ビックリマンとグリー。規制業種伝説の歴史は繰り返すか
ビックリマンチョコって76世代の私からすれば、小学生の時に爆発的人気を誇ったお菓子&おまけシールでした。チョコだけではなく、アイスなどにも展開していき、その後どのように一度収束していったのでしょうか。前から気にはなっていましたが、ビックリマンチョコのその後を調べてみました。
ヘッド欲しさに箱買いで残りはどぶに捨てる輩
ビックリマンシールのブーム時は小学生だったので大人の動きは気付きませんでした。
しかし、びっくりしたことに携帯のソーシャルゲームと同じ動きをたどっています。
子供の時の記憶とウィキペディアに力をかりてさかのぼってみましょう。
我々の記憶のあるビックリマンとは1985年に発売された「天使vs悪魔シール」シリーズ。
当時はヘッド欲しさに一箱をまとめて買って、シールだけとってチョコをどぶに捨てる輩がいました。
子供が買ってましたが、今でいう「大人買い」というやつでしょうか。
個人的には結構おいしいお菓子だとは思っていましたので、捨てるなんてなんともったいないことをと子供心に思ってました。
一方、お店では売る数に制限をつけて売り出す店もありました。
ヘッドのシールを売買する
ヘッドはレアなのでトレーディングする奴もいました。
単に交換するのではなく、金銭を伴うトレーディングです。
これが当時社会問題になったのでしょうか?
なんと1988年に公正取引委員会が勧告を出しているというのです。
これは知りませんでした。子供時代なので、さすがに大人の動きを知りませんでした。
ウィキペディアによるとその案が以下の3つ。
- シールの価格差をなくす:全シールの価格差(製造原価)を3円以内にする
- 種類ごとの混入率を一定にする:ヘッド・天使・悪魔・お守りを25%ずつ
- 特定のシールに価値の出るような広告をしない
子供の時はロッテがこんな自主規制をしたとは知りませんでした。
そもそも、ヘッドとお守りは製造原価で3円以上の価格差があったんですね。
結局ヘッドもこの自主規制でホログラムでなくなったようです。
こんなことをしていてはヘッドの価値も落ちるし、子供の射幸心も落ちるわけです。
SNSゲームとの類似性
さて、ちょっと前に問題になったカードバトル系のSNSゲーム。
ビックリマンと経緯が酷似していると思いませんか?
一部の「大人」が大人買いして、月に大金を使うユーザーが出現。
中には子供も混じっていて社会問題化。
月に何十万円も使える子供の比率が果たしてどれくらいいたかは知りませんが…。
規制がはいるということで、SNSゲーム会社も自主規制に動きます。
ここもビックリマンのロッテと同じ動きです。
SNSゲーム会社は自主規制でコンプガチャを含めて射幸心を上げないような仕組みに。
これもロッテと同じ。
SNS系カードゲームも「無料」の表示がどうのと消費者庁に注意されていました。
これも同じ。
小売店が買える箱の数を規制したりするのは月の最大課金が決まったのと似ています。
まあ、別の店に行けば買えるんですが、これはコンビニでプリペードを買えば遊べるのと一緒です。
これまた同じ。
ということでほとんどビックリマンとSNS系カードゲームは同じ経緯を踏んでます。
規制と自主規制でブームは収束
ビックリマンは自主規制により魅力を失いブームは終わります。
グリーの決算のトレンドと先日の日経の利益見通しを踏まえてみてみました。
利益曲線が緩やかなダウントレンドのカーブを描いています。
最近の減益トレンドは自主規制の「2次的影響」が出てきているのでしょうか。
実際は自主規制で引っかかる高ARPUの人の数はそれほど多くないでしょう。
ただ、プラットフォームや場というのはケチがつくことで価値が棄損します。
参加者が離れていくことが一番のリスクです。
「一度飽きられたらおしまいだ」
映画「ソーシャル・ネットワーク」でザッカーバーグもいってました。
いきなりは崩れませんが、じわじわ崩れます。
ビックリマンチョコの売上もいきなり減ったわけではないでしょう。
ビックリマンは海外に活路を求めることはできませんでした。
今は世界中がネットワークでつながっているというインフラの変化が最大の違いです。
ソーシャルに必要なきめ細かいメンテのサービスの質は日本独自のものです。
(まあ、現地にやらせてしまうでしょうが、デザインは日本の要素も入るでしょう)
世界中の人にリーチして娯楽を供給してほしいモノです。
娯楽はなくならないし、生活が豊かになれば娯楽は必然増えるものです。