テクノロジーは失業を生むのか?仕事はどこにいった?
- 作者: エリク・ブリニョルフソンMITスローンスクール経済学教授),アンドリュー・マカフィー(MITスローンスクール),村井章子
- 出版社/メーカー: 日経BP社
- 発売日: 2013/02/07
- メディア: 単行本
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経済学者の間でもこのお題に対しての意見は割れている。
著者は経済学者がテクノロジー革新速度の影響を過小評価していると批判している。
個人的な意見としては「短期的にはYes」だ。
テクノロジーが導入されることで雇用や人間の手作業が不要になった例などたくさんみてきた。
テクノロジーが別に悪意を持っているわけではない。
IT投資の最後は、導入するしないでどちらが付加価値をつけられるかということだけだ。
一方、「長期ではテクノロジーを導入する方がしないよりメリットが大きい」と信じているというのが実際。
新しいテクノロジーが導入されてユーザーや消費者が便利になったものも山ほどあるから。
自分の仕事がテクノロジーに浸食されないという立場であれば、便利になったことの方が多い。
本書『機械と競争』では著者の考えはこうだ。
「テクノロジーの革新のスピードが早くなりすぎて、人間が取り残されている」
ということは、
テクノロジーと人間の生産性の競争で、追い抜かれていったスキルのない人は仕事がなくなり、
そして、
その新しいテクノロジーを使いこなせるものだけが生き残る
ということか。
しかし、人間にも最近ポジティブな要因が出てきた。
そう、半導体の微細化がマージナルになってきたということ。
人間にも一息つけるということか。
いずれにせよ、テクノロジーは使いこなせないと幸せにはなれなさそうだ。
さて、日本の企業はこの事実をどう咀嚼するのだろうか。
新しいテクノロジーを導入することで、日本企業は雇用を考えなければならない。
一方、雇用に日本ほど配慮しなくても良い国もまたたくさんあるのが事実。
日本企業はそうした企業と競わなくてはならないし、新しい産業を生み出してもよいわけだ。
水が低い方に流れるのと同じように、仕事も人件費やコストの安い方に流れる。
これの流れにはあらがえない。
新しいテクノロジーを目前にして、雇用を理由に躊躇すれば他がはじめてしまうかもしれない。
つまりは新しいテクノロジーをどうしたいかというのは経営者や株主の考え方一つ。