泉田良輔の考えたこと

ノマドアナリストが株式投資, テクノロジー, エネルギー, FinTech, メディア, サッカーをテーマに.

川崎フロンターレの金融業界のスポンサーはSMBC日興証券からみずほFGに変わることはあるのか

フロンターレの背中のスポンサーはSMBC日興証券だが、来年にはみずほFGということもあり得そうなインタビュー。

もっとも、みずほFGは「サッカー日本代表」のスポンサーではあるが、いちJのクラブチームを応援することなどあるのだろうか。

とはいえ、フロンターレはもともと富士通サッカー部。みずほグループとの距離は近い。

そしてコーポレートカラーは、みずほもフロンターレも青。

浦和レッズは三菱重工をはじめとした三菱グループで支えられ、グランパスはトヨタ自動車が50%超出資をする企業。

資金力で勝ち点が増える、というほど話は簡単ではないが、ある程度の関係性はあると見ると、DANZマネーの話を除いても、グループ間競争にこれまで以上にシフトしてきた感じもある。

でも、なぜ佐藤社長はフロサポなのだろうか。

あと、私はJリーグの川崎フロンターレのサポーター。ときどき応援に行きますが、そのときも仕事のことが思い浮かびます。サッカーは、守りの人は守りだけ、攻めの人は攻めだけやっていてはダメ。フォワードが前線から戻って守備をしたり、ディフェンダーがオーバーラップするなどしてチームは機能します。その様子を見て、ああ、これはお客さまのためならば、自分の守備範囲を超えて「横っ飛び」もためらわずに仕事に取り組むみずほの企業文化と同じだなと考えたりします。

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ギグ・エコノミーとは。「ギグしてる?」と時代は職探しから働き方探しへ

GIG(ギグ)というとBOØWYの"LAST GIGS"を真っ先に思い浮かべるのは私だけだろうか。

中学生からそもそもずっと「ギグスってなんだろう」と思っていたところに今回の本「ギグ・エコノミー 人生100年時代を幸せに暮らす最強の働き方」を読む際に改めて辞書を調べてみた次第。

そもそもギグとは

リーダーズ英和辞典で「GIG」の5番目の意味として、

ギグ⦅ジャズ(ロック)演奏会⦆;(口)特に⦅一晩限りの⦆演奏の契約[仕事], 出演…

ととなっており、なるほどと。

これでBOØWYの"LAST GIGS"の意味もよくわかります。しかもGIGSと複数形です。

日本人にわかりやすいように言い換えれば、つまり、フリーランス・エコノミーという訳です(英語ですが)。

ギグ・エコノミーはどこまで影響力があるの

先の本では、そもそもギグ・エコノミーがどれだけの規模なのかを把握するのは難しいといっています。

ただ、米国で非伝統的な働き方をしているのは、2005年に10%だったものが、2015年には15.8%に増加。

また、2005年から2015年におけるアメリカの就業人口の純増はすべて非伝統的就業形態によるものだったそう。

こうしてみると、ギグという仕事の仕方の良し悪しは別として、それを前提に労働者も考え方を持っておかないと、時代の変化には適応できないということになります。

日本でいろいろと議論されている副業がOKかどうかという話ではなく、副業ありきの人生を考えないと取り残されるともいえます。

ギグ・エコノミーが拡大している背景とは

本の中ではいろいろとデータとして面白い引用をしていて、そうした中からざっくりとした特徴を言えば、

  • フルタイムの雇用が(過去のトレンドと比べると)増えていない
  • 雇用創出に欠かせない新興企業の勢いがなくなっている
  • 企業がフルタイムの従業員を敬遠していること

とのこと。

もっとも、もっと言ってしまえば、社内(つまり従業員)としてできることの付加価値を外部でも十分出せるということであろうし、そもそもその費用対効果が高いから企業もそうした行動に出ると言えます。

また、企業がそうした発注をする姿勢があるために、そうした需要を受け止めようとする供給が増えるの繰り返しでしょう。

ギグと相反する就職活動

ギグありきの人生とすれば、就職活動なんてものは、ばかばかしいということになります。

ギグするには専門性が必要なのですが(これもいつもある話)、大きな企業に就職して、専門性という面でエッジの立っていないポジションを数年でもしてしまうと、ギグするには遠回りということになります。簡単にギグできないわけです。

大企業に何かの専門性を求めない限り、リスクといえます。

ギグで苦しくなる職業とは

企業もギグで対応できる仕事をあえて社内にリソースを抱えるということはしないでしょう。

よほどギグの内容が良いか(一度手放すと順番待ちになるとか)、その人材のギグ以外の要素が評価されているかということになります。

したがって、フルタイムの仕事をし続けたいと考えるのならば、以下の様なエッセンスが必要となるでしょう。

  • 自分の強みはギグで置き換えられない領域で形成する
  • 社内特有の作業をコントロールできる立場になるか、それに従事できるようにする
  • 圧倒的なギグを出し続ける

主にはこうしたことではないでしょうか。

ギグがあることでこれまで以上に自分の仕事が相対評価されやすくなり、フルタイムも厳しい時代にどんどんなりつつあります。

フルタイム対パートタイム、これは今後産業動向も含めて大きなトピックになっていくと思います。

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鹿島アントラーズを外部から見るとこう見える。成功の背景と弱みとは

鹿島アントラーズ(以下、鹿島)は、なぜ強いのか、なぜ執拗なまでに勝利にこだわるのか、なぜ選手はいつも渋い顔をしているのか、そして鹿島が強い日本のサッカーで将来の日本サッカーはそれで幸せなのか等、素朴に考えたことはないでしょうか。今回は、自分でも疑問に思ってきたことを公開情報をもとに考えてみます。

鹿島が成功し、支持を受けている背景とは

いきなり、結論めいた話で何ですが、これまで鹿島が成功してきた背景を考える際にポイントとなろう大きく2つの特徴があるように見えます。

そのキーワードは「キリスト教」と「演歌」です。

キリスト教のフレームワーク

ひとつは、鹿島はまさにキリスト教のようにその誕生のストーリーが多くの人を惹きつけたという特徴があると思っています。

「ジーコ」というキリスト教における「イエス・キリスト」のような存在と、強化部長である「鈴木満」氏というキリスト教の普及に欠かせなかった弟子であり伝道者パウロのような存在が今となっては頭から離れません。

鹿島には演歌を感じる

そしてもう一つが、鈴木満氏が著書「血を繋げる。 勝利の本質を知る、アントラーズの真髄」でも自ら指摘しているように、鹿島には東北出身者が多く、ジーコ以降ブラジルサッカーを基盤としながらも、苦しくても頑張れば明日はいいことがあるさというどこかに「演歌」的精神を背景としていて、日本人の一定層の支持を受ける文化を築いているという特徴があげられます。

