タイトルの獲り方が分かった川崎フロンターレ。常勝チームになるために必要な3つのこと
川崎フロンターレ(川崎F)、2017年で悲願のタイトルを初めて獲得!
フロンターレ関係者がおそらくはほとんどが望んだリーグ優勝。
うれしさのあまり、この出来事はもったいないのでソーシャル等に簡単に投稿などもせずに、うれしさに浸っておりました。選手達がテレビ番組に出演をするのを見て、ようやく落ち着きました。2017年も12月に入りました。今年の観戦も含めて、今年を振り返っていきたいと思います。
タイトルの獲り方が分からない
ACLで浦和レッズに敗れた後、やや落ち込んだものの、「まあルヴァン杯は獲れるだろう」と多くのフロンターレサポーター(フロサポ)はタカをくくっていたことでしょう。
ところがふたを開けてみればセレッソ大阪にまさかの敗戦。直前のリーグ戦のホームゲームではセレッソに大勝していただけに、その落ち込みっぷりは思い出しても半端ないものでした。
「タイトルの獲り方が分からない」
セレッソ戦後は本当にそう思いました。
ただ今では、「常勝軍団」などというのはなく、「常勝をどう目指すか」ということしかないのかなと思うようになりました。これは一つの大きな気づきです。
2017年は元旦から落胆
2016年のチャンピオンズシップ(CS)では11月の準決勝でホーム等々力で鹿島に敗戦。勝ち点では72と首位の浦和の74との僅差で2位となっていましたが、結果はまたしてもタイトル獲得を逃したという喪失感を抱えたままでした。
そして迎えた2017年元旦。
天皇杯決勝。
場所は大阪の吹田スタジアム。
はじめて見た太陽の塔だったので記念撮影。
相手はまたもや鹿島アントラーズ。
雪辱を晴らすべく、元旦当日に大阪まで新幹線で出かけます。
はじめての吹田スタジアム。
吹田スタジアムはピッチまでが近いなと感じながらも、席の幅が狭く窮屈だなと。
ただ、「今日は優勝するから我慢」と思い直し、試合を迎えます。
ハーフタイム中に食べようと思っていたたこ焼きも、まさかの「1時間待ち」。
試合が終わるやないか、と突っ込みつつも、勝って追われたら最高の1年が始まると言い聞かせ、我慢を続けた元旦。
結果は延長戦の末、敗戦。
風間八宏監督体制の最後の試合。
また、タイトルを逃したと喪失感。
新年早々、いやなスタートだなと正直思いました。
リーグ優勝はなくてもアジアチャンピオンならと思ったのだが
2017年のリーグ戦は序盤はエウソンや家長昭博選手が怪我で戦力として機能しなかった時期がしばらく続きました。
前半だけを見ると、負けはしないものの、大きく勝ち点を積み上げるという展開ではありませんでした。リーグ優勝は厳しいかなと思ったフロサポも多かったのではないでしょうか。
ただ、ACLの予選は厳しい戦いが続きましたが、リーグ戦同様に「勝てないけど、負けない」という状況を続け、結果は予選も突破。
そして勝ち進む中で浦和が対戦相手に。
浦和はいつも試合が白熱する強い相手ですが、フロンターレからすると苦手意識はあまりなく、向うが勝負を受けてくれれば、試合はかみ合うというのがいつもの展開。
浦和とのホームでの1stレグは安定の試合展開と結果を手にし、2ndレグはよほどのことがない限り勝てるだろうと思いました。
ただ、よほどのことが起きました。
車屋紳太郎選手が(確か、興梠選手の顔に向けて-あまり思い出したくないのでよく覚えていない)足を上げ、スパイクの裏を見せたことで一発退場。
ACLのレフリーの判断の基準は本当に要注意で、Jリーグとは違うものだなと痛感。
その後、フロンターレは守備で逃げ切るというスタンスが裏目に。
ここでも、ACLでのタイトルという夢も消え去りました。
そして、フロンターレに勝利した浦和が勝ち進み、アジアチャンピオンになったのはご存知の通り。
今でも、もしフロンターレが勝っていたら今頃アジアチャンピオンだったのではと心のどこかで思うこともあります。
ただ、タラレバなのでやめておきます。
下は、最近、例の車屋選手の一発退場の裏側を興梠選手が語ります。
「川崎Fは強いんで、一人減らしたかった。足を上げたのであたりに行ったら、レフリーがうまくとってくれた・・・」
ACL秘話
— Ju (@JStyle_24) 2017年12月20日
フロンターレに聞かせたくない慎三さんの話w pic.twitter.com/DiNLSePOGz
今年はルヴァンカップのタイトルだけでも
何事も行けるでしょ、と思うと油断が生まれるのでしょうか。
選手も決して油断しているわけではないと思います。むしろ緊張をしているという方が正しいのでしょうか。それはサポーターも同じ。
ただ、対戦相手は直前で大勝し、いいイメージを持っている相手のセレッソ。
場所は、埼玉スタジアム2002。
天気は快晴。
個人的な感想ですが、フロンターレは雨の日に弱いのかなと。
理由は、相手がロングボール主体の戦術に切り替えて、フロンターレのパスサッカーとかみ合わないからだとも思います。
さて、フロサポが多数乗車しているのが分かる始発で浦和美園駅に向かい、順番待ち。
「今日はタイトルをとれるから眠さも関係ないさ」というテンションでした。
