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泉田良輔の考えたこと

ノマドアナリストが株式投資, テクノロジー, エネルギー, FinTech, メディア, サッカーをテーマに.

「IR戦略の実際」より改善するにはどうしたらよいか。答えは「ハイ・コンセプト」かも

なぜIRがうまくいかないのか

IR戦略の実際 」を読んでみた。もれもない。

強いていえば、期待値とバリュエーションの関係だろうか。

そこは運用経験のない人に言っても無理というもの。

さて、この上の本のタイトルのようにIRは戦略的に行われるべき。

ところが、トップMGMTが意識しないとなかなか戦略的には実行できないのが実際。

また、IRのあるべき姿をかたちだけ追及してもしっくりこないケースも多いのでは?

実は、そこには発行体と機関投資家個人投資家との間に大きな溝があるからです。

 

証券アナリストファンドマネージャーの思考回路

通常、証券アナリストはデータをもとに未来を予想します。

その際によく使う手は、過去実績値を詳細に分析し、未来を予測します。

あまり複数のシナリオで分析することもないですが、3つ程度は頭の中にあるでしょう。

アナリストはどうすれば将来を予想し易いか。

セグメントデータなど、開示されるものが多ければアナリストは喜びます。

ただ、あまり多いとアナリストに嫌がられます。入力とアップデートが面倒だからです。

ちなみに、頻繁なセグメント変更もいやがられます。

アナリストとのバランスをとるのがめんどくさいといえばめんどくさい。

ポイントは、そうした開示データをもとに全体が予想できるかどうかなのです。

 

では、アナリストに予想してもらうためには何が必要なのか。

それは一つです。ストーリーです。

未来を説明できるストーリーがあれば彼らの仕事は半分も終わったも同然。

 

しかし、ストーリーを語ってくれるIRはあまりいません。

トップが語るならまだしも、IRでは事実を述べるのが仕事という思いからでしょう。

そこはアナリストやファンドマネージャーも十分理解しています。

繰り返しますが、であればトップのストーリーを伝えてほしいと願っています。

個別の情報をより俯瞰した画を見たいと思っています。

 

そのストーリーも誰もが分かりやすいストーリーが良いのです。

個人投資家機関投資家までもが共感できるストーリーです。

つまり、分かりやすく壮大なもので、しばらくの間想像する期間を必要とするもの。

簡単に計算できるものは、アナリストはすぐに計算し株価に織り込んでしまいます。

グーグルの自動運転車やスペースXへの出資などすぐに利益貢献は計算できません。

グーグルはそうしてROEの下落トレンドから目をそらさせているのかもしれません。

 

ダニエル・ピンクの「ハイ・コンセプト」

ここまで来るとダニエル・ピンクのいっていることって、株にも当てはまるなと。

ピンクは「ハイ・コンセプト「新しいこと」を考え出す人の時代 」で次のポイントをあげています。

  • デザイン
  • 物語
  • 全体のシンフォニー
  • 共感
  • 遊び心
  • 生きがい

たしかにIRにこれらのポイントが織り込まれていれば、投資家は興奮するでしょう。

話した後に投資家の期待値をどうコントロールできるかは問題になるでしょうが。

 

外国人投資家を増やすだけのIRの危険性

以前は外国人投資家保有割合が多いとなんとなくイケテルイメージがありました。

しかし、いまやそれは外国人投資家の保有割合はリスクの度合いが高まりました。

ISSによる過去5年のROEコードやアクティビストの台頭が原因です。

ピンクの言うように、共感を持つ国内の投資家が増えることがどれほど重要か。

ただ、個人投資家の認知度を上げるためには時間がかかります。

また、どのようにリーチしてよいのか迷うことでしょう。

 

IRのメディアデザインとその運用戦略

アクティビストのサードポイントはメディアを活用して、うまい運用をしています。

発行体も彼らと同じ目線でメディア戦略をとらなければやられたい放題です。

個人投資家に直接興味を持ってもらえるようなメディアをおさえるべきです。

IRは単独では存在しえず、広報や企画チームとも連動する時代になりました。

IRのメディアデザインが肝となります。

ここでも、個別よりも全体です。