鹿島の強みとは

Jリーグ開幕前に、「サッカーの神様」であるジーコが日本のサッカーチームでプレーをするということを誰もが興奮を持って迎えたのは記憶するところでしょう。

そしてそのサッカーの神様が日本のサッカーファンの目の前でプレーをし、開幕戦のグランパス戦ではハットトリック。そして試合は大勝。

また、鹿島は開幕戦だけではなく、その後数々のタイトルを獲得していくという展開となりました。

鹿島のスタートとその後の輝かしい歴史は、ストーリーそのものとしては美しく、プロサッカーリーグ黎明期においては、珠玉の存在となったともいえます。

ただ、その鹿島のストーリーがジーコだけで終わらないのが、いまの鹿島がある所以です。

「ジーコスピリット」という言葉を聞いたことがある人も多いでしょう。

  • 献身
  • 誠実
  • 尊重

この3つのキーワードなのですが、これは実際にジーコが「この3つのキーワードが俺の精神だ」といったわけではありません!

鈴木満氏が通訳と話をしながら「ジーコが言いたいのはこういうことだよね」と言って決めたのが、この3つのキーワードだそうです。

エッセンスを抜き取る、そしてまとめるというのは一つの才能です。この作業を鈴木満氏が主導したのであれば、それは鈴木満氏の成果です。

また、鈴木満氏は、シンプル化したキーワードを前面に押し出して、ジーコが現場を去った後でも、この精神に賛同できないものは鹿島ファミリーではないという雰囲気にすることに成功しました。

「ジーコスピリット」として、自分たちの(鹿島の)プレースタイルを継続させるために欠かせないエッセンスとしたのであれば、それもまた鈴木満氏の大きな成果です。

鹿島の弱みとは強みと表裏一体

ここまで鹿島の強みを見てきました。そして、その背景にはジーコと鈴木満氏の努力があることを見てきました。

ただ、アナリストの私から見れば、これがそのまま弱みにもなると言えます。

先の著書を見る限りでは、鈴木満氏は強化部長という肩書ながら、実際にはGM(ジェネラル・マネージャー)です。

チームにおける選手の獲得や放出、そして監督の選任も含めて、基本的に鈴木満氏の仕事です。

自分が採用した監督でも、試合を経ることで鈴木満氏の目線とあわなければ更迭されます。

選手もポジションで他に良い選手がいたり、また、若くても成長性などが評価されなければ放出もされます。

たとえチームに残れたとしてもレギュラーとして試合に出られないのであれば(鈴木満氏自身は親心というような感じで話をしてますが)他のチームにレンタルにも出されてしまう。

鹿島のスカウトは優秀だという点を差し置いても、スカウトが勝手に選手を獲得してくることはないはずです。

こうしてみると結局、鹿島はチームとしての戦略、そしてある程度の戦術まで含めて鈴木満氏のチームだということです。

鈴木満氏のサッカーが他のチームのサッカーに通用しなくなった時には、鹿島のサッカーの時代が一旦は終わりを迎えるということになります。

もっとも、鈴木満氏のことですから、自分が抜けたとしても「ジーコスピリット」にはじまる伝統が鹿島の文化を継承するようにするでしょうし、自分以外のエバンジェリストを育成するとは思います。

ただ、余人をもって帰ることができるかといえば、そうではないでしょう。鹿島が歴史的に強かった背景が鈴木満氏ということであれば、今後は誰がそれをカバーするのかという根本的な問題に直面します。

こうした状況はどの世界にもあることですが、安定している状況に見えても極めて大きなリスクをとっているともいえます。

後継者問題はどこの世界でも同じ

鈴木満氏も先の著書でも触れていますが、自分が今後どの程度の期間までGM的なロールを続けることができるのか、ということは問題になるでしょう。

いわゆる後継者問題です。

2016年シーズンにおいては、鹿島は勝ち点が第3位だったにもかかわらず、チャンピオンシップで川崎フロンターレと浦和レッズを破り優勝しました。

いちばん浮かばれなかったのは浦和レッズだと思いますが、当時はCSのシステムだったので致し方ありません。

また、鈴木満氏の著書では川崎フロンターレの勝負弱さも指摘しています。

ただ、あの試合では川崎フロンターレの主力メンバーが怪我で出場できていなかった点も分析家でもある鈴木満氏は触れておくべきでしょう。残念ながらその記載はありませんでした。

もっとも、2016年当時の川崎フロンターレの試合を決定づけることができる選手層の薄さは当然ながら指摘されるべきだと思いますが。

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戦略に永遠という賞味期限はない

一発勝負を得意とすると自負している鹿島ですが、2016年シーズンは勝ち点は首位でなかったことには頭に入れておくべきでしょう。

そして2017年シーズンは川崎フロンターレに最後に勝ち点で並ばれ、得失点差で優勝を持っていかれました。

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鹿島は手堅く試合を決める「ウノゼロ」ゲームに特徴があり、メディアでは評価されがちですが、もっともこれは守りは固く、相手の隙やミスで1点をとるというゲームです。

2016年のCSでも対川崎フロンターレでもそんな展開でした。

試合が始まれば、「ボールを奪いたがる試合展開」ということです。

やや言い過ぎかもしれませんが、俯瞰してみても「受動的サッカー」です。しっかりボールを「奪って」、攻める、という守備から入るサッカーです。

サッカーでは攻撃と守備は表裏一体といいますが、どちらを起点とするかは考え方があります。

後でも触れますが、鹿島の選手は練習でも耐えて耐えて、偉大な先輩を差し置いてレギュラーを獲得し、試合でもその精神面での強さを一点・一瞬において発揮するというコンセプトです。

ですから余談ですが、鹿島のCB(センターバック)は自身の歴史において主役になりえるのです。

もっとも昌子源選手は、守備においてはアクションをとることで試合展開を運用できるといっているので、ディフェンスというマイクロな局面においては、リアクションサッカーから脱却するように意識しているということは付け加えておきます。

資産運用の世界も鹿島スタイルはワークしてきた

サッカーに限らず、資産運用の世界でも、守りに徹して僅差で勝ち続けるファンドマネージャーが長期でも勝ち続けるというのは意外にあります。

ただ、付け加えるとそうした運用そのものに興奮はありません。おそらく、そうした運用をしている人も興奮をするというよりも、地道に作業を積み重ねているというのが正直なところではないでしょうか。

