キヤノンを理解するにはこのペラペラの本がベスト

革新カンパニー キヤノンの挑戦と成功―創造・挑戦・改革に挑んだ経営者たちの物語 (創造挑戦改革に挑んだ経営者たちの物語)
- 作者: 清水武治
- 出版社/メーカー: 秀和システム
- 発売日: 2003/11
- メディア: 単行本
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キヤノンの歴史を知りたいなと思い立って、結果一番よかったのがこの本。
経営者、生い立ち、技術、特許の話が漏れなくカバーしてあります。
結論としては、キヤノンがここまで大きくなったのは偶然の産物だということ。
山路敬三元社長もセレンディピティという言葉がお気に入りなようですが、納得。
経営者の変遷も面白い。
キヤノンの前身の精機光学工業のトップ内田三郎氏は山一証券の株のアナリスト。
なぜ内田氏がキヤノンの社長にならなかったのか。
理由が、山下泰文大将がシンガポールを陥落させた後のサポートに回るためとある。
時代ですかね。
また、キヤノン初代社長の御手洗毅氏も医者。
「私に事業は分からない」と公言するほど。
カメラ事業を立ち上げたものの、レンズは日本光学(ニコン)に依存。
戦時中は日本光学も軍への供給に忙しくて、レンズを調達できないという次第。
今考えると恐ろしいくらい経営の建てつけ。
途中シンクロリーダー(なんじゃそれというような商品ですが)や電卓の失敗もあり。
やはりキヤノンの転機は複写機ですかね。
NP方式でゼロックスの特許をクリアーするというのが奇跡と言えば奇跡。
NP方式の技術が核としていたというのが一番です。
が、ゼロックスの執拗な特許にからむ嫌がらせを潜り抜けたのは執念。
それを考えるとゼロックスと組んでる富士写とは一体?
さて、カメラ、複写機、プリンターの次が出てこないといわれるキヤノン。
そろそろ次のネタがないと利益成長は難しそう。
半導体製造装置もちょっとこれから飛躍するのにもきびそう。
医療機器もいまいち。
みんなが毎日お仕事で一生懸命コピーしてくれている。
つまりコピー機はデータをタダで蓄積しているわけです。
データで吸い上げて管理してキヤノンライブラリとか言ってみるとか。
著作権とか個人情報の問題があって無理か。