ところが、ふたを開けてみると、試合開始早々、エドアルド選手のクリアミスから、以前フロンターレの9番だった杉本健勇選手に得点を奪われる展開。
その後も、フロンターレは決め手に欠き、試合終了間際に全体がオフェンシブになった際、ソウザ選手に隙を突かれ、敗戦決定。
天皇杯も決勝でダメ、ACLもいいところでダメ、ルヴァンも決勝でダメ。
さすがに、その時は「タイトルの獲り方わらねー」と多くのフロサポが思ったのではないでしょうか。
フロンターレはリーグ優勝の可能性も残っていたものの、先行する鹿島がそう簡単には負けないだろうなと思いつつも、そこしか残されていない…という状況。
今年も無冠か、と頭をよぎったのは事実です。
タイトル獲得には勝つしかないフロンターレ
勝ち点で首位を走る鹿島はいつも勝てばそれだけタイトル獲得が近づくという構造。
ところが、鹿島は柏に勝てば優勝という試合に、引き分け。
そして、どのチームが優勝するかは最終戦まで持ち越しに。
「他力」という言葉が最後まで正しいのかはよくわかりませんが、迎えた最終の第34節。
鹿島は磐田に勝てば、勝ち点で首位確定で優勝。
フロサポ以外は、鹿島が充当に勝利して、鹿島の連覇というスト―リーを描いた人がほとんどではなかったでしょうか。
当然ながらシャーレも磐田にあったことでしょうし。
ただ、名波浩監督が目の前で鹿島の優勝は見たくないという信念が強ければ強いほど、引き分け以上というのはアリかなとも祈っていましたが。
最後の対戦相手が大宮だったという事実
一方、フロンターレはホームでの最終節・大宮戦に勝つしか優勝の可能性が残されていないという状況。
フロンターレの方には、ある種、割り切りのような雰囲気もスタジアムにあったように思います。「勝しかない」と。
この大宮戦、フロサポもいろいろと思うところも多かったのではないでしょうか。
まず、大宮は2016年シーズンに大久保嘉人選手を退場に追い込み、フロンターレが手を焼いて、かつその後もいろいろあった引っかかる相手だというのが多くのフロサポの印象ではないでしょうか。
また、大宮の監督はつい先日まで鹿島で指揮を執っていた石井正忠監督。
石井監督は、そう、今年の元旦に天皇杯を持っていかれた対戦相手の指揮官。
そして、大宮は家長選手の古巣。
当の大宮はJ2降格が既に決定しており、その理由は「家長ロス」というのは多くが報道するところ。
家長選手は自分が移籍したことでこうなっていると、引っかかるものがあるのでは、と気にするフロサポも多かったのではないでしょうか。
ところが、試合の結果はフロンターレの圧勝の5-0。
家長選手も小林悠選手へのアシストも複数記録し、徹底的に戦ったという印象を強く残しました。なんだか、妙にほっとしました。
大宮に勝利し転がり込んだリーグ優勝。タイトル
そして、何より、鹿島が磐田と引き分け、勝ち点は72で鹿島と同点のものの、得失点差でフロンターレの優勝が決まりました。
このときほど、攻撃的であることの意味と重要さをかみしめたことはありません。大量得点でより少ない失点が生きたのです。
「サッカーは点を入れなければ勝てないスポーツ」
風間監督はこうよく口にしていたのを思い出します。
「シルバーコレクター」と揶揄されたフロンターレで先頭に立ってきた中村憲剛選手が悲願の初タイトル。
そして2017年からキャプテンを任された小林悠選手はプロ初のハットトリックを記録し、初の得点王に。
セレッソの杉本選手が首位を走り、ちょっと得点王は難しいかな、と思っていたところに最後は自身初のハットトリック。
「健勇だけにはやらせたくない」と思ったフロサポも多いのではないでしょうか。
最後にまくれて本当に良かったと思います。
フロンターレが常勝チームになるために必要な3つのこと
タイトルを獲得し、総額22億円ともいわれる大きな賞金などを手にし、フロンターレの強化はこれまで以上にされることでしょう。
多くのフロサポが願っているのは、これをきっかけに勝ち続けるチームになることではないでしょうか。
そのために必要なことを考えてみました。
【その1】頭とシステムが守りにはいらないこと
サッカーはミスをいかにマネジメントするかというスポーツだと実際は思います。今年のフロンターレの強さも、MFも大島僚太選手を中心に守備が機能し、DF陣も跳ね返し力では目を見張るものがありました。
ただ、フロンターレの良さは「等々力劇場」とというとややもすれば心臓に悪いエキサイティングな試合です。「ウノゼロ」ももちろん局面によっては大事ですが、ガンガンと行ってほしいなと。
決してボールをとりたがるチームではなく、ボールをどうゴールまでもっていくかにこだわって欲しいなと期待しています。
タイトルといってもまだ一度だけですが、追われる立場、これまで以上に研究される立場になったのは事実です。
敗戦したACLの浦和戦でも感じましたが、守りに入った時のフロンターレはもろいなとまだ思います。
「攻めているうちはやられないんだから」といっていた風間監督のコメントは当たり前すぎるのですが、それは本当にそうだなと。