そうした僅差で勝ち続けるという戦略は、いまではAI(人工知能)や勝つことはしないが負けないというインデックスファンドに市場シェアを奪われつつあります。

戦略は永遠に同じで通用するというものではなく、賞味期限があります。

話をサッカーに戻すと、2017年シーズンにおいては、川崎フロンターレは鹿島にホーム及びアウェーの試合でいずれも勝利しています。

また、それぞれの試合で川崎フロンターレは鹿島に対して3点差をつけて勝利しています。

戦略家の鈴木満氏からすれば、川崎フロンターレに対してタイトルを逃したということも悔しいでしょうが、そのタイトルを獲得した川崎フロンターレにリーグ戦ではコテンパンにやられている事実をどう見るかの方が重要ではないでしょうか。

そしてその川崎フロンターレの鬼木達監督は鹿島出身です。鹿島出身である鬼木達監督からすれば、鹿島の長所や短所は十二分に理解していることでしょう。

風間八宏監督では成し遂げることができなかったタイトル獲得を鬼木達監督は1シーズンで成し遂げました。これも鬼木達監督が鹿島出身であったこととは無縁でないような気がします。

鹿島を支える東北出身選手

冒頭に「演歌」というキーワードに触れましたが、鈴木満氏も指摘するように「我慢強い」とか、またそこからイメージできる「耐える」という姿勢があるのはここまで見てきたとおりです。

そして鹿島の選手には東北出身が非常に多いのは特徴的でしょう。もっともGMロールの鈴木満氏も宮城県出身です。

以下の過去も含めて主力の選手たちも東北出身です。

  • 山本脩斗選手(岩手県)
  • 土居聖真選手(山形県)
  • 柴崎岳選手(青森県)
  • 小笠原満男選手(岩手県)

といった具合です。

東北にも、J1のベガルタ仙台などもありますが、茨城という関東地方とと東北地方の中間に位置する場所に鹿島という強豪クラブがあるというのは、優秀な選手の受け皿という観点から日本のサッカーの裾野を広げるためには最適であったともいえます。

ただ、今後も「我慢強い」選手をとり続けるというのをベースにして鹿島が良い選手をとり続けられるかというと、それは分かりません。

鹿島の場合はそこをチームの精神基盤としているので、ちょっとやそっとのことで変更することはないでしょう。また変更しない可能性の方が高いと言えます。

アナリストとして気になるのは、過去は必勝パターンであったものが、そうではなくなった時のカジノ切り方が難しいということです。

いわゆるイノベーターとしてのジレンマともいえるでしょう。

こうしたことはサッカーチームに限らず、様々な産業で多くの企業が経験していることと同じだと思います。

サッカーは結果を求めるものであることは今後も変わりがないと思いますが、そのプロセスとして、「我慢のサッカー」より、「魅せるサッカー」でしょう、という空気になればどうでしょうか。

過去にタイトルがたくさん獲得できたチームというだけでは、良い選手を獲りにくくなることは十分にあり得ます。

2017年シーズンに鹿島からガンバ大阪にレンタル移籍していた赤崎秀平選手が鹿島に戻らずに、川崎フロンターレに完全移籍してきたのは、なんともそんな兆候が起きつつあるのではないか、という気さえします。

日本のサッカーは鹿島が強いでいいいのか

日本のサッカーが「世界」で強くなるためにはどうしたらよいのか。

これはいろいろな議論があってよいテーマですが、2017年からDAZNマネーもあり、Jリーグは「日本からビッグクラブをつくる、つくりたい」という方向に舵を切った感があります。

その際にどこのクラブをある程度想定していくか。

世界を見渡すと、やはり、大都市、またはそれに準ずる都市に拠点があるビッグチームが多いのは事実です。

バルセロナ、マドリッド、マンチェスター…大都市を背景に巨大なスタジアム。

クラブチームは、ブランドやリーグによって放映権などの収入が期待できるものの、ほとんどのチームではチケット収入が収益の柱となることは変わりがありません。

その点に関しては、背景となる都市の人口とは切り離すことができないわけですが、鹿島は不利といえるでしょう。

ユニークともいえるし、(事業環境の競争劣後という意味での)弱者の戦略としては成功してきたケースとしてはアナリストとして注目しています。

鹿島は勝ち続けることで人を惹きつけるという戦略で成功してきたので、今後はどのようにしてビッククラブとなるための展開をするかには注目です。

結局どこがビッグクラブになるのか

残念ながら、サッカーは資金力が勝負だという、血も涙もない話をすると、個人的には、三菱グループの浦和レッズ、トヨタグループのグランパスが最有力候補でしょう。

今後のタイトルの行方で、どこまで富士通の川崎フロンターレ、日立の柏レイソル、パナソニックのガンバ大阪が食い込んでくるかなどがアナリスト的には見ものです。

あえて、2極化を促すような資金配分で、日本からビッグクラブをどのようにして生み出していくのか、Jリーグも面白いステージに入ってきました。

こうした中にソフトバンクが入ってくるとさらに面白いのになと妄想もしています。

【ご案内】Longineが個人投資家向け無料セミナーを実施します

新年明けましておめでとうございます。

今年もどうぞよろしくお願いします。

さて、新年早々、今回は告知です。

Longineが2018年1月18日(木曜日)に東京・大手町で個人投資家向け説明会を実施します。

私が登壇して、現在の株式市場の動向や今後起きうる産業構造の変化、Longine編集部の注目セクターや銘柄をご紹介します。

Longine購読者だけではなく、資産形成にご興味があればどなたでも剛おぼいただけます。ご興味がありましたら、ぜひこの機会に。

以下のリンクからご応募ください。

https://www.longine.jp/seminar

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AI(人工知能)時代のアナリストは生き残れるのか?生存できるとすればどの領域か

2017年も大みそかということでもあり、ここ最近でてきたAIで証券アナリストやファンドマネージャーの仕事が奪われるんではないか議論もあるので、プロ投資家の役割と今後の付加価値はどこにあるのかについて考えていきたいと思います。

はじめに

個人投資家向けにLongineをはじめた5年前は、アナリストやファンドマネージャーの仕事がここまで機械にとってかわられるなんていうことは、はっきりいってあまり想像しませんでしたね。

せいぜい、相場の浮き沈みでアナリストのポジションが増えたり、減ったりということぐらいで、そこまで真剣に考えるということはなかったのではないでしょうか。

ところが、ヘッジファンドだけではなく、一般投資家も身近な投資信託でもビッグデータを機械に食わせて、その分析に基づいて銘柄を抽出するなどというファンドもいくつかすでに出てきており、ゴールドマンサックスのファンドなんかはかなり売れています(信託報酬は高いですけどね)。

アナリストの仕事とは

大きく分けると3つに分けることができると思います。

  • 分析(アナリシス)
  • 予想(エスティメイト)
  • 値付け(バリュエーション)

