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泉田良輔の考えたこと

ノマドアナリストが株式投資, テクノロジー, エネルギー, FinTech, メディア, サッカーをテーマに.

あらためて投資信託の復習。とりあえず6冊読んで一番良いのはこの本

6冊読んでおすすめはこれだけ

投信会社に10年在籍していた訳だが、今回あらためてざっと復習してみる。

結論としては、一番ちゃんと書いてあったのは、次の本。

中野晴啓「見る・読む・深く・わかる 入門 投資信託のしくみ」日本実業出版社

他の入門書には、嘘とはいわないまでも誤解を招く表現が含まれるものもあった…。

謀書に「インデックスファンドは、全銘柄を買います」…なんて…大丈夫っすか。

しかし、本書ではその辺りもしっかり書いてある。

中野氏のセゾン投信は米国で有名なバンガードのインデクスファンドを扱っている。

そうした背景もあるからだろうか。

「連動目標であるインデックスに採用されている全銘柄を組み入れなくても、連動目標であるインデックスとほぼ同じリターンが実現できるようなモデルポートフォリオ」を構築します

インデックスファンドとは、上のような構築プロセスということです。

つまり、インデックスファンドの運用現場は汗をかいている、そういうことです。

また、テーマ型投信のリスクについても言及してあります。

ファンドマネージャーの立場からすれば、投資対象に関しては幅広く、かつ自由に選べるというのが理想です。

その通りだと思います。

日本の投資信託の歴史とは

さて、中野氏の本は、文字ばかりで、絵も少ない。

しかし、日本の投資信託の歴史と今後の投資信託がどうすべきか丁寧に書いてある。

冒頭から、

日本の投資信託は歴史的に見ても、(中略)、その主旨とは大きく乖離したビジネスを繰り返しています。(中略)、長期に渡って資産形成を行いたいという大多数の一般生活者のニーズにかなう商品提供を怠ったままになっています。

というように、まえがきから結構ぶっ飛ばして書いています。

ただ、細かく丁寧に網羅しようとしているので、本来の入門書の枠を外れているかも。

いきなり歴史から入られても、入門者は少し戸惑うかもしれない。

結局、もうけるのが最大の目的なので、歴史は後でいいよとばりに。

(投信業界で働こう、希望のある学生には必須の内容だと思う)

それでも、いずれにせよ投信で運用する個人投資家は十分に知っておくべき内容だ。

株と違い複雑に見えるところが、投信の保有比率が低いということもあるのだろう。

ファンマネの権限は大きい

一方で、中野氏のキャリアにより、想像や見聞で書いてあることもある。

運用の現場や意思決定プロセスは各社により異なろうが、ファンマネの権限は大きい。

CIOの役回りは、それほど実務には直結しない。

どちらかというと運用方針からそれるような行動をとっていないかのチェックだ。

この辺りは、まあ、仕方がない。

セゾン投信、バンガード vs アクティブ 

中野氏はセゾン投信でバンガード(米国インデックスファンド大手)を持ち込んだ人。

当然、アクティブ運用には手厳しいだろうし、回転売買はもってのほかだろう。

手数料の安いインデックスファンドをすすめる理由は理解できる。

また、アクティブでインデクスに勝てない投信が多いというのも事実。

ただし、日本の場合には、株式相場が循環相場であった事実も忘れては行けない。

日本は米国のように成長のある循環であれば良いが成長のない循環。

投信はトレードでリターンを上げるというコンセプトは合わない。

今後、ROEを重視した企業が増えれば、継続的に相場が上昇する可能性はある。

ある意味、アクティブが恩恵を受ける最大のチャンスかもしれない。

日本はアクティブが全体の90%ということと、5000本以上の投信が存在する。

いまだ、個人投資家はどのファンドを買ってよいか迷う事実はある。

どういったファンドマネージャーがどのような運用しているかの機会は重要。

そうした現状でインデクスファンドを扱う投信の経営によって書かれた本書。

インデックスファンドは、いまだマイノリティ。

マイノリティの声には、聞くべきものがある。

手元に置きたい1冊ということで。