ただ、「ハーフコートでボールを支配し、攻め続けていることの裏返しとしてカウンターリスクを抱えている」というのは風間監督も口にしていました。
そのリスク管理を鬼木達監督は実現してきたのだと思います。
【その2】攻めをもっと強くすること
フロンターレの攻撃陣は技術もあり、結果ボール支配率も高い試合も多く、攻撃的と評価されます。
ただ、欧州リーグの試合を見ていると、そのスピードと精度は違うスポーツのようにも感じます。
欧州のサッカーの方が面白いというつもりはないですが、ひとつずつのプレーは欧州の方が魅せるものがあります。日本でもあのスピードとダイナミックなサッカーは見てみたいという気もします。
話は変わりますが、ハリルホジッチ日本代表監督も欧州リーグに参加する選手ばかりを起用するのも、そうした環境に目が慣れている、というところ(だけ)を重視しているのかなという気もするくらい、無策に感じもします。
そして、2017年シーズンを振り返ると、やはりフロンターレが苦手としたのは、ブロックを引いていたり、カウンター主体のチームにはてこずった、という事実です。
実際、フロンターレは対鹿島や浦和にはホーム、アウェーでは負けてはいません。
ところが、甲府やセレッソ大阪には試合内容も含めててこずった印象があります。
- ブロックを敷いた相手をどう引きはがして、より多く得点をするか。
- ハーフコートで攻め続けるリスク管理をどう行い失点を防ぐのか。
この2つをバランスをとりながら、勝ち点を重ねるというのがフロンターレのテーマだと言えます。
【その3】スタジアムを大きくすること
これはビジネスサイドの話かもしれませんが、スタジアムの収容人数が多ければ、設備投資はかさむものの、入場料は増えます。
フロンターレと浦和の違いはスタジアムのキャパシティとその入場料収入の差です。
フロンターレがアジアでのビッククラブを目指すのか、そうでないのかは知る由もないですし、それが良いのか悪いのかもわかりません。個人的には、レアルマドリードは無理としても、アトレティコマドリードというクラスにはなってほしいなと思います。
ただ、現在の2万5000人がほとんど最大値に近いとするならば、その倍くらいのキャパシティは欲しいところです。
ファンクラブの会員が3万人を超えて、キャパシティが2万5000人だと、やはりこれ以上ファンが増えると、「試合が見たくても見られない」という人も増えてくるでしょう。
そうすることで、良い選手を獲得する原資も手にすることができるでしょうし、いまのフロンターレならリスクをとっても良い局面ともいえます。
個人的には埼スタがどのように資金調達を行い、あのような立派なスタジアムを建設できたのかが知りたいところです。
【番外編】風間グランパスに要注意
去年までフロンターレの監督を務めた風間監督率いる名古屋が1年でJ1復帰を決めました。さすが!と思うとともに、怖さを覚えます。
トヨタ自動車が過半数超出資
ひとつは、トヨタ自動車の連結子会社というポジションを活かして、どの程度の資金量で選手補強をしてくるのか。
まあ、資金量といっても再び増資をして、というのではないでしょうから、フローの広告収入をベースにどこまでよい選手を引っ張ってこれるかということになるでしょう。
個人的には、日本のクラブチームで観客収入を除いて、もっとも資金調達力のあるグランパスに、技術をコアにした戦術を掲げる風間監督がグランパスで指揮を執っている意味を感じます。
風間監督による引き抜き
そして、もう一つの注目ポイントは、フロンターレの選手が引き抜かれることがあるのか。
フロンターレの中盤のかなめのネットの引き抜きの話などがすでに出ています。
また、元フロンターレで現東京の大久保選手が移籍しても非常に嫌なものがあります。
ちなみに上はグランパスの出資者である中日新聞の報道です。中日新聞は第2位の株主なんですね。トヨタ自動車の次がメディアというのも面白い構造だなと思います。
そして、以下がグランパスの出資者です。企業規模を考えても、非常に強力な布陣です。
トヨタ自動車(株)
アイシン精機(株)
(株)中日新聞社
愛知製鋼(株)
東海旅客鉄道(株)
(株)デンソー
中部電力(株)
(株)東海理化
(株)三菱東京UFJ銀行
トヨタ車体(株)
東邦ガス(株)
(株)ジェイテクト
(株)名古屋銀行
豊田合成(株)
名古屋鉄道(株)
(株)豊田自動織機
(株)ノリタケカンパニーリミテド
豊田通商(株)
(株)大丸松坂屋百貨店
トヨタ紡織(株)
これらは要注意です。
まとめにかえて
2017年は元旦から、一体どんな年になるのかと思いましたが、2018年はどんな年になるのか楽しみです。
どんな選手が入ってくるのか、ACLでタイトルをとれるのか、リーグで圧倒的に勝ち続けられるのか、そうした視点で試合を見続けていきたいです。
大宮戦の前に紅白の餅を餅まきで手にできたこともその後の喜びを意味していたのかなと今では思います。
フロンターレ関係者の皆様、お疲れ様でした。
また、来年もどうぞよろしくお願いいたします。
日経BizGate「すべてを飲み込むアマゾン、『持つ経営』で何を狙うのか」を寄稿しました
ご存知でしたか?