基本はこの3つです。

分析は、大量のデータ・情報をインプットし(基本は読み込むこと)、その内容を分解していき、「何が何をそうさせているのか」というのを突き詰めることだと思います。

そして、その分析に基づいて、分解して決め手になる要素を統合していき、全体像を予想するという作業に行きつきます。

この辺りはシステムズ・エンジニアリングの分解と統合の作業にぴったりです。

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AIでどこまでできているのか

さて、AI運用の現場の話を聞いていると、現在のAIではおそらくこの第2段階までできていて、ここに人間の投資判断のパターンを埋め込んで最終的にはAIの投資判断としているのだと推測します。

もっとも、この時点の人間の判断というのはファンドマネージャーやアナリストの判断パターンを入れているので、その参考にしている人間のレベルが低いと、最終的なアプトプットが知れているということにはなりますが、その水準も時間とともにアップグレードしていくと考えるべきでしょう。

ということで、アナリストの3つのプロセスのうち、2段階目までは概ね機械で代替されているし、その精度は機械の方が上といえるでしょう。

今後生身の人間が戦う領域とは

では、現在、人間のアナリストの付加価値は何が残されているのかというと、最後の値付けの部分でしょう。

「この銘柄の適正株価はXXX円。よって買い(とか売り)」

というような投資判断をまだ機械「自身」がしきれていない(というか人間のこれまでの知見の一部がアルゴリズムとして活用されている)、という状況だと考えていて、そこはまだ人間が判断する付加価値が残されているのかと。

とはいえ、この領域も近いうちに機械が自分で判断をして投資判断をするようになる、という時代も当然あり得るわけで、その際に機械とどう戦うのかと。

プロ投資家はどこで付加価値をとるのか

ひとつあるのは、機械が判断するためには大量のデータを食わせないといけないわけで、そこをつくのだとすると、データの少ないIPO直後の株や公開情報の少ない中小型株というのは引き続き人間が判断しても勝てる領域は残るであろうということ。

あと、これは有名なファンドマネージャーにフィデリティ時代に学んだことですが、「株は変化だ」ということ。

これは株で儲けるためには、凪いでいる海ではなく、潮目を見逃すなということ。たとえば、経営者が変わることや業績が大きく変わる(←これらがポイント)といった変化点をどう判断するか。

非連続の変化点

過去と「非連続の変化」に対して機械が確信をもって判断することはできないでしょう。だとすれば、そこは人間の目利きであったり、過去の経験や知見を拡張して活用する領域が残るということになります。

過去との非連続の状況が儲かるというのは、これまでと変わりがないですが、いわゆるアノマリー的なデータに基づいていえてしまうパターン系は機械にとって代わられるし、その方が漏れがないので任せてしまえばいいと思います。もっともそうした領域が得意だったファンドマネージャーの仕事はなくなるわけですが。

まとめにかえて

ということで、私自身はテクノロジーセクターのアナリスト経験が国内外株を含めて最も長いわけですが、細かな技術を追うよりも、様々なセクターの(そう、セクターにこだわっていてはだめだということ)会社のそうした変化を追う方が儲かる時代になってきているのではないかと感じています。

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ウィスキーの新規の設備投資は10億円規模か?!カネと時間がかかる商売

ウィスキー好きには最近の商品の値上がりは困ったものですが、その背景は世界での需要が増加しているから。

日経新聞のサイトを見ていたら以下の様な記載が。

焼酎メーカーの小正酒造(鹿児島市)は約10億円をかけて鹿児島県日置市に蒸留所を整備し、17年に参入した。

ウィスキーをつくろうと思うと、これくらい設備投資が必要なのか、と改めて知る。

これからキャパシティを増強していくサントリーも今後合計で200億円、すでに設備投資をしたアサヒビールも60億円。そういう水準感。

酒類各社が国産のウイスキーを相次ぎ増産する。サントリーホールディングス(HD)は2020年までに200億円弱を投じ、原酒を熟成する樽(たる)の貯蔵能力を約2割拡大する。アサヒビールは約60億円を投じて原酒の生産量を2年前から約8割増やした。

そしてご存知の通り、ウィスキーはビールのように工場ができてすぐに生産・出荷とはいかない商品。寝かせる必要がある。

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グランパスの資金が動き出す。「風間八宏×トヨタ自動車」が日本のサッカーを再定義するかも

J1に1年で戻ってきた風間グランパス。

J2降格時に様々な選手が出て行きましたが、2017年は次なる基盤づくりの年だったという位置づけにあとあとなるのではないかなと…想像します。

グランパスが2018年シーズンに向けてどういった補強やチーム作りをするのかに注目していましたが、早速、資金力にモノを言わせてきました。

川崎フロンターレが2017年に優勝して得られる賞金総額は約22億円。

今回、名古屋が移籍してくる一選手に支払う移籍金は約15億円。

そういうことです。

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カネとチエが日本サッカーを変える、そんな気がしてなりません。

これは極めて個人的な勘、に過ぎませんが、今後5年は、次のような展開になるのではないでしょうか。

青いフロンターレと赤いグランパスが日本のサッカースタイルを再定義していく

世界(ex-Asia)に出ると極端にカウンター重視のサッカーをするスタイルにはもう飽き飽きです。

さて、フロンターレはもっとも嫌な、そして手ごわくなる敵を野に放ったということです。

風間サッカーは基本的にはボールを上げて、ヘディングでドン!というサッカーを好みません。したがって、テクニックはあるけれども身長は低い選手も多いです。事実、フロンターレの前線の選手に背の高い選手はあまり見当たりません。

ということで、風間監督がグランパスの監督に就任した時はシモビッチはどうなるのかなと思っていましたが、結果、こうなりました。

 おそらく、今後出てくる移籍情報は、ボールをしっかりと扱える選手が全線と中盤に、そしてディフェンスラインには、攻撃センスのあるDFがリストアップされてくる可能性は高いです。

グランパスは昨年はJ2にいたということと新加入の選手もいるので、スカウティングがさらに重要になってきます。

大久保嘉人が川崎Fに戻ってくる件。スタメン競争は厳しくなる一方で問題はポストケンゴ

2017年のクリスマスにニュース!

以前から話の出ていた大久保嘉人(ヨシト)選手がFC東京、そう瓦斯から川崎フロンターレに戻ってくるという。

瓦斯に行く前から「神戸にいるときのようになるのでは?」と誰もが想像していましたが、結果もその通り。そこは全くサプライズなし。

一方、今の川崎Fはヨシトなしでも得点力には事欠かず、小林悠(ユウ)選手が2017年の得点王になったことは周知の事実。

ヨシトはどこのポジション?

