歴史にみる、エンジニアと戦略コンサルがフリー・ランスになる時
同時に2冊の本を読んでいて面白いことを見つけました。
一冊は、三輪修三「工学の歴史」ちくま学芸文庫
今回は両方の要訳が中心ですが、おもしろいので取り上げてみます。
タイトルの通り、
「歴史に見る、エンジニアと戦略コンサルがフリー・ランスになる時」
ルネサンスの西欧のエンジニアや中国の戦略コンサルがフリーになる時は、戦争の時。
もともとエンジニアの語源は軍事技術者インゲニアトールからきています。
(開発された新技術をラテン語でインゲニウムといい、要塞建築士をインゲニアトールと呼ぶ)
戦争状態が起きる前は、エンジニアにはギルドがあり、技術の維持・伝承が管理されます。
また、組合ごとに倫理規定が創られ、社会的教養や倫理が要求されます。
ところが、ひとたび戦争になれば、倫理規定より新しい武器が重要です。
戦いが必要な王侯や新興市民は、ギルドに属さない自由なインゲニアトールが必要なのです。
こうして、ギルドに拘束されないインゲニアトールが誕生します。
一方、中国も春秋戦国時代、諸国家の興亡は激しく、主家を失った臣下、浪人が発生。
もともと支配構造が多元的で、諸国間を歩くフリー・ランサーが出現。
こうして出てきた失業インテリは、国家経営を専門とするコンサルになったという。
「『諸子百家』と呼ばれる人々は、このような文化的浪人、コンサルタントであった」
うーん、こうみると、今の証券業界も戦争状態なわけか。
一つだけ言えることは有事であるということと大きな変化の前ぶれだということ。
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