千利休は日本を代表するシステムシンカーでありイノベーター
- 作者: 木村宗慎,ペン編集部
- 出版社/メーカー: 阪急コミュニケーションズ
- 発売日: 2009/11/05
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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日本人はシステム思考ができないとか、イノベーションが起こせないとかいろいろ言われます。
それは、、、どうなんでしょう。
「すみません、ここんとこしばらくできていなかった」
というのが、正確な表現でしょう。
千利休はその中でもシステム思考ができ、イノベーションをおこしたまぎれもない天才。
LCIである道具から、空間、建物、場での動作を含めたシステムをデザインしてます。
利休システムの完璧さゆえに、400年以上たっても誰も手をつけることができていません。
天才。
完全無欠な利休システムを引き継いだ家元のご苦労も伝わってきそうです。
なんせ、手が入れられないんで。
そう、まさにジョブズのiPhoneに手を入れられないのと一緒。
千利休はシステムシンカーであると同時にイノベーターでもありました。
利休は自分の好みの道具を生み出します。
しかし、それらは無から生み出したものではありません。
先輩の好みや使われていた道具の中から「取捨選択」をしています。
「利休フィルター」と「編集」の極めつけが我々が目にしている「茶の湯」
まさにシュンペーターがいうイノベーション、新結合。
日本の社会や企業がいろいろと苦労しているのは「取捨選択」ができていないから。
アイディアや資源がないわけではない。
そう、決められない。
利休は二畳という狭い空間で何をそぎ落として、何を残すかを考えつくした、、、
と、僭越ながらそう思います。
そのプロセスはトレードオフを含み、他がまねできず、最後に魂が宿ります。
(そう、このプロセスを西洋の人は戦略と呼んだりもします)
われわれも千利休と同じ日本人だから、利休レベルではなくともセンスはあると思うんです。
センスは。
肝要なのは「選択」を決めること。
時代が時代とはいえ、利休は商人であるのに切腹しています。
最後はこだわりと覚悟でしょうか。