問題はヨシトはどのポジションを目指すのかということ。

ヨシトを真ん中にしてユウを右にするのか?

でも、そうすると家長昭博(アキ)選手をどうするのか、左にするのか?

でも、そうすると阿部浩之(あべちゃん)選手をどうするのか?

ヨシトとユウの2トップという選択肢もあり。

などなど、問題は山積み。

とはいえ、今年はワールドカップイヤー。

ユウが代表に持っていかれるかもしれないし、また、車屋紳太郎選手が代表に持っていかれた際は登里選手がウィングのスーパーサブとしてではなく、SBに入らないといけないかもしれない。

また、ACLも戦う必要もありなどなどあるので、ヨシトが必要な場面は確かに多い。

興味があるのはトップ下。ケンゴの代わり

攻撃力はさておき、トップ下の中村憲剛(ケンゴ)選手の代わりはいるのかなど、派手なニュースはあるものの、フロンターレの課題は多い。

大島僚太(リョウタ)選手、エドアルドネット(ネット)選手がゲームを組み立てるスタートポイント、という前提があるにせよ、そこからゲームのアクセントをつくれるのはケンゴだという見方は変わらない。

ここのポジションは、実はリョウタでもなくアキでもない。

何はさておき、ネットの契約がしたそう。

エドゥアルド ネット選手契約合意のお知らせ | KAWASAKI FRONTALE

新体制発表会でヨシトはどんな顔をするのか

とはいえ、1年で「出戻り」というのはフロンターレが好きそうなネタなので、フロントもそこはあえて狙った感もある。

三好選手が札幌らしいので、背番号は13で決まりでしょうか。

競争が厳しいチームは見ていても楽しい。

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アマゾンを立ち上げたベゾスのメモしておきたい1枚の写真

 1999年ということは今から18年も前。

ただ、18年で時代は大きく変わる、というのは誰もが見てきたこと。

感慨深い。

愛光学園の評判と寮生活-母校がNIKKEI STYLEに

私は愛光の37期の卒業生です。

小学校の卒業式もそこそこに、親元を離れ、中学高校と6年間の寮生活。親元へは、夏休み、冬休み、春休みの3回ほどしか帰省しません。ということで、中学・高校と6年間も寮生活をすると、色々自立するものです。

当時は「ボーディングスクール」などという言葉は頭にはありませんが、まさにそれです。その後、社会に出ても付き合える、そして時には一緒に仕事もでき、困ったときには助けてくれる友人ができるのが最大の魅力です。

最近では、現在は医者となっている愛光の同期が「本人の希望もあり、息子が愛光に入学した」というコメントがフェイスブックにあり、おお!と思いました。医者の子息は当時から確かに多かった印象があります。

愛光の評判とは-そもそも理系偏重

評判とは何をもって評判とするのかは分かりませんが、社会に出ても知っている人は知っている(当たり前か)という状況で、卒業生を目の前にして言う人はあまりいないでしょうが、悪い話は聞いたことはありません。

ただ、偏差値はラ・サールの方が上でしょう、とは言われます。あと、久留米大附設とも比べられます。同じ寮がある関西の私立というくくりでしょう。兄弟がラ・サールにいるとか、そういうケースもありました。

私がいた当時には、高校では5クラスあるのですが、うち3クラスが理系で、2クラスが文系です。つまり、そもそもが理系偏重です。

そしてその中でも医学部志望が多い、というのが実際です。

親が医師であるから医学部を目指すケースもあるのですが、そうでないケースでもまわりに医学部志望が多い中で勉強していると自然にそうなっていくのかもしれません。特に成績の優秀な友人には医学部志望が多かったように思います。

そして必ずしも東大、京大というわけではなく、全国の医学部に皆散っていくイメージです。北大もいれば琉球大もいるという感じです。

私は最初に勤務したのが金融機関だったので、愛光生に会うというのはあまりなかったですが、医者になった同期に話を聞くと、いろいろなところでOBを含めて愛光の医師との接点があるといってます。

愛光の寮生活

私はトマス寮(中学部)、ドミニコ寮(今はない)、トマス寮(高校部)、第二ドミニコ寮(高三時)とすべての寮を経験しているレアケースかと思います。

入学したての中一の時には8人部屋。

これはまさに寝台列車のよう。カーテン一枚でしか自分のプライベート空間はありませんでした。

はじめは自分も含めてホームシックになることもありますが、ゴールデンウィークを過ぎれば、ほとんど家のことは忘れます(笑)

毎月、親が小遣いを送ってくれるのですが、その金額の範囲で「チケット」を切れて寮内で買い物ができたり、小遣いを引き出すことができます。この時点で、親との関係は数字が重要となってきます(笑)。為替の概念を自分で理解したのも、この頃です。

学年が進むと個室に移りますが、その部屋にはカギがありません!

言ってしまえば、だれでも自由に入ってきます。たまり場ができるのも想像に難くないでしょう。

その個室では、凄い友人はアロワナなどの熱帯魚を飼ったり、舎監に黙ってテレビを持ち込んでゲームをしている猛者もいました。ちなみに、夜になると電源が落ちるので、熱帯魚は長生きした印象がありません。

学年が進むごとに自分の気の合う仲間が決まってきて、そこでコミュニケーションが確立していたような気がします。

寮の食堂で食事をする場所だったり、風呂に入る時間などもグループごとで違っていたようにも思います。

また、部活動でもグループができていたようにも思います。

ちなみに、下の写真が当時の寮のスケジュール。

今見たら、かなり厳しいスケジュールです。

6年間もやり切った自分はすごいとほめてあげたいくらいのレベルですw

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愛光は「世界的教養人」を目指す学校

愛光はドミニコ修道会によるカトリックの学校です。

外国人といってもスペイン人の神父様がたくさんいて、はじめて世界と接した感じはしました。

そこの神父様もケンブリッジやハーバードを卒業している、まあ、秀才ばかりなので、それは刺激を受けましたし、日本語もしゃべれるのは驚きました。

まあ、たまに「歯には屁を」とか言ってしまうのは、玉に瑕というやつです。

当時、神父様の一人にスペインのどこの出身と聞いたときに「バスク地方だ」というのを聞き、またその存在と歴史を知った時に、複雑なものを感じたのを思い出します。

そういう意味では、自分にとって愛光は世界とのファーストコンタクトだったのかもしれません。

海外経験もなく、当時、日本人がそれほどいなかった外資系企業に転職を簡単に決めてしまうあたりも、そういった基盤が自分の中にあったのかもしれません。

卒業して思ったのですが、愛光もそうした背景もあるので東大の合格者数など追わずに、海外の大学を目指すような高校にしてしまえばよいのかなと思います。

そちらの方が、日本の高等学校としての色も出ますし、カトリックであることの意味なども前面に押し出せるのではと思います。

在学当時は「世界的教養人?!」と思っていましたが、これは非常に重みのある言葉で、そんな日本人が出てくれば学校としての存在意義は果たしたといえるくらいのテーマだと思います。

