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泉田良輔の考えたこと

ノマドアナリストが株式投資, テクノロジー, エネルギー, FinTech, メディア, サッカーをテーマに.

RegTech/レグテックとは何か-FinTechとは何が違うのか。評判はどうか

FinTech(フィンテック)

RegTechと耳にすることが多くなってきました。一体RegTechとは何なのでしょうか。また、FinTechとの違いは何なのでしょうか。ここではRegTechの定義と最近の動向をまとめました。

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RegTechとは

Regulation(規制)とTechnology(テクノロジー)の造語で、FinTechやMedTech、EdTechというように一つの領域とテクノロジーを掛け合わせた造語のうちの一つです。

ただし、FinTechやMedTechのように産業とテクノロジーを掛け合わせるのとは違って、規制というやや漠然としたエッセンスが少し気になります。

英国のFCA(Financial Conduct Authority)はRegtechを以下のように定義しています。

RegTech is a sub-set of FinTech that focuses on technologies that may facilitate the delivery of regulatory requirements more efficiently and effectively than existing capabilities.*1

和訳すると次のような感じでしょうか。

「レグテックはフィンテックの一部である(部分集合)。フィンテックはテクノロジーを重点的に取り扱っており、そのテクノロジーとは規制が必要とする内容を届けるのにこれまでの現在機能している状況以上に効率的にかつ効果的に役立つものである」

RegTechはFinTechの一部ということですね。

RegTechの特徴が出る4領域

デロイトは先の「規制」と「テクノロジー」ことを掛け合わせることがこれまでにXXXTechと違うということも指摘していて、その中でもRegTechの特徴として以下の4つの点を指摘しています*2

  • アジリティ
  • スピード
  • インテグレーション
  • アナリティックス

これらの項目は、いずれも金融機関が対監督官庁に対応するために必要な項目で、実はあまり消費者やユーザーと接点がないように思われます。ここも、これまでのXXXTechとは少し特徴が異なるといえます。

ただし、それでは私たちと全く関係がないかといえば、決してそうではなく、金融機関などが新たなサービスを開始するにあたっては監督官庁と事前にすり合わせていることはごくごく自然です。

金融機関がそうした新しいサービスを提供するにあたってはテクノロジーを活用してどのように利用者を把握しているか、またリスク管理ができているかということが重要になります。

したがって、新しいサービスと規制はいわばコインの表と裏であり、またそうした取り組みにテクノロジーを活用しようという動きといえます。

金融機関の仕事は突き詰めるとリスク管理です。これはフロントであろうが、ミドルであろうが、バックオフィスであろうが、基本となる仕事です。

RegTechは金融機関と監督官庁が主導で進める?!

IIF(institution of international Finance)はRegTechが進化すると以下のようなコンプライアンスやレポーティング領域において改善があるといっています*3

  • リスクデータアグリゲーション
  • モデリング、シナリオ分析と予測
  • 支払い履歴のモニタリング
  • 顧客などのアイデンティフィケーション
  • 金融機関内部の「考え方やくせ」や振る舞いの監視
  • 市場取引
  • 新しい規制の確認

うーん、こう見るとRegTechが必要なのは金融機関を監督する監督官庁とそこに迅速に報告する必要がある金融機関といえそうです。

リーマンショック以降、金融機関、投資銀行に対しては特に風当たりが強くなりましたが、投資銀行を取り込んだ商業銀行も結果として規制対応とそれらに伴うコスト増に耐えきれないのでしょうか。

となれば、テクノロジーを活用して効率的に監督官庁にレポーティングしたいというのがリスク管理などを担当している役員の本音でしょう。

人海戦術で対応した挙句、漏れがあって自分の責任などになってしまってはたまったもんではないでしょう。

RegTechはICT産業への参入障壁か

金融機関のICT予算は結構な確率でつきやすいというのがアナリストとしての見通しになるかもしれませんが、ちょっと違う角度から見ると、RegTechはICT産業からの新規参入組に金融業は難しいんだよと見せかける参入障壁にも見せかけることができている気がします。

ICTが得意だからといって、アップル、マイクロソフト、グーグル級の会社にバンバン金融業に参入されても困るでしょうから。

銀行としてはIBM程度の規模のICT企業と付き合っている方がよっぽど気楽なんでしょうね。

まとめ

いかがでしたでしょうか。RegTechはFinTechの一部のようですが、このキーワードがマス化するのはちょっと遠そうですね。

FinTechが金融機関と個人、金融機関と法人、個人と個人という領域をカバーしていたと思いますが、RegTechは金融機関と監督官庁という関係をカバーするイメージでしょうか。