泉田良輔のブログ

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川崎フロンターレ・風間八宏監督と湘南ベルマーレ・チョウ・キジェ監督のコメントが面白い

2016年7月30日のJリーグ2ndステージの湘南ベルマーレ vs 川崎フロンターレを観ての感想と両監督のコメントが文学的にも面白い件。

点数的にはもっと差を広げることができた展開

ボール展開を見ていると0-3となった時点でも、フロンターレからすれば決して安心してみられるというでもなく、点数さほどの安定感はなかったように感じます。

ただ、チャンスをしっかりと3回ものにしたという点でフロンターレが逃げ切ったという印象で、正直首位を走っているチームと降格の可能性もあるチームの試合という感じはしませんでした。というより、後半のしばらくの時間は一方的に撃ち込まれている時間帯が続きました。

結果的に2-3で終了ですが、試合後はどっと疲れが残りました。

大久保嘉人選手が試合後にサポーターにあいさつをした後、なんいやら非常に不満げに下がっていったのが印象的でした。正直まだ試合巧者といえるような王者の風格はない、と大久保選手も反省しきりという印象を持ちました。

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監督のコメントから試合を振り返る

さて、いつものように試合後の監督のコメントから戦術の計画と実際を振り返ってみたいと思います。

最終的には厳しい試合になってしまったのですが、やはり、クオリティーのところを考えれば、6-0にもなったゲームだと思いますし、3-3に追い付かれてもおかしくなかったゲームだったと思います。*1

このコメントの通り、3点をリードした時点で試合展開が粗いなと感じたのは私だけではなかったようです。

日頃、全ての選手には練習で想定する試合の基準を高くしてくれと言っていますけど、そこにまだ、多少、途中から出てきた選手も含めてばらつきがあるなと。非常にもったいない失点ですし、チャンスがあるのですけど、チャンスにできない。そこのところの質がもったいなかったなと。*2

このように選手のプレーの質についてのダメ出しです。

もっとしたたかにならないといけないな、という3-0なので。そこは本当に、選手は勉強になったと。あるいは、勉強にしてほしいなと思います。 *3

試合としては勝ってはいるのですが、勝ち切れていない、ずるがしこく試合展開ができないという反省です。

一方、湘南ベルマーレのチョウ監督のコメントがさわやかすぎるので紹介しておきます。

前を向く、ポジティブにやるなんていうのは、人に言われてやることじゃなくて、自分自身がオギャーって泣いて生まれた時から、おそらくそういうふうに、いろいろな人から教わって、いろいろな人に支えられて今まで来たつもりだし、湘南ベルマーレというチームを少しでも、どんなことがあっても前に進めようというふうに自分ではしてきたつもりです。*4

本当にそう思います。モチベーションがないという人は、おそらくはじめからその熱量がちいさいのだと思います。

J1の監督になれるのは18名、J2、J3を合わせても100はいない中で、こういう恵まれたというか、毎日刺激的な仕事をさせてもらっているのは、Jリーグやこの湘南、サポーターの皆さんに感謝しなきゃいけないですけど、自分が成長して選手の良さを引き出すために、あと何をすればいいのかなというふうに正直思っているし、でもそんなことじゃダメだというのも分かっているんだけど、でも、あえて正直な気持ちを言うと、皆さんにどう取られるか分からないけど、そんな気持ちでいます。*5

自分の立場が極めてレアであることを再確認するというコメントなのですが、これも本当にそう思います。職業が何であれ、周りを見渡してみたと時に、誰でもできることではない仕事ができるポジションにいるのにその意味を理解しきれていない人がいます。自分の近くにそうした人を見ると本当にもったいないなと思いますが、当の本人は気づいていない可能性が高い。

湘南ベルマーレも現在の順位は来年を考えれば危機意識を持たざるを得ないですが、それでもJ1で戦って結果を残しているという点ではチョウ監督の言う通りです。

まとめ

試合が終わってシャトルバス待ちでおおよそ30分待って、平塚駅まで更に20分程度かかり、その後さらに電車に揺られぐったりして帰ってきましたが、両監督のコメントを見て、なんだか次も頑張ろうという気になってきました。サッカーとは不思議なスポーツです。