海外に合格者を出せる学校であれば、首都圏からもどんどん学生を集めることができると思います。

ちなみにドミニコ会のスーパースターはトマス・アクィナス。

世界史を学んだ人には「神学大全」でおなじみでしょうか。

入学が決まれば(ここポイント)、その前に勉強しておくのは悪くないと思います。

意識しないとそのまま卒業してしまいます…。

愛光卒業後に何をしているのか

医師も多いですが、弁護士も、そして政治家を目指している人、また、起業したりしている人もいます。もちろん、有名な企業で勤務している人もいます。

また、愛光をなんらかしらの理由で途中でやめていった同期ともつながっているのは、不思議なものです。

よくあるのが、外部の仕事で名刺交換をして、出身地の話になり「愛媛」というような話になると、「どこの学校」というやりとりで「愛光」となると「何期?」となります。

そこで、自分よりも先輩だとそれまでのすべてのやり取りが、先輩・後輩関係となるので、積み重ねてきたものが一気に変わる局面があります(笑)

愛光の学費

自分で払っていたわけではないので、内訳は知りませんが、今回のNIKKEI STYLEの記事では、月に10万強とのこと。

実際は、本とか、交際費(外出時の飲食とか)とか、でいろいろかかりますからね。通信費用はどうなっているんだろうかという疑問もあります。

学費と寮費などで月10万円強はかかりますかね。地元の私立校を選んでも塾には行かないといけないが、愛光の場合、塾は不要。志望校に現役合格したし、友人もたくさんできたので、結果的にいい選択だった

まとめ

愛光は田舎で情報がない環境ですが、それはそれとして、別の何かが生まれる環境というのは、今だから言えます。

個人的にはスペイン人の神父様にもっといろいろ教わっておけばよかったというのは今になって思うことです。

正直、学校にいた時よりも社会に出て、自分でビジネスする時や医療問題で悩むとかいう厳しい局面に直面した時に愛光にいたことの重要性がよくわかります。ネットワークといってしまえばそれまでですが、それ以上に、寮で6年間も一緒という稀有な環境の成果と思います。

まあ、親には感謝しかないです。はい。

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NIKKEI STYLEの出世ナビに「すべてを飲み込むアマゾン、『持つ経営』で何を狙う」が再掲

元記事は日経BizGateへの私の寄稿ですが、なぜか出世ナビに。

「持たざる経営」が良しとされてきたこれまでの概念に、アマゾンが「持つ経営」というカウンターアーギュメントを持ち込んでいるのが面白い、という話です。

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Fujitsu Journalに富士通総研の長堀泉さんとの対談「デジタル化の波で銀行はどう生まれ変わるのか?」が掲載されました

最近、メディアからの取材で私への質問が多いのが、以下の3つです。

  • キャッシュレス時代は来るのでしょうか?
  • 決済プラットフォームはどうなるのでしょうか?
  • 銀行の役割はどう変わるのでしょうか?

という質問です。

こうした質問に対し、現時点での自分の考えをある程度まとめたてお話ししたのが、今回のインタビュー記事かもしれません。

個人的には、キャッシュだけに目を向けていれば見通しを誤るし、テクノロジーで実現できる世界がこれまで以上に拡がってきているし、銀行と銀行の戦いというより異種格闘技戦だという認識です。

余談ですが、フロンターレサポとして、Fujitsuのタイトルがつくメディアに、そしてJ1リーグ優勝を果たしたこの2017年に自分の対談記事が掲載されるのは非常に感慨深いものがあります。あくまでも自分にとってだけの話ですが。

お時間があれば、目を通してみてください。

journal.jp.fujitsu.com

【追悼】ご冥福をお祈りいたします

東芝の元社長の西田厚聡氏が亡くなったとのニュースが。

現状の東芝の状況は元経営者として望んでいた姿ではなかったことでしょう。

原発と半導体という普通の電機メーカーが扱えない事業ポートフォリオをコアとして挑戦した経営者。

評価は時として一変するものですが、私がアナリスト時代にお会いした経営者の中では、気合の入った経営者の一人でした。

ご冥福をお祈りいたします。

www.nikkei.com

タイトルの獲り方が分かった川崎フロンターレ。常勝チームになるために必要な3つのこと

川崎フロンターレ(川崎F)、2017年で悲願のタイトルを初めて獲得!

フロンターレ関係者がおそらくはほとんどが望んだリーグ優勝。

うれしさのあまり、この出来事はもったいないのでソーシャル等に簡単に投稿などもせずに、うれしさに浸っておりました。選手達がテレビ番組に出演をするのを見て、ようやく落ち着きました。2017年も12月に入りました。今年の観戦も含めて、今年を振り返っていきたいと思います。

タイトルの獲り方が分からない

ACLで浦和レッズに敗れた後、やや落ち込んだものの、「まあルヴァン杯は獲れるだろう」と多くのフロンターレサポーター(フロサポ)はタカをくくっていたことでしょう。

ところがふたを開けてみればセレッソ大阪にまさかの敗戦。直前のリーグ戦のホームゲームではセレッソに大勝していただけに、その落ち込みっぷりは思い出しても半端ないものでした。

「タイトルの獲り方が分からない」

セレッソ戦後は本当にそう思いました。

ただ今では、「常勝軍団」などというのはなく、「常勝をどう目指すか」ということしかないのかなと思うようになりました。これは一つの大きな気づきです。

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2017年は元旦から落胆

2016年のチャンピオンズシップ(CS)では11月の準決勝でホーム等々力で鹿島に敗戦。勝ち点では72と首位の浦和の74との僅差で2位となっていましたが、結果はまたしてもタイトル獲得を逃したという喪失感を抱えたままでした。

そして迎えた2017年元旦。

天皇杯決勝。

場所は大阪の吹田スタジアム。

はじめて見た太陽の塔だったので記念撮影。

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相手はまたもや鹿島アントラーズ。

雪辱を晴らすべく、元旦当日に大阪まで新幹線で出かけます。

はじめての吹田スタジアム。

吹田スタジアムはピッチまでが近いなと感じながらも、席の幅が狭く窮屈だなと。

ただ、「今日は優勝するから我慢」と思い直し、試合を迎えます。

ハーフタイム中に食べようと思っていたたこ焼きも、まさかの「1時間待ち」。

試合が終わるやないか、と突っ込みつつも、勝って追われたら最高の1年が始まると言い聞かせ、我慢を続けた元旦。

結果は延長戦の末、敗戦。

風間八宏監督体制の最後の試合。

また、タイトルを逃したと喪失感。

新年早々、いやなスタートだなと正直思いました。

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リーグ優勝はなくてもアジアチャンピオンならと思ったのだが

