経営にFMECAやFTAを持ち込むことはできるのか
リスクマネジメントの必ずはじめに出てくるのはFMECAとFTA。
ちなみに、
FMECA = Failure Mode, Effect and Criticality Analysis
FTA = Fault Tree Analysis
これらは主にエンジニアリングにおいてプラントや宇宙システムの分析等が対象。
授業の講師も執筆者もエンジニアリング会社や化学プラントなどを扱う人が多く出てきます。
確かに(最近も時折ありますが)化学プラントが爆発すると被害が大きくなります。
そうならないためにもリスクを認識する必要な分析かというのは十分に理解できます。
しかし、これらはプラントだけではなく企業のマネジメントにも必要な手法だと思えてきます。
例えば、液晶パネルや半導体工場を考えてみましょう。
大規模な投資をしその損失や減損が巨額になる場合には企業の継続性に疑義がつくからです。
最近の液晶パネルや半導体工場への投資は4000から5000億円にまで及びます。
(まあ、先端の原発も同じ規模の投資がかかりますが)
これからしようとしている投資行動が最悪の場合に自社にどのような影響があるかを想定するのです。
FTAのように最悪のケースがどのような原因で起きるかを考えておくというのは必要でしょう。
(日本は原発はメルトダウンしないと想定したことがFTAが機能しなかった背景)
(FTAが機能しなかったわけではなく、そもそもの使い方を間違えていた!)
たとえば、企業であれば
「株式市場からもデットでも資金調達が困難」
という「好ましくない事象」をとりあげてFTAを作成してみるのです。
加えてHAZOPで「ずれ」を認識するように、計画と実際のずれを認識することも必要。
こうしてみると、日本の経営はまだまだやれることは多いはず。