アマゾンはネット企業とは言え、資産をどんどん取り込む企業として成長を続けています。
一般的にネット企業は資産を持たない「軽い」経営をすると見られがちですが、アマゾンはそのスタンスをぶち壊しています。
日経BizGateへの寄稿です。
不定期ですが、ご興味あればぜひ。
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川崎フロンターレが鹿島を倒して2017年リーグ優勝できるシナリオとは
2017年9月30日のJ1の第28節、川崎フロンターレ対セレッソ大阪戦。森谷選手のスーパーミドルシュートも含め、5-1という勝利とともに、勝ち点で先行する鹿島が鳥栖に敗れ、また勝ち点で並んでいた柏が甲府に敗れたために単独2位、鹿島との勝ち点の差を5点までに縮めました。どういう条件がそろえば川崎Fは鹿島を上回って、優勝することができるのか考えてみました。
勝ち点5をいかに埋めるのか
勝ち点は、勝利すれば3点、引き分ければ1点、敗れれば0点です。
残り6試合を通じて、鹿島との間の5点差を埋める必要があります。
- 川崎Fが勝ち、鹿島が負ければ、勝ち点の差は3縮まります。
- 川崎Fが勝ち、鹿島が引き分ければ、勝ち点の差は2縮まります。
- 川崎Fが引き分け、鹿島が敗れれば、勝ち点の差は1縮まります。
- 川崎Fと鹿島の結果が同じ場合には、勝ち点の差は変わりません。
勝ち点5の差を詰める組み合わせは、以下の通りです。ちなみに、勝ち点の差を埋める順番を問いません。
また、川崎Fが対鹿島に対してマイナスになるシチュエーションは心持ちとしてもまたシミュレーションが複雑になるので、ここでは考慮していません(実際には十分にありうるシナリオ群ですが)
- (3、2、0、0、0、0)
- (3、1、1、0、0、0)
- (2、2、1、0、0、0)
- (2、1、1、1、0、0)
- (1、1、1、1、1、0)
1番目のケースは、「川崎Fが勝ち、鹿島が負ける」という組み合わせが1回、「川崎Fが勝ち、鹿島が引き分ける」という組み合わせが1回で、それ以外の4試合の結果が川崎Fと鹿島が同じというものです(もちろんこの試合結果が同じという中には、それぞれが勝利をする、引き分ける、敗れるというのを含みます)。
2番目のケースは、「川崎Fが勝ち、鹿島が負ける」という組み合わせが1回、「川崎Fが引き分け、鹿島が負ける」という組み合わせが2回で、それ以外の3試合の結果が川崎と鹿島が同じ。
3番目のケースは、「川崎Fが勝ち、鹿島が引き分ける」という組み合わせが2回、「川崎Fが引き分け、鹿島が負ける」という組み合わせが1回で、それ以外の3試合の結果が鹿島と同じ。
4番目のケースは、「川崎Fが勝ち、鹿島が引き分ける」という組み合わせが1回、「川崎Fが引き分け、鹿島が負ける」という組み合わせが3回で、それ以外の2試合の結果が鹿島と同じ。
5番目のケースは、「川崎Fが引き分け、鹿島が負ける」という組み合わせが5回で、それ以外の1試合の結果が鹿島と同じ。
こうしてみると、鹿島の強さを考えて、現実的に狙えそうな組み合わせとしては、1もしくは2くらいかなと。
残り6試合で鹿島が最低でも川崎Fに対して2回負け越してくれると…どうなんでしょうか。
1のケースで見た時のそれぞれの結果が同じというのも、鹿島はそんなに負けないでしょうから、勝つか、最低でも引き分けるというところでしょう。
【2017年10月22日・追記】
川崎Fは10月14日の対ベガルタ仙台戦に3-2で勝利。一方、鹿島アントラーズも対2-0で勝利し、お互いの勝ち点差は縮まりませんでした。
ところが、10月21日の試合では、川崎Fが対広島戦でアウェーで0-3で下したのですが、鹿島アントラーズが対マリノス戦でアウェーで2-3と敗れたため、勝ち点差が2点差へと縮まりました。
上記のシナリオでいけば、ケース1及び2で進んでおり、
- (2、0、0、0)
- (1、1、0、0)
のいずれかの組み合わせで川崎Fの優勝が決まります。
