イノベーションってとってもさみしい話ということがわかる本:ブラッド・ストーン「ジェフ・ベゾス 果てなき野望」
アマゾンを理解するにはこれで大丈夫という1冊。
いやー、すごい本。大部ですが、お薦め。
日本にイノベーションを求める声は多いが、これを読むと本当にがっかりする。
ジョブズにしてもベゾスにしても決して生い立ちは一般の家庭のストーリーではない。
家庭環境も複雑だし、そのバックグラウンドを起爆剤にしているように見える。
二人ともそもそもあきらかにパラノイアだし。
この本も従業員を怒鳴りまくっている話しか出てこない。
イノベーションを生み出すために教育を変えろという声は多いが、的を得ていない。
たぶん、イノベーションと引き換えにするものはもっとさみしいはずだ。
たとえば、
国中離婚だらけで家庭環境がぐっちゃぐちゃで、子供がそこから這い上がってくるストーリーとか。
それって、国としてどうなのかと思ってしまう。
ただ、アメリカみたいに割り切った国が1つでもあると、他も競争上巻き込まれる。
否が応でもお相手をしなければならないし、下手をすればやられる。
企業であれば、存亡の危機にまで追い込まれる。
経営は経営者同士の知恵比べだから、ソニーもパナソニックもパラノイアに負けたといえる。
まあ、確かにやられる前に仕掛けろということもあるが、決心がいる話だ。
兎にも角にもイノベーションの裏には残酷さがつきまとう。
その残酷さを受け入れて乗り越えられる人しか口にしてはいけないのがイノベーション。
日本人は簡単に口にしすぎだな。