川崎フロンターレGKの新井章太選手の魅力とは
川崎フロンターレGKの新井章太選手の魅力は何といっても明るさとレジリエンス力。
2016年は韓国代表のチョン・ソンリョン選手がフロンターレに加入し、ベンチを温めることが多い。
ただ、ソンリョンが代表に選出されてチームから離れたり、怪我をしたときにやはり新井選手が準備してくれているかどうかは結果としてやはり重要だったというのが多くのサポーターが感じていることだろう。【2016年10月30日更新】
「神ってる」セーブの新井章太選手
結論としては、鹿嶋(茨城県立カシマスタジアム)まで行った甲斐がありました。
ただし、前半から川崎フロンターレの攻守はちぐはぐで、見ている方からすると質的に「ちょっと、ちょっと」と突っ込みたくなる内容ばかり。子供にもやじられる始末。再三自分たちのミスから決定的なピンチを招くという展開。
寒いからか(これは鹿島も同じはず)、なんかの緊張からか足にボールがついていない感じによるミスが多い、全体として我慢の展開でした。
ただ、新井章太選手の神がかり的なセーブというよりは精神の安定がもたらすともいえる落ち着いたセーブにより、再び完封勝利。決定的な場面でも最後までじれずに動かない姿勢は、神がかりというより日頃の練習の成果のように見えます。
相手を最後まで見据えて飛びつかない自信のあるGKぷりは頼もしい!
試合終了後、クルマで帰路に就こうとしますが、大渋滞。北浦を渡るのに実に2時間。
でも行った甲斐ありました。
新井章太選手は無事復帰!きっちり抑えた10月22日対広島戦
2016年2ndステージの第15節、対サンフレッチェ広島戦。先日の横浜Fマリノス戦で負傷しての復帰戦。待ってました。
前半はGK前のDFのボールさばきの危うさ、中盤でセカンドボールがなかなか拾えない。またサンフレッチェの高い位置でのプレッシャーからMF陣がDFラインまで下がらざるを得ない展開。結果、何度もピンチがありましたが、新井選手ががっちり抑えてくれました。
後半も、ゴール前での処理も丁寧にさばいてくれた結果、完封。短い時間で、またきっちりともどってこれたというのはまたしてもレジリエンス力。
ちなみに塩谷選手のFKには物言いがついています…。反対側のゴール側だったので見えず。*1
フロンターレの魅力は「等々力劇場」だけではない
川崎フロンターレの魅力を「等々力劇場」と呼ぶことは多い。ただし、それは正味90分の試合についてである。実はその「等々力劇場」を面白くさせるもっと長編のストーリーが裏で展開されているのではないかと最近よく考える。それは何といっても各選手のレジリエンスではないかと思う。
大久保嘉人選手もJリーグで3年連続得点王という偉業を成し遂げてきたわけだが、フロンターレに移籍する直前のヴィッセル神戸ではフロンターレ加入後に見せた得点力を示してきたわけではない。求められる役割がMF寄りだったというのもあるが、フロンターレに加入後に誰が3年連続得点王になると予想したであろうか。
大久保選手は2016年は自分の得点にこだわるというよりもチームとして自分がどう活かせるかという点に意識がいっているように思う。ただ、個人的には大久保選手の得点シーンが見たいし、それが一番チームが勝つ可能性が高いと思う。それだけではダメだという危機意識が大久保選手はより強くなっているのだと思うが。
大塚翔平選手のレジリエンスも然り。ボール扱いが抜群にうまい選手であることには以前から変わりはないが、フロンターレでのパスをつないでボールを支配し、相手の動きの逆を取るというサッカーにしっかりはまった。トライアウトを受けて加入したとは思いえない活躍ぶりだ。
大塚選手には、個人的にはパサーやくさびを入れる役割だけではなく、前を向いてシュートを決める挑戦をもっと積極的にしてほしいなと。
新井章太選手のレジリエンス
そして、フロンターレの選手のレジリエンスを語る上で外せないのがGKの新井章太選手。ヴェルディ後にトライアウトを受け、フロンターレに加入。2015年シーズンには正ゴールキーパーの座を獲得するが、2016年には再びベンチを温めることが多くなる。
普通の選手であれば、せっかく正GKのポジションを獲得したのに、外部から新たに獲得されたのではやってられないと「腐る」のが普通だ。ただ、そこは新井選手の場合には違ったよう。
俺、一生、腐らないですね*2
大久保選手と練習することも多く、「日本で一番うまい選手と練習しているのでうまくなるのは当然でしょう」という説明は妙に納得してしまう。そしてそれが真実なのだろう。
アクシデント
2016年9月25日はソンリョンが怪我ということで、新井選手がリーグ戦でスタメン。
多くのサポーターはカップ戦での新井選手の動きを見ていたので、おそらくはいよいよ来た!という気持ちと2015年シーズンと比べると試合数の少なさを考えると不安に思っていたかと思う。
いざ試合が始まってみると、新井選手の安定した守備、そして攻撃陣が着実に点数を積み重ねたことで多くのサポーターは今日の試合は大丈夫と安心して見れていたと思う。
ところが、守備中のアクシデントとその後のGK交代劇。そして90分での2失点。最後は小林悠選手の決勝弾。忘れられない試合となった。
守備中に谷口彰悟選手との接触で脳震盪
「なんでマリノスと試合してんの?」
試合中、新井の言動の異変に気づいた田坂がドクターに伝え、新井が担架に乗せられてピッチを退き、高木駿がピッチに入った。*3
田坂選手が気づいたのか…。接触後からしばらくプレーしていたと思う。本当によく立っていたかと思う。本来はもっと早い段階で交代しているべき状況だったということだ。
新井選手をはやくフィールドで見たい
怪我で出場ができな選手は新井選手ばかりではない。満身創痍のフロンターレ。MFの田坂祐介選手が3バックの一角に入っている状態だ。ただ、GKは特殊なポジションで出場数はおかれている立場によって大きく異なる。
新井選手の復帰がチームの守備の安定力には欠かせない。CSまで含めると優勝するまでにはまだ数試合、天皇杯も残っている。本当に早く回復してほしい。
多摩川エコラシコで新井選手が子供に優しく話し続けてきてくれたことをおそらく一生忘れない。
個人とチームのレジリエンス
最近、負けてはいけない試合で負けがあるが、これもCSを面白くするための演出と勝手に前向きにとらえて騒がずじっくり待つことに。これもチームのレジリエンスが問われることになると。
そう、「等々力劇場」には個人とチームのレジリエンスがいつも存在している。すごいやつがいつもすごい結果を残すという事実よりも、くじけても継続して続けることで最後にすごい結果をもたらすというストーリーに多くの人を引き付けているのではと思う。