つまり、3試合のうち一つで、川崎Fが勝ち、鹿島が負け、また残り3試合で同じ結果か、川崎Fが2試合引き分け、鹿島が2試合負け、残り2試合同じ結果であれば、川崎Fの優勝が決まります。
まあ、現実的には、鹿島が2試合負けるというケースは考えにくいので、川崎Fと2試合は同結果で、1試合で転んでくれればというところでしょうか。
川崎Fは勝ち続け、鹿島の対戦相手にどこかで踏ん張って勝ってもらえれば、というやや他力本願がありますが、そういうことです。
【2017年12月5日・追記】
- 10月22日以降は、川崎Fの戦績は以下の通りです。
- 10月29日の柏戦は引き分け△(鹿島は勝ち)
- 11月18日のガンバ戦は勝ち〇(鹿島は勝ち)
- 11月29日の浦和戦は勝ち〇(鹿島は引き分け)
- 12月2日の大宮戦は勝ち〇(鹿島は引き分け)
結局、最後の4試合は以下の様になりました。
(-2、0、2、2)
柏戦の後は非常に苦しくなりましたが、巻き返しました。
なぜ同じ勝ち点で良しとしているのか
勝ち点に並ぶことを考えるだけでいいのか、というツッコミに対しては、28節を終えての現在の得失点差が川崎Fが+28で、鹿島が+19なので、まあ、残り6試合でこれは埋まらないという前提ではあります。
もしかして鹿島の大量得点で埋まってしまったら、それは前提が崩れることになります。
柏や横浜Fマリノスはどうした
柏の川崎Fとの得失点差が3、横浜Fマリノスとの差が5なので、川崎Fの試合展開次第でまくられる可能性は十分あります。
したがって、ケース4や5では、話にならないわけではあります。
ただ、2017年元旦の天皇杯の屈辱を取り戻すためには、何としても鹿島をどうするのか、どうしたいのかというのが川崎Fサポの共通の思いですので、今回は柏と横浜Fマリノスの動きは対象外としました(すみません)。
鹿島の残りの対戦相手はどこだ
以下の通りです。強豪や上位争いに残っているチームも多く、鹿島といえどもその試合結果には波乱が伴う可能性は十分に残っています。
- 29節:広島(ホーム)=>鹿島勝ち〇
- 30節:横浜Fマリノス(アウェー)=>鹿島負けX
- 31節:札幌(アウェー)=>鹿島勝ち〇
- 32節:浦和(ホーム)=>鹿島勝ち〇
- 33節:柏(ホーム)=>鹿島引き分け△
- 34節:磐田(アウェー)=>鹿島引き分け△
鹿島は常勝軍団とよく言われますが、浦和、柏、磐田と力あるチームが残っているので、全部勝ち切れるかはやってみないとわかりません。
実は、札幌もホームでは強かったりするので、ジェイに一発かましてほしいところです。
まとめにかえて
いかがでしたでしょうか。まだまだ鹿島を乗り越えていける可能性は十分残されています。また、川崎Fは天皇杯とルヴァンカップを残していますので、緊張感は当分続きます。勝手に頑張りたいと思います。
あわせて読みたい
水平分業と垂直統合は繰り返す。20年サイクル?かそれくらいの時間軸
ちょっと前の記事ですが、最近こんなことを考えています。
早稲田大・野口悠紀雄先生との対談記事が公開されました @NewsPicks
ビットコイン、ブロックチェーン、アマゾン、ICO、最後はシェアリングエコノミーと様々なテーマで話が盛り上がり、楽しい時間でした。
詳細は記事をご覧ください。
こちらが前編
こちらが後編
あわせて読みたい
MUFGのJDDの構成を分析した記事を日経BizGateに寄稿しましたの、こちらもご参照いただければと思います。
サッカー日本代表のいつもの議論。カウンター主体かポゼッション主体か論
先日のオーストラリア戦では、ハリルホジッチ監督の戦術-前線プレス&相手にビルドアップさせない、がばっちりはまりました。
結果は見事に日本勝利&ロシアW杯出場決定!!!
めでたしというわけです。
カウンター主体のサッカーしたいんだっけ?
しかし、試合を観ているものにとっては、気になったのは次のような点ではないでしょうか。
- 日本代表ってカウンター主体のサッカー目指してたっけ?!
- 忙しいサッカーしているな・・・
- プレーしている選手はみんな楽しいのかな?
