泉田良輔のブログ

テクノロジーアナリストの100%私見

IDEOの本を読んでもデザイン思考がなんだかわからないという怪。デザイン思考が世界を変える

IDEOのティム・ブラウンの本が文庫本になっていたので早速購入。

(これまで協生館の図書館にあるぼろぼろのを何回か読んでいた)

 

まあ、あらためて読んでみると不思議なことに、デザイン思考の定義をしていないw

 

デザイン思考の定義でよく言われる、

「インスピレーション、アイディエーション、インプレメンテーション」

の3つのキーワードは、イノベーションが生まれる空間という表現だ。

 

じゃあ、この3つを繰り返すことをデザイン思考といっているのかといえば、違う。

決してデザイン思考の定義ではない。イノベーションを生み出すプロセスの話。

 

デザイン思考については、

「基本的に、デザイン思考は探求のプロセスだ」

といっているに過ぎない。

 

また、こうもいっている。

「デザイン思考家はプロセスを進める『唯一の最善策』などないことを知っている」

なに?!

あっち行ったり来たりするのはわかるけど、それで何が出てくるのか知らん。

ということをいっているに近い。

(おそろしい。ティム・ブラウンは稀代の「何とか師」のようだ)

 

シマノの例が出てくるが、これが冒頭というのが面白い。

シマノはご存じのように自転車部品メーカー。

その部品メーカーがライフスタイルを再定義して、成功したという例だ。

これは日本のデバイスメーカーにはいくつかヒントがあるのではないだろうか。

(これはいくつかインスピレーションをいただいた。)

 

皮肉にも本書でインテルノキアを褒めている。

業積や将来の戦略に疑問符をつけられている2社である。

アナリスト視点では、IDEOもうまくいった企業に乗っかっているだけじゃなんて。

まあ、ブレストは「他人のアイデアにのっかれ」というぐらいだから。

 

いろいろ実験して新しいアイデアを生みだして結果が残れば、それをデザイン思考という。

なんとも深みのない話。