泉田良輔の考えたこと

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追加金融緩和+安倍政権で景気敏感株は買いか?

野田首相と安倍自民党総裁の党首討論をネットで全部見た。

議論がかみ合うかや内容はともかく話は二人とも上手だ。さすが二人とも首相経験者。

仮に民主が負け第三極もインパクトに欠け安倍政権が誕生したケースを考えてみる。

(これは自民党が敵失を最大限利用したとする前提だが)

一番の問題は領土問題であろう。

安倍さんはタカ派で現在抱えている尖閣竹島問題をどうこなすかというのが問題。

政権が変わることで領土問題を尖閣を国有化した以前にまで巻き戻すことはできるのか?

(911に尖閣諸島は国有化を示してしまってはいるが)

しかし、そこは安倍さんなので中国に対しては強く出ることが容易に予想される。

こうしたシナリオであれば冷え込んだ日中関係は冷え込んだまま。

日本企業のビジネスは大きな回復は難しく、中国でのビジネスそのものの再考を迫られる。

実はリーマンショック後、日本企業が何とかやってこれたのも中国があったからだ。

あの瞬間に中国という国が存在していなかったら、景気はもっと冷え込んでいただろう。

消費者向けビジネスはともかく、産業向けビジネスはほとんどが救われた。

世界中がクレジットクランチに陥った瞬間に公共事業を含め積極的な設備投資を行ったからだ。

中国はインフラ投資だけではなく、国内の産業を育成すべく設備を増やし技術を買った。

自動車産業は生産キャパシティを増やすためにロボットや工作機械を買った。

液晶や太陽光パネル産業も同じように技術移転をし工場を増やしてきた。

「中国の生産自動化が進んできている」という議論があったが、あれは表現が正しくない。

「生産キャパシティを増やす時に買ってきた生産設備が自動化に対応していた」が真実。

つまり日本の製造業が歩んできたように人手の部分が機械に置きかえたというのでない。

「人手不足だから自動化が進んだ」というのも表現として正しくない。

正しくは「生産キャパシティを確保するには機械を買ってきた方が早かった」というだけ。

中国の自動化は人から機械へのトレンドではなく、設備投資のサイクルに乗っただけ。

日本の機械メーカーが今苦しんでいるのは中国の設備投資が滞っているからだ。

自動車、液晶、太陽光への投資をあの規模で3年以上にわたり続けてきただけでもすごい。

しかし、ここからあると思い込んでいた自動化の流れを期待するのは当分難しいだろう。

蛇足だが、ファナックが中国の自動化の恩恵を受けているという表現も正しくない。

正確には

「アップルの精度の高いアルミの加工というデザインがファナックを必要としている」

「設備投資が増えることで工作機械に使われる最新のCNCが好調だ」

というのが正しい。

アップルのiPhoneiPadを見てもらえれば分かるが、あれは一台ずつ加工している。

一台を削るのに時間がかかるので、ホンハイは大量に発注したのだ。

ファナックの工作機械のニーズはアップルのデザインによる顧客理由によるものだ。

中国の製造が人から機械に自動化しているからではない。

(あんな精密な加工は人手で大量生産は無理)

アップルが売れなくなれば、あの加工はいらないし、サムスンは別のデザインだ。

話を元に戻す。

野田首相も石原元都知事に振り回された訳だが、安倍さんで尖閣問題が改善するとは思えない。

日銀の追加金融緩和期待で景気敏感や為替敏感株が足元上昇している。

しかし日中関係が改善し中国の設備投資が再度増えなければ「だまし」の気がしてならない。