楽しむためにW杯の予選戦っているんじゃないぞ!というツッコミはあるでしょうし、今回は対オーストラリア戦で出場決めるぞ!ということで、最適化した戦術がカウンターだったということなんでしょう。
ただ、その後の対サウジ戦を見る限りでは、方向性はどうなったのか更に疑問がわいたのではないでしょうか。
これもかれこれ相当前からしている議論で、今に始まったことではなく、残念な話でしかないのですが、まだそこという状況。
元ジュビロ磐田の藤田氏、かく語りき
と思ったら、元ジュビロ磐田の藤田氏が次のような記事を公開してました。
あくまでもボールをつなぎ攻撃を仕掛けるスタイルで行くのか。それとも、カウンター主体のサッカーで短期決戦での結果を追い求めていくのか。カウンターサッカーは時として効果的だが、果たして、それは日本サッカーが目指すべきスタイルであるのか。そんなことを自問自答するキッカケにもなったわけだけれど、ワールドカップだけのことに限らず、今後の日本のサッカースタイルを確立する意味でも、積極的に議論し決定していく必要はあるだろう。
いい加減、この議論から抜け出したいなぁと。
まとめにかえて
毎回W杯の度に同じ議論をして、解が出ていない。
個人的には、「日本人代表監督&Jリーグのコアチーム」で、どうしたいかを議論するべきかと思います。
毎回「外国人代表監督&海外組組み合わせ」で、乗り切ってしまうという状況にそろそろ、決めたら?と思う次第。
今回参考にした記事
MiFID2とは何か。証券アナリストはどうなる?証券会社や運用会社どうなる?金融庁は?
元メリルリンチの銀行アナリストの大槻さんのMiFID2についての記事。当記事で言及されている中でもMiFID2には、様々なポイントがありますが、ランダムに。
MiFID2(Ⅱ)の読み方
はじめての方は迷うと思うので、まずかここから。
「ミフィッドツー」と読む。「ミッフィー・ディー・ツー」と覚えよと、別の人に教わった。
そもそもMiFIDの規制概要とは
「ミフィッド」(Markets in Financial Instruments Directive) という規制は、欧州版の「金融商品取引法(金商法)」のことである。2007年11月に、投資家保護を主眼に施行された。日本の金商法と同様に、運用会社や証券会社に対し、投資家に合った取引商品の提供や、取引の透明化などを義務づけている。
そしてMiFID2へ-2018年1月1日
2014年6月に公布された改正法「ミフィッド2」が示した手数料規制の大幅な厳格化
もともと施行はもっとはやい予定だったが、英国のEU離脱などのイベントもあり、伸び伸びとなっていた模様。
そして迎える2018年1月1日。
なぜMiFID2か
ところがミフィッド2では、運用会社が外部リサーチを購入することは「原則として禁止」とされた。購入されたリサーチが本当に投資家のためになっているのかが不透明なためだ。
機関投資家とよばれるバイサイドは投資に必要な判断に至るまでの調査はそもそも自分で調べることにはなっている。
ただ、実際は、証券会社に所属するアナリスト(セルサイド・アナリスト)に会社の業績モデルをもらったり(発行体がセグメントなどを頻繁に変えるケースでは重宝する)、事業会社の特別に人に合わせてもらえるような段取りをしてもらっていた。
そうしたサービスがどれくらい価値があるのかはさておき、「原則禁止」というのはアクティブ運用の実態を完全に無視している。
仮に、セルサイド・アナリストのサービスがゼロになると仮定したときに、バイサイド・アナリストが全部自分で用意するというのは実作業レベルではちょっと考えにくい。
証券会社だけではない、本質は運用会社の直面する苦境
ただ、バイサイド・アナリストはもっとまじめに調査しろ!というメッセージは見えるが、果たしてどれくらいの割合で機能するかは今後時間とともに明確になるであろう。
外部リサーチへの調査費用が明確になるということは、バイサイド自身の調査費用はいくらになるのかという話でもある。
つまり、アクティブ運用に資金を拠出している投資家からすれば、「そのパフォーマンスを出すのに、内部の人材に対してそんなにカネをかけているのか!」ということにもなりかねない。
バイサイドからしてもMiFID2で証券会社のリサーチ費用が数値化されることは歓迎されない動きであるということは言える。
なぜMiFID2はこんなに無茶ぶりなのか
今回のMiFID2の話を聞いて思い浮かぶことがいくつか。
世の中は、アクティブ運用(ベンチマークを上回るような運用、アルファをとることを目指す運用)には冷ややかな一方、インデックス運用を歓迎するトレンドが現在は確実にある。
インデックス運用は、市場そのものに投資をし、運用をするというコンセプトなので、個別で企業調査などは必要ない。
仮に、このインデックス運用が今後も主体になるという発想があるのだとすれば、確かに「調査に費用をかけるなんてばかばかしくねぇ?どうせアクティブのほとんどはインデックスに勝てないんだから、そんなの削れるだけ削ったら?」みたいな読みもあるのかなと。
MiFID2は証券会社ドリブンのアクティブファンドはもはやどうでもいい扱いになっているのではという印象すら受ける。
だとすれば、アクティブファンドは大変だなと。
MiFID2で外部リサーチの扱いは?