2017年のリーグ戦は序盤はエウソンや家長昭博選手が怪我で戦力として機能しなかった時期がしばらく続きました。

前半だけを見ると、負けはしないものの、大きく勝ち点を積み上げるという展開ではありませんでした。リーグ優勝は厳しいかなと思ったフロサポも多かったのではないでしょうか。

ただ、ACLの予選は厳しい戦いが続きましたが、リーグ戦同様に「勝てないけど、負けない」という状況を続け、結果は予選も突破。

そして勝ち進む中で浦和が対戦相手に。

浦和はいつも試合が白熱する強い相手ですが、フロンターレからすると苦手意識はあまりなく、向うが勝負を受けてくれれば、試合はかみ合うというのがいつもの展開。

浦和とのホームでの1stレグは安定の試合展開と結果を手にし、2ndレグはよほどのことがない限り勝てるだろうと思いました。

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ただ、よほどのことが起きました。

車屋紳太郎選手が(確か、興梠選手の顔に向けて-あまり思い出したくないのでよく覚えていない)足を上げ、スパイクの裏を見せたことで一発退場。

ACLのレフリーの判断の基準は本当に要注意で、Jリーグとは違うものだなと痛感。

その後、フロンターレは守備で逃げ切るというスタンスが裏目に。

ここでも、ACLでのタイトルという夢も消え去りました。

そして、フロンターレに勝利した浦和が勝ち進み、アジアチャンピオンになったのはご存知の通り。

今でも、もしフロンターレが勝っていたら今頃アジアチャンピオンだったのではと心のどこかで思うこともあります。

ただ、タラレバなのでやめておきます。

下は、最近、例の車屋選手の一発退場の裏側を興梠選手が語ります。

「川崎Fは強いんで、一人減らしたかった。足を上げたのであたりに行ったら、レフリーがうまくとってくれた・・・」

 

今年はルヴァンカップのタイトルだけでも

何事も行けるでしょ、と思うと油断が生まれるのでしょうか。

選手も決して油断しているわけではないと思います。むしろ緊張をしているという方が正しいのでしょうか。それはサポーターも同じ。

ただ、対戦相手は直前で大勝し、いいイメージを持っている相手のセレッソ。

場所は、埼玉スタジアム2002。

天気は快晴。

個人的な感想ですが、フロンターレは雨の日に弱いのかなと。

理由は、相手がロングボール主体の戦術に切り替えて、フロンターレのパスサッカーとかみ合わないからだとも思います。

さて、フロサポが多数乗車しているのが分かる始発で浦和美園駅に向かい、順番待ち。

「今日はタイトルをとれるから眠さも関係ないさ」というテンションでした。

ところが、ふたを開けてみると、試合開始早々、エドアルド選手のクリアミスから、以前フロンターレの9番だった杉本健勇選手に得点を奪われる展開。

その後も、フロンターレは決め手に欠き、試合終了間際に全体がオフェンシブになった際、ソウザ選手に隙を突かれ、敗戦決定。

天皇杯も決勝でダメ、ACLもいいところでダメ、ルヴァンも決勝でダメ。

さすがに、その時は「タイトルの獲り方わらねー」と多くのフロサポが思ったのではないでしょうか。

フロンターレはリーグ優勝の可能性も残っていたものの、先行する鹿島がそう簡単には負けないだろうなと思いつつも、そこしか残されていない…という状況。

今年も無冠か、と頭をよぎったのは事実です。

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タイトル獲得には勝つしかないフロンターレ

勝ち点で首位を走る鹿島はいつも勝てばそれだけタイトル獲得が近づくという構造。

ところが、鹿島は柏に勝てば優勝という試合に、引き分け。

そして、どのチームが優勝するかは最終戦まで持ち越しに。

「他力」という言葉が最後まで正しいのかはよくわかりませんが、迎えた最終の第34節。

鹿島は磐田に勝てば、勝ち点で首位確定で優勝。

フロサポ以外は、鹿島が充当に勝利して、鹿島の連覇というスト―リーを描いた人がほとんどではなかったでしょうか。

当然ながらシャーレも磐田にあったことでしょうし。

ただ、名波浩監督が目の前で鹿島の優勝は見たくないという信念が強ければ強いほど、引き分け以上というのはアリかなとも祈っていましたが。

最後の対戦相手が大宮だったという事実

一方、フロンターレはホームでの最終節・大宮戦に勝つしか優勝の可能性が残されていないという状況。

フロンターレの方には、ある種、割り切りのような雰囲気もスタジアムにあったように思います。「勝しかない」と。

この大宮戦、フロサポもいろいろと思うところも多かったのではないでしょうか。

まず、大宮は2016年シーズンに大久保嘉人選手を退場に追い込み、フロンターレが手を焼いて、かつその後もいろいろあった引っかかる相手だというのが多くのフロサポの印象ではないでしょうか。

また、大宮の監督はつい先日まで鹿島で指揮を執っていた石井正忠監督。

石井監督は、そう、今年の元旦に天皇杯を持っていかれた対戦相手の指揮官。

そして、大宮は家長選手の古巣。

当の大宮はJ2降格が既に決定しており、その理由は「家長ロス」というのは多くが報道するところ。

家長選手は自分が移籍したことでこうなっていると、引っかかるものがあるのでは、と気にするフロサポも多かったのではないでしょうか。

ところが、試合の結果はフロンターレの圧勝の5-0。

家長選手も小林悠選手へのアシストも複数記録し、徹底的に戦ったという印象を強く残しました。なんだか、妙にほっとしました。

大宮に勝利し転がり込んだリーグ優勝。タイトル

そして、何より、鹿島が磐田と引き分け、勝ち点は72で鹿島と同点のものの、得失点差でフロンターレの優勝が決まりました。

このときほど、攻撃的であることの意味と重要さをかみしめたことはありません。大量得点でより少ない失点が生きたのです。

「サッカーは点を入れなければ勝てないスポーツ」

風間監督はこうよく口にしていたのを思い出します。

「シルバーコレクター」と揶揄されたフロンターレで先頭に立ってきた中村憲剛選手が悲願の初タイトル。

そして2017年からキャプテンを任された小林悠選手はプロ初のハットトリックを記録し、初の得点王に。

セレッソの杉本選手が首位を走り、ちょっと得点王は難しいかな、と思っていたところに最後は自身初のハットトリック。

「健勇だけにはやらせたくない」と思ったフロサポも多いのではないでしょうか。

最後にまくれて本当に良かったと思います。

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フロンターレが常勝チームになるために必要な3つのこと

タイトルを獲得し、総額22億円ともいわれる大きな賞金などを手にし、フロンターレの強化はこれまで以上にされることでしょう。

多くのフロサポが願っているのは、これをきっかけに勝ち続けるチームになることではないでしょうか。

そのために必要なことを考えてみました。

【その1】頭とシステムが守りにはいらないこと

サッカーはミスをいかにマネジメントするかというスポーツだと実際は思います。今年のフロンターレの強さも、MFも大島僚太選手を中心に守備が機能し、DF陣も跳ね返し力では目を見張るものがありました。

