稲垣栄洋「弱者の戦略」:動植物の世界の競争は人間と同じことが分かる
久しぶりに、考えさせる本だ。
動植物の生存競争、つまり戦略について示唆に富む。
著者も、企業もしくは戦略に興味があるので、読みやすい。
今、私たちのまわりにいるすべての生き物たちは、自然界を生き抜いているという点で、どれもが「成功者」である。
これは、最近特に実感する。存在していることだけで、すばらしい。
生物にとって、もっとも重要なことは何か。・・・生き残ることである。
すべてそうである。大きな会社になると、結構忘れがちになる。
「生き残った者が強い」
ベッケンバウワーがそう言ったらしい。
「強いものは単純に。弱いものは複雑に」これは勝負の鉄則なのである。
人間界の強いものも恣意的に複雑にする。アップルとか。これは手ごわい。
「ずらす」ことは、実に秀逸な戦略である。「ずらす」戦略は、じつに複雑である。・・・「ずらす」ためには、知恵と工夫が必要なのである。
ずらす。これはあらゆる点において、究極のテーマ。
すべての生物はオンリー1で、ナンバー1しか生きられない
でしょう。
「ずらす」ということは、他の生物がナンバー1になれない場所を探し、自分がナンバー1になる自分の居場所を「探す」ことである。
なるほど。
ニッチとはナンバー1になれる場所である。
他にもいろいろと有益な、示唆に富む本。