例外的に認められるリサーチの購入のためには、運用会社は、どんなリサーチにどれくらい支払ったかを、おカネを預けている人や企業に対して明示しなければならない。リサーチ費用の年度予算は事前に決めることが義務づけられ、その予算を各チームに割り当てることになる。このため、データの必要性やその情報がもたらす価値がこれまでよりも厳しく精査されることになる。
普通の企業で考えれば当たり前かもしれないが、「調査」は事前に読み切るのは難しい。上記でいうと、実質ルーティンものしか事前に組み入れることができない。
そして、外部に見せて納得してもらえるような調査に予算を充てないと、担当者も説明するのにまた時間が取られるというので、外部から一定の評価を得たリサーチに需要が集中するということもあるだろう。
とはいえ、投資の世界でみんなの知っている情報を知っているということも大事だが、既にコンセンサスとなっている情報をどれだけ集めてもエッジはないのはみんな知っている。
MiFID2の料金表で証券会社のリサーチはどうなる
アナリストへのミーティングや個別分析の依頼については、さらに1回につき数万円〜数十万円の別料金を要求するとみられる。
まあ、別にアナリストでなくとも外部に調査を頼むということであれば、このレベルは普通ともいえるが…これで驚かれるとインテリジェンスの値段ってと思う。
投資家で数百億とか数千億を運用している人からすれば、本当にも受かる話であれば、1時間数十万レベルであれば、パフォーマンス次第でなんとでもなる数字だというのは気づいている。
ただ、リサーチの内容にもよるであろうが、機関投資家もコストにより慎重になるであろうから、証券会社のバンドルでのリサーチからより細分化された人ベースのリサーチに需要がさらにシフトするのは自然なことだろう。
証券会社もアナリストを採用するときに、MiFID2の枠内で客に売れるアナリストしかとれなくなる。
ジュニアアナリストを抱えるだけの余裕がなくなるところも多いのではないだろうか。
だとすれば、また業界の高年齢化が加速することになる。
また、クロスボーダー、セクターボーダーのリサーチといっても必ずしも証券会社のリサーチが強いわけでもないので、そうなれば、独立系でネットワークのある人が圧倒的に有利に。
となると、証券会社のリサーチの存在意義が問われる。
証券会社のアナリストの仕事はどう変わる
こういってしまっては身もふたもないですが、私が機関投資家をしていたころは、証券アナリストの公開されたレポートはもちろん見はしますが、それもをもって投資判断を直接するということはない。これは私が特殊というよりはまわりも同じ。
機関投資家も証券会社の証券アナリストと同様に決算説明会に出席し、経営者やIRにも(基本的には)会うことができるので、努力次第ではあるが、入手(アクセス)できる情報には変わりがない。
では、証券会社のアナリストの仕事はこれからどうなるのか。
機関投資家時代にありがたっていたのは「いつもとは違う情報」だ。つまり、証券アナリストが持っている情報ではないことになる。
では、証券アナリストはどう生きるのか。
禅問答のようになるが、証券アナリストが入手できない情報をとってくるということに尽きる。
担当する業種によるが、業界の情報かもしれなし、技術の情報かもしれないし、それらを分析した結果かもしれない。
また、情報を持っている人を見出す目利き力も問われるであろう。
おかしな話ではあるが、決算を分析して投資判断をするのは証券会社の証券アナリストの仕事ではなくなるかもしれない。
とっておきの情報を持ってくるか、めんどくさい収益予想モデルのアップデートをしてその作業をありがってもらうのか、どちらかという極端なことも十分にありうる。
個人投資家と機関投資家の情報格差
アナリストリポートの開示範囲が狭くなる可能性が高い。これまでは、一部の大手証券会社のリサーチリポートは、その証券会社の顧客でなくても、ネット上など何らかの形で読むことができた。しかし今後は、多額の支払いを行う顧客からのクレームが怖いので、顧客以外はリポートを見ることができないように工夫が凝らされるだろう。同様にアナリストのメディアに対するコメントも自粛が促され、個人投資家と機関投資家との情報格差が大きくなる可能性もある。
一番最後が重要。
これまでも個人投資家と機関投資家の情報格差があったにもかかわらず、手数料?調査料?にカネを払わない投資家(別に個人だけではない機関も含まれる)はインテリジェンスにアクセスできないということになる。
機関投資家もネット証券に注文する?