ただ、フロンターレの良さは「等々力劇場」とというとややもすれば心臓に悪いエキサイティングな試合です。「ウノゼロ」ももちろん局面によっては大事ですが、ガンガンと行ってほしいなと。

決してボールをとりたがるチームではなく、ボールをどうゴールまでもっていくかにこだわって欲しいなと期待しています。

タイトルといってもまだ一度だけですが、追われる立場、これまで以上に研究される立場になったのは事実です。

敗戦したACLの浦和戦でも感じましたが、守りに入った時のフロンターレはもろいなとまだ思います。

「攻めているうちはやられないんだから」といっていた風間監督のコメントは当たり前すぎるのですが、それは本当にそうだなと。

ただ、「ハーフコートでボールを支配し、攻め続けていることの裏返しとしてカウンターリスクを抱えている」というのは風間監督も口にしていました。

そのリスク管理を鬼木達監督は実現してきたのだと思います。

【その2】攻めをもっと強くすること

フロンターレの攻撃陣は技術もあり、結果ボール支配率も高い試合も多く、攻撃的と評価されます。

ただ、欧州リーグの試合を見ていると、そのスピードと精度は違うスポーツのようにも感じます。

欧州のサッカーの方が面白いというつもりはないですが、ひとつずつのプレーは欧州の方が魅せるものがあります。日本でもあのスピードとダイナミックなサッカーは見てみたいという気もします。

話は変わりますが、ハリルホジッチ日本代表監督も欧州リーグに参加する選手ばかりを起用するのも、そうした環境に目が慣れている、というところ(だけ)を重視しているのかなという気もするくらい、無策に感じもします。

そして、2017年シーズンを振り返ると、やはりフロンターレが苦手としたのは、ブロックを引いていたり、カウンター主体のチームにはてこずった、という事実です。

実際、フロンターレは対鹿島や浦和にはホーム、アウェーでは負けてはいません。

ところが、甲府やセレッソ大阪には試合内容も含めててこずった印象があります。

  • ブロックを敷いた相手をどう引きはがして、より多く得点をするか。
  • ハーフコートで攻め続けるリスク管理をどう行い失点を防ぐのか。

この2つをバランスをとりながら、勝ち点を重ねるというのがフロンターレのテーマだと言えます。

【その3】スタジアムを大きくすること

これはビジネスサイドの話かもしれませんが、スタジアムの収容人数が多ければ、設備投資はかさむものの、入場料は増えます。

フロンターレと浦和の違いはスタジアムのキャパシティとその入場料収入の差です。

フロンターレがアジアでのビッククラブを目指すのか、そうでないのかは知る由もないですし、それが良いのか悪いのかもわかりません。個人的には、レアルマドリードは無理としても、アトレティコマドリードというクラスにはなってほしいなと思います。

ただ、現在の2万5000人がほとんど最大値に近いとするならば、その倍くらいのキャパシティは欲しいところです。

ファンクラブの会員が3万人を超えて、キャパシティが2万5000人だと、やはりこれ以上ファンが増えると、「試合が見たくても見られない」という人も増えてくるでしょう。

そうすることで、良い選手を獲得する原資も手にすることができるでしょうし、いまのフロンターレならリスクをとっても良い局面ともいえます。

個人的には埼スタがどのように資金調達を行い、あのような立派なスタジアムを建設できたのかが知りたいところです。

【番外編】風間グランパスに要注意

去年までフロンターレの監督を務めた風間監督率いる名古屋が1年でJ1復帰を決めました。さすが!と思うとともに、怖さを覚えます。

トヨタ自動車が過半数超出資

ひとつは、トヨタ自動車の連結子会社というポジションを活かして、どの程度の資金量で選手補強をしてくるのか。

まあ、資金量といっても再び増資をして、というのではないでしょうから、フローの広告収入をベースにどこまでよい選手を引っ張ってこれるかということになるでしょう。

個人的には、日本のクラブチームで観客収入を除いて、もっとも資金調達力のあるグランパスに、技術をコアにした戦術を掲げる風間監督がグランパスで指揮を執っている意味を感じます。

風間監督による引き抜き

そして、もう一つの注目ポイントは、フロンターレの選手が引き抜かれることがあるのか。

フロンターレの中盤のかなめのネットの引き抜きの話などがすでに出ています。

また、元フロンターレで現東京の大久保選手が移籍しても非常に嫌なものがあります。

chuplus.jp

ちなみに上はグランパスの出資者である中日新聞の報道です。中日新聞は第2位の株主なんですね。トヨタ自動車の次がメディアというのも面白い構造だなと思います。

nagoya-grampus.jp

そして、以下がグランパスの出資者です。企業規模を考えても、非常に強力な布陣です。

トヨタ自動車(株)
アイシン精機(株)
(株)中日新聞社
愛知製鋼(株)
東海旅客鉄道(株)
(株)デンソー
中部電力(株)
(株)東海理化
(株)三菱東京UFJ銀行
トヨタ車体(株)
東邦ガス(株)
(株)ジェイテクト
(株)名古屋銀行
豊田合成(株)
名古屋鉄道(株)
(株)豊田自動織機
(株)ノリタケカンパニーリミテド
豊田通商(株)
(株)大丸松坂屋百貨店
トヨタ紡織(株)

nagoya-grampus.jp

これらは要注意です。

まとめにかえて

2017年は元旦から、一体どんな年になるのかと思いましたが、2018年はどんな年になるのか楽しみです。

どんな選手が入ってくるのか、ACLでタイトルをとれるのか、リーグで圧倒的に勝ち続けられるのか、そうした視点で試合を見続けていきたいです。

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大宮戦の前に紅白の餅を餅まきで手にできたこともその後の喜びを意味していたのかなと今では思います。

フロンターレ関係者の皆様、お疲れ様でした。

また、来年もどうぞよろしくお願いいたします。