味がない人には、終世美術のキュレーションには関係ない人かもしれない。その意味では、情報も関係ない人には関係なく、(インサイトのない)情報を見ても何か幸せになったり学びになる情報であればそれで良いかもしれない。贋作でも、(所有者にとって)美しく意味のあるものも存在するであろう。つまり、キュレーションは、究極的にはオフィシャルなものでは意味があって、プライベートなものには関連性が弱いということだろうか。

 

メディアは、キュレーションとオピニオンの有無が判断基準と述べたが、個人的には、接点の多いメディアが良いメディアだと思っている。興味がある人がその興味のあるメディアと接するのは当然なのであるが、そうでなかった人も何らかしらの接点があり、はじめて接する機会を持てることができれば、それは一つメディアの役割としては果たしたということだと思う。

 

同じコンテンツを見ても、人によっては意見が違うし、その反応も異なる。したがって、興味にある人だけが読んでくれればよいと考えるのでは、メディアは自分の枠を自分で決めてしまい、メディア自体の変化の可能性を消してしまいかねない

 

その意味で、ある程度のクローズド感とある程度のオープン感の絶妙なバランスをメディアデザインとしては必要なのであろう。 メディアのクローズともしくはオープン戦略は、事業モデルにも直結する内容なので、メディアデザインと経営はほぼ同義であると考えているが、正直こうした議論はこれまであまり見てきたことがない。有料か無料か、コンテンツ売りかPV狙いの広告モデルという議論しか目にすることがない。というとハイブリッドモデルがあるだろうという答えが返ってくるが実はそれは妥協案にすぎない。その2項対立議論を超えて、新しいモデルが必要だし、その兆候もある。

 

さて、私は、編集が効いていないものはメディアではないと考えている。それは、一つのコンテンツに限ってもそうであるし、コンテンツの集合体についても同様である。単純にいろいろな人が好き勝手なことを言っているのは掲示板である。一方、仮にそこに、キュレーションやガイドが入ればメディアである。

 

こう書いていることからもお分かりだろうが、メディアは世の中の一部をある一定の観点から切ったものだ。したがって、メディアにバイアスがあるのはある種当然といえる。

 

情報に対して、キュレーションとオピニオンがあって、バイアスを排除しきるというのは難しいであろう。つまりメディアとは誰かの世界観であって、その世界観を共有できる人が愛読者となり、その世界観を共有できない人でも興味があればそれは、メディアのキャラがたっているということができる。

 

先ほどメディアには接点が重要と述べたが、ここに必要なのはデザインとその画を実現するためのエンジニアリングだ。

 

メディアは、世の中の一部を切り出したシステムである。つまり、システムの目的を果たすためには、エンジニアリングが必要である。メディアの目的は、鉄道のように「A地点からB地点にものを運ぶ」というものではなく、もう少し対象とその結果が曖昧だ。したがって、より事前に想定しなければならないことが多い点が難しい

 

メディアエンジニアリングの方法論は、明文化されたものはないが、どういった対象が、どのようなスタイル(有料か無料か)でほしがっているかにも大きく左右される。また、新スタイルのメディアの在り方が確立されれば、そのスタイルも変わってくる。

 

メディアはクローズドで読ませたい人だけに読ませれば良いと考えていると、エンジニアリングも簡単であるが、より多くの接点を増やすということを考えれば、エンジニアリングは非常に複雑になる。要はそこが楽しめるか、そうでないかというところが重要だ。

 

メディアというのは、人間の営みの縮図の気がしてきた。

 

2014年は音というユーザインテーフェース元年だったような気がする。2014年の買い物を振り返る

アップルのiPhoneもUIが変わらず、そろそろみんな冷たいタッチパネルに飽きている。

そこで新たなUIが工夫されているが、音声認識もいまいち。

それでも、次はまだみんな音声だと思っている。

 

インターフェースといっても、インプットとアウトプットの両方がある。

2014年はアウトプットの音は相当伸びたんではないだろうか。

家電の小売店を見れば一目瞭然。

 

今年は、執筆作業を支えてくれるグッズを買いそろえたが、結局これが良かった。

はじめてのBoseなのだが、Bluetooth接続を店頭で試したが、Boseが良かった。

ソニーのXシリーズも試したが、いまいちうまく接続いかず、断念。

ソニーの方が安くて、どうかなと思ったが。

 そして、外ではこれ。

はっきりいって、ブランド買いした感じ。

アップルが興味あるとなれば、自然と興味がわく。

まあ、いい音ということなんだけれども、使用時間は↑の方が断然長い。

 ということで、次はやはり音かなと。注目。