泉田良輔のブログ

テクノロジーアナリストの100%私見

2013年の未来予想図:アベノミクスとリスクシナリオ

予想は外れるから予想なのですが、想定しておくということは大事です。

2013年向けにいくつか妄想してみます。

(本当にあたるのであれば、それは預言です!ここではあくまでも予想)

自民党の圧勝は維新の会が東京に出てきたころから潮目が変わったような気がします。

日本人の「空気」に流されやすさは前回の民主党を選んだ時と変わりません。

それでもそこが日本人のかわいらしいところではあります。

個人的には、「相変わらず議論ができない国民だなぁ」と思います。

一方多様性を受け入れ感受性が豊かという点は日本人でよかったなと真に思います。

さて、再登板の安倍さんです。

選挙後から金融政策、エネルギー問題などすでに持論を展開していました。

インタゲ発言や日銀が簡単に折れたように見えます。

既に為替はぐんぐん円安方向に誘導され、株価も上方トレンドに修正されています。

アナウンスメント効果は確かにあったという印象です。

この感じなんだか2002年から2003年にかけての「雰囲気」に似ています。

ただ、あの時と違うのは日中関係。国交正常化以来最悪ってみんながいっている通り。

2003年は中国という成長ファクターが隣り合っていてました。

日本は相当恩恵を受けたような気がします。

日立建機は2003年当時1000円ぐらいの株価がピークで5000円にまでなりました。

(ちなみに今は1700円超)

そう、あの時は中国があったんです。

日本経済(だけではなく世界中が)はリーマンショック後も中国に助けられました。

世界中の国が泣きながら公共投資を続けていました。

しかし中国はインフラ整備はまだまだこれからという感じでばんばん整備してました。

中国工場の自動化と言いながら工作機械はたくさん売れました。

まあ、単なる設備投資のなんです。

みんな自動化って言いたがるんですねぇ。

投資をするときにあえて古い機械を入れる人がいますか?!

人件費が上がったらベトナムに行くだけです。

中国の自動化を期待するのはどうかと。

農村の人を巨大なマンションに住まわせる政策もあったのでハウジングは好調でした。

中国のパワープレーで本当はサイクルなんだけどトレンドのようにも見えてました。

先進国のその財政の玉はすでに息絶え絶えでした。

米国には「崖」が存在したり、日本ももれなく増税が待っています。

リーマンショックは今は昔の存在になってしまいました。

大盤振る舞いしたつけが目の前に迫っているのはどの国も同じです。

中国も政権が変わる前で、投資がピタッととまって日本の製造業も元気がありません。

尖閣問題も足を引っ張りましたね。

今回は中国をどう見るかというのが重要になってきました。

投資全体が回復するのであれば当然ポジティブ。

ところが、何の投資が戻るかが重要です。

インフラの他、自動車、液晶、太陽光など国内産業を育成する目的の投資がされていました。

ところが、供給過剰なんでしょうね。

コモディティの市況はさえず、投資計画も実行されずに残ったままのものもあります。

そりゃ、公共投資とはいっても赤字を垂れ流す会社に投資をすることはないです。

うーん、また鉄道ですかねぇ。

さて、安倍さんは領土問題は存在しないとおっしゃっています。

議論は中国とは当然かみ合わないでしょう。

今回は製造業だけではなく、それ以外の業種にも明らかに関係のする緊急事態。

どうころんでもおかしくないというのは投資家からすると明らかにリスク。。

レアメタル、製造業の拠点、食糧、小売業も進出がすすみました。

2002-2003年と比べると中国の重要度が増しているのも事実。

まあ、現実を観るまで株価は夢を語っても許されます。

為替の恩恵をうける株を買っておくというのはありでしょう。

ただ、同じ輸出株でも2003年や2009年のとは違うんだろうなぁと。

ユーロエクスポージャーは相変わらず構造は変わってないし嫌だなぁと。

そうするとアメリカか!と思います。

ドルはどの会社も影響度合いはスクエアになってたりします。

ここで、うーんと唸ってしまう。

ただ、為売れるものがあるのかと聞かれると悩んでしまう。

いまさらテレビでもないし、ハウジングが少し戻ってんなとか。。。

やっぱり自動車かなんていうことを繰り返しやってみても答えが見つからない。

そうすると、結局ゲームはどうだとかいう結論に行き着いてしまいがち。

任天堂やソニー以外にもドメだったゲームも海外進出の時代ですから。

ただ、国内系は日本が既にサチッている状況なのです。

以前とは違うリスクを抱えているのは間違いない。

他には何かないのだろうか。

でも、円安になったら、国内の小売りはじわーっと値上げしてくるとも思ったりする。

だって、安倍さんデフレをやっつけるというから。

(実際は、1994年か95年からずーっとデフレなんですけどね。金融政策じゃ焼け石に水)

そうすると、円安なのに小売りがさりげなくアウトパフォームという状況だったりして。

でも、アパレルは中国リスクあるなぁ。向こうで作ってるし。

エネルギー問題も原発再稼働とかいう話になるんでしょうが、実際は1年は稼働は難しい。

なぜかというと30km圏内は危ないということになったからです。

各自治体の対応がまず必要だから。この手作業は今日や明日には終わらない。

加えて、敦賀や東通が断層の上だという議論があり、これはどうしようもない。

ほとんど建設の終わっている島根3号や工事が始まっている大間はどうするのか。

いつかの時点で工事が正式に認められるんでしょう。

しかし、それ以外の原発をどういうプロセス稼働させるかが問題。

電力株はどうかとも思ったりします。

ただ、ジェットコースターが好きな人はどうぞということになる。

ということで、業界構造が変わる面白い銘柄を探しましょうというオチになる。