川崎フロンターレが優勝できない3つの理由-風間監督退任と大久保嘉人選手毒舌の理由を考える
2016年11月23日のJリーグCSでの対鹿島アントラーズ戦での川崎フロンターレ敗戦の悔しさを忘れないためにも書いておこうと思います。ほとんどの人にとっては川崎Fの敗戦などは関係がない話でしょう。
ただ、こういう記録も場合によっては必要でしょう。あえてネガティブになる必要もないという意見もありますが、振り返りはあってもよいでしょう。未来は何もしなくても続いていきます。ならば何かをアクションを取る方がいいかと。
そもそも風間サッカーの要求レベルが高過ぎた
風間サッカーはJリーグを世界レベルに近づけるためにあえて高い質を要求したと私は考えています。
「サッカーは攻めてなんぼだろ!」とサッカーに特に興味がない人は考えるかもしれません。
ただ、Jリーグ歴代の優勝回数の多いチームは風間八宏監督の言葉を借りれば「ボールを取りたがるサッカー」です。
つまり、攻める相手のミスを待つ、そこを突くカウンター主体のサッカーということです。
風間サッカーはそうしたJリーグ、ひいては日本サッカーに対するカウンター・アーギュメントだったわけです。
世界のトップクラブのスタイルを見れば、いかに攻撃するかという点に力点が置かれています。
「メッシ、スアレス、ネイマールがいればそりゃ必然攻撃的になるだろう」というツッコミはあるにせよ、日本人の選手、そしてクラブチームにもその目線を持ち込んだのです。
ただし、その風間サッカーは個人選手の「止める、蹴る、外す」といった技術レベル、ゲーム展開を先読みする「目」を求めるもので、トレーニングして獲得できる部分(テクニカル)ともともとのセンス(アート)によって構成されるものです。その求める組み合わせレベルに達しない選手も多かったのではないでしょうか。
風間サッカーは個人の質に求める部分が大きいので、当然ながら見るものにわかりやすく、結果が出れば多くの人を魅了します。
風間監督が「勝つだけでは試合を見に来てくれないので、楽しいサッカーをしたい」といろいろなところで発言していることからもそこを意識していることはよくわかります。
サッカーも一つのエンターテイメントとして裾野を拡げようとすると、勝つだけのサッカーではダメで、「プラス何か」を考え抜いた監督業としての一つの答えだと思います。
ただ、このサッカーは各個人の選手の質に依存するシステムです。個のコンディション、出場の有無、プレーの質が堕ちれば全体への影響は大きなものとなります。
そこはフォーメーションに付加価値を持たせているチームとは大きく異なります。
大久保嘉人選手が2016年に入って盛んに言っていた「怖いプレーをする選手が少ない。トップとボランチの間が空きすぎる」というようにゴールキーパーやボランチからビルドアップする過程でのトップ下&FWへのトライが魅力的なものが少なかったことは熟考に値すると思います。
結局、昨日の鹿島戦は「フォーメーションに強みを持たせ、相手選手のミスを突くサッカー」を実直に守った鹿島の「哲学勝ち」という印象を受けました。
前回の鹿島ホームでの鹿島戦のように落ち着かない試合展開は見ていても伝わってきたわけです。
川崎Fには試合を決定づける選手層が薄い
昨日の試合、先発メンバー(スタメン)を見てもらえれば分かると思いますが、中村憲剛選手、小林悠選手、大島僚太選手の名前が入っていません。理由は怪我です。これは仕方ありません。
いずれの選手も唯一無二の選手ばかりで簡単に替えがきくというわけにはいかないでしょう。問題はそこなのです。
先にも述べた通り、風間サッカーはフォーメーションではなく、個の能力に依存するサッカーです。
フォーメーションを支える選手というよりかは、怪我などのアクシデントはある一定の確率で起きると考えれば、テクニカルとアートの両面を備えた、そもそも数が少ない有能な選手が数多くいるサッカーとなるわけです。
つまり、風間サッカーで理想に近いより強いチームを作ろうと思えば、有能な選手を引き付ける資金力が必要です。そして、資金があればあればよりその理想を実現できる可能性が高くなるわけです。
風間監督がなぜJ2に落ちた名古屋グランパスの監督を引き受けるのかがこれで理解できると思います。名古屋グランパスはトヨタ自動車が50.12%を保有する連結子会社です。*1
名古屋グランパスはJ2に落ちた以上はJ1に上がろうとするでしょうし、そのためには資金を投じるという選択肢は十分にあり得ます。それは風間監督が理想のサッカーを実現するためには目線が一致したのではないでしょうか。
そしてその資金規模も一部でいわれているように豊田章男氏が出資やサポートを見直さないとなという雰囲気ではなく、むしろ川崎Fよりもはるかに大きいのでは、と勘繰りたくもなります。
川崎Fサポーターが優しすぎる
これは子供も本当に安心してサッカーを楽しめるし、選手とサポーターとの距離が近くてサッカーをより好きになるきっかけがあっていいところだと思います。
ただ、勝利という目的を前にすれば、選手とサポーターの緊張感も重要かと思います。川崎Fにはそこが欠けているのかなと。ただ、他のチームを見るとバランスをとるのは難しそうですが…。
サッカーに限らず、前に進むためには、批判も必要です。
もしかしたら大久保嘉人選手の2016年中盤以降の川崎Fへの批判もサポーターそしてメディアが言わないからあえて言ったのでは?とも思いたくなります。
また、CSや天皇杯前に出てきた移籍情報は勝利を目指すチームには不必要です。そこはマネジメントが選手及びその代理人をしっかりと管理すべきです。
そこももっと周りが言うべき点かと思います。「しっかり情報を管理しろ」とサポーターもいうところがあってもいいと思います。
これは今後を考えても「優勝に不慣れだから仕方がない」では済まされないと思います。
まとめ
ということで、悔しさがおさまらないので書き残しました。川崎Fの資金力など来年改善することもないでしょうが、川崎Fが目指しているもの-リーグ優勝でも天皇杯でも何でもいい-とそれを支えるために必要なエッセンスをまとめてみました。
駄文、失礼。
2016年11月23日の午前6時30分@等々力競技場。
入場順番待ち。
孫のために同じく順番待ちをしているシーチケホルダーの見知らぬおばさまとも川崎Fサポとしておしゃべりができる、そんな川崎Fが大好きです。
来年も選手がだれであれ、がっつり応援しに行きます。