泉田良輔の考えたこと

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日本のエネルギー政策の現実解

2030年代に原発比率をゼロにするしないでもめている。

原発をどうしたいかはユーザーが決めるべき内容なので大いに議論すればよいと思う。

ただ、一番問題なのは2030年までにエネルギー調達リスクを抱えていることである。

311までは原発の発電比率は26%程度であった(2011年度、震災直後の影響含む)。

現在は大飯の3・4号が動いているとは言え、全体への貢献度合いは1%程度である。

全体の需要が変わらない前提で考えるならば、25%は化石燃料を焚き増している。

この状況を果たしてサステイナブルな状況といえるだろうか。

震災後に対応したこともあり、発電効率の低い火力発電所の焚き増し等も含んでいる。

中期的に高効率ガスタービン発電機に交換していけばよいとの意見もある。

確かに最新鋭のコンバインドサイクルのガスタービンは熱効率は非常によい。

設備として技術的な問題ない。

しかし、LNGの価格と調達に問題が残る。

そもそも、日本はLNGを各地域のLNGの値段と比べ、プレミアムをつけて買っている。

そのプレミアムは5倍とも6倍とも言われている。

理由は日本がLNGの調達価格を石油価格に相関させるような調達契約をしたためだ。

しかし、世界では採掘の技術革新によりシェールガスが新たに熱源として確保された。

結果、LNGの値段が下がったのだ。

日本は石油価格が大きく下がらない中で、契約形態が災いして高い値段で買っている。

また、調達に問題点が。

LNGタンカーに限りがあるのと、東京湾や大阪湾に入港できる船籍の数も制約がある。

足りないものをどんどん輸入しろというのはバリューチェーンを無視し過ぎだ。

LNGタンカーはLNGを高圧下で低温で貯蔵できる船だ。

そんな簡単にできやしないし、商船三井が世界の25%程度抑えていたはずだ。

日本の震災後の現状考えると、短期間に割り振りを増やすというのも難しいだろう。

こういった背景があるのか、先日の日経には石炭火力の環境アセスを緩める記事が。

この石炭火力の議論もLNGと燃料を輸入するという面ではさして変わらない。

石炭ガス化とかも実証実験プラント(若松や勿来)はあるが、商業用はどうだろう。

まあ、場当たり的な対応ということだろう。

日本は原発はご存知のように24時間稼働させるベース電源として起動させてきた。

今はこのベース電源の主であった電源が失われている状況だ。

日本の本当の課題は、原発に代わるベース電源をどうするかである。

ベース電源として現在使われているのは、地熱発電と流れ込み式水力である。

再生可能エネルギーで太陽光や風力がもてはやされるが、今必要なのはベース電源だ。

残念ながら太陽光や風力はベース電源にはならない。

経産省は地熱と流れ込み式水力(中小水力)のサポートにもっと回るべきだ。

8月に経産省によって開示されたデータでは、その2方式は電源開発は進んでいない。

個人的には、原発問題は電力会社が9電力にわかれていることが主因だと思う。

電力の鬼「松永耳庵」が日本発送電の設備を当時の配電会社に割り振った為だ。

結果、各地方に1社置かれ、全国で9つも電力会社ができた。

当時はそのプロセスが一番効率的だったかもしれない。

しかし、現状では制度としてシステムとしてベストかというと怪しい。

9電力は電源構成の中で各社が原発を持たなくてはいけないような環境になった。

必然、地震が起きそうなサイトにも無理をして原発をおくことになるのである。

日本は50・60ヘルツで周波数帯域が分かれている為、究極2つ電力管轄があれば良い。

各帯域でもっとも安全なサイトに原発を集約すれば、それが一番安全で効率的だ。

最近工事が再開された大間もそういったロジックがあれば国民も納得するはずだ。

廃炉プロセスや除染費用に数兆円というオーダーで予算が組まれている。

その金があれば、非効率といわれている再生可能エネルギーのキャパも相当打てる。

しかも、化石燃料を買うために、富が海外に流出することもない。

少なくとも、国には初期投資とランニングコストは分けて考えてほしい。