泉田良輔の考えたこと

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私にとって佐々木則夫氏といえばなでしこジャパンの監督ではなく東芝の社長なんです

インテリジェンスでは一次情報というのは超重要です。

それは書き手が菅直人元首相であっても変わりません。

東電福島原発事故 総理大臣として考えたこと (幻冬舎新書)を読んでいて思い出したことがありました。

それは東芝は311の地震直後からエンジニアはスタンバイしていたという内容の記事。

こういうときは大学の図書館は便利です。

早速書庫をかき分け思いつく限りの雑誌をめくってみました。

見つけました。

私の記憶にあった記事は週刊ダイヤモンドの2011年4月2日号にありました。

東芝は2009年に原子力の技術を研究する磯子エンジニアリングセンター新棟を完成。

磯子エンジニアリングセンターと福島第一原発とはホットラインで結ばれていました。

磯子では地震後も衛星通信で正確な情報を得られる状況だったようです。

また、東芝は日立のプラントにも対応できる準備をしていたようです。

なぜ東芝が日立のプラントの対応準備もしていたか?

東芝は日立は震災で日立工場が被災しその対応に追われ動きにくいことも考慮していました。

しかし最も重要なのは日立の4号機は使用済み核燃料プールが備わっているからです。

使用済み核燃料プールは建屋に覆われているだけです。

プールの冷却ができなくなれば、圧力容器に入っている燃料よりも圧倒的に危険です。

記事からは東芝はこうした想定のもとにスタンバイしていたことが分かります。

ところが東芝の佐々木則夫社長が官邸に呼ばれたのは3月13日の午前11時過ぎ。

震災だけでなく津波が押し寄せてきてからも2日が過ぎようとしています。

佐々木社長を呼んだ経緯がまたいまいちイケていません

人間不信になった後、東工大の同窓生で作ったセカンドオピニオンチームからの助言。

「原子炉については製造したメーカーの方が詳しいのではないか」というコメント。

そりゃそうだろ…と思うのですが、菅首相にはこんな気付きもなかったんですね。

おまけにびっくりするセリフがこれ。

「佐々木社長は原子力の専門家だという。」

これを12日の夜にセカンドオピニオンチームに言われて気がついたそうです。

私でもその事実は事故前から知っています。

菅さんの周りには東芝の社長が原子力出身と教えてくれる人はいなかったのでしょうか。

少なくともMETIは言うべきでしょう。

また、菅さんは小学生のような無邪気さも併せ持っています。

菅さんは電力会社は原発は「ターンキー」だから詳しいことが分からないと。

覚えたての言葉がうれしかったんでしょうね。しっかり使ってます。

でも菅さんはまだ知らないんですね。

「フルターンキー」という恐ろしい言葉があることを。

東電は鍵の回し方すら教えてもらっていたらどうなんでしょうかね。

吉田所長みたいな方もいらっしゃるのでそこまでではないと思いますが。

東芝も進言して対応策を東電や官邸に言えばいいのにと記事をみた時思ったものです。

ただ、記事にはこうもあります。

「東電の本店の廊下にもいた。しかし部屋にも入れてもらえなかった。」

この瞬間はまだ東芝にとっては東電は大事なお客さんだったんですかね。

さて、菅さんは東芝の佐々木社長には好印象だったようです。

返答が東電本店や保安院とは違い「テキパキ」していたと書いています。

そりゃ器が違います。

東芝の投入がもう少し早ければと改めて思いました。