仮に、機関投資家は証券会社には発注だけして、リサーチは別から調達する、という具合にしたときに、さて、これは一体何なんだと。
機関投資家は売買の発注をするときはネット証券に注文を出して、リサーチは自前か、外部から買えばいいということになる。
ただ、昔を思い出すと、インスティネット証券とかあったなぁと思いだす。
時代が一巡したんだろうか。
MiFID2の金融庁の対応はどうなる
問題はここ。
ただ、様子見の様子。
欧州の動きを見て、米国がどうするか、そして日本がそれを見てどう動くか。
まとめにかえて
個人投資家向けの金融経済メディアLongineも4年が過ぎたが、また更にその役割が(勝手に)見直される。とポジショントークでしめるが、いずれにせよアナリストの仕事そのものの意義や証券会社はアナリストを抱え続けるのかという点も。
また、中小型株のようにアルファの取りやすい銘柄のアクセスは引き続きあるであろうから、そこは需要は残るのかなと。
ただ、そこは今まで通りなので、大きい銘柄を見ていた人の競争が第一段かと。
https://www.longine.jp/
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今回執筆にあたって参考にした記事
あわせて読みたい
IKEA(イケア)の全体像を分析した記事は他に見ない…と思いますが:決算、株主、構造
日本のイケアの話は世界の一部。
どちらかというと世界のイケアの話、ファンド、持ち株会社、FCの仕組みも含めて解説している記事はなかなか見当たらない。
一言で言うと、イケアは消費者が買い物に行く時に見る姿とは違って、非常に複雑な組織。
イケアは未上場企業。
秘密のベールに包まれていて、勢いのある会社だなと。
ニトリもいい会社だが、ちょっと規模が違いすぎますね。
参考文献
創業者の話は、壮絶。
第三者の見方もどうぞ。
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メディアは本当に自由競争で素敵な世界
下が、8月13日の「投信1」の記事。
お盆のさなか、ヤフトピにもでました。
下が、8月23日の「プレジデント・オンライン」の記事。
何なんでしょうか「時価」って。
市場関係者やアナリストが見たらおっおっおって思います。
魚や野菜とは違うよ、企業の時価総額は。
いずれにせよ、ZOZOTOWN人気ありますね。
まとめ
メディアは自由競争で本当に読者に刺さる記事を書くメディアが残る世界
鹿島アントラーズ。弱者のマーケティング戦略、強者のサッカー実績
鹿島はいつも嫌な対戦相手であると同時に、楽しみなゲーム展開を期待できる相手。その鹿島のマーケティングの裏側がよくわかるインタビュー。今回はエッセンスを更に抽出。
負けない勝ち切るサッカーはコンテンツ
それはそもそもユニバースが限られている分だけ、勝利にこだわる土壌があったという話。
我々のホームスタジアム「茨城県立カシマサッカースタジアム」がある鹿嶋市の人口は6万7000人。スタジアム周辺30キロ圏内の人口を含めても78万人しかいない。このマーケット規模で商売になるかと考えたら、商売にならない。なるわけがないんです。
鹿島のマーケティングのすべてが規模の差にある。
同じ関東圏にあるクラブの浦和レッズやFC東京、横浜F・マリノスは都市部にあり、1800万人~2000万人規模のマーケットを対象にビジネスを展開している。我々とは20倍以上もの差がある。
確かに人口規模でいえば20倍かもしれない。
ただ、都心はサッカー以外のエンターテインメントの選択肢も多い。
時間の奪い合いの競争は厳しいというのは付け加える必要があるだろう。
コンテンツ×流通
どんなにいいものを作っても伝える方法、流通を確保しないとという話。
「アントラーズは強い」というイメージづくりに取り組んできましたが、その情報を伝える手段がなかった。その問題を解決し、一人ひとりのファンとつながるために、ファンクラブを創設しました。
ファンクラブ設立の背景の発想が特殊。リアルのオウンドメディアを作ったと。
茨城県における通勤・通学の手段はほとんどが車。電車を使っている人がいないので、中吊り広告は効果がない。全国で唯一、ローカルの放送局もない。
そうなのか!
ファン層の高齢化
これはサッカーに限らない。米国や欧州のスポーツも同じ。
ただ、これまでの25年間を振り返ってみると、既存のサポーターを大事にしてきた一方で、スタジアムが非常に閉鎖的な空間になっていた。
ここまでの成長は既存サポーターあってこそですが、今の状態のままでは将来性がない。放っておいたらクラブがなくなってしまう。この状況を脱するには、誰もが楽しめるスタジアムに変えていかなければいけないと考えて、現在さまざまな施策を展開しています。
これは鹿島だけではなく、日本中心で商品やサービスを提供する会社すべてにいえることではなかろうか。
アメリカは、「スタジアムを維持するためのコンテンツの一つとしてチームを持つ」という考え方で、スタジアムを持っている人たちがスポーツチームを支えているんです。一方で、日本は「チームのためにスタジアムが存在している」という考え方にもとづいて、チームがスタジアム経営も行おうとしています。
発想がそもそも逆だと。
まとめにかえて
いずれにせよ、ユーザーを作っていくような新しいサービスを目指すときには大木に参考になるインタビュー。