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泉田良輔の考えたこと

ノマドアナリストが株式投資, テクノロジー, エネルギー, FinTech, メディア, サッカーをテーマに.

セクター別投資を個人投資家に求めるのは難しい-セクター別投資とテーマ別投資の違いとは

投資

個人投資家にセクター別投資を求める本。読後の感想としては、まあそうかなという印象と、ちょっと無理強いだろという本。結論から言うと、それができるなら日本に個別株をがんばる個人がいっぱいいるはずだという循環論になる。ちなみにセクター(別)投資とテーマ(別)投資とでは意味合いが異なる。【2016年12月5日更新】

セクター別投資とは

セクター(別)投資とは、たとえば東証33業種(ただ分類され過ぎている)や MSCIの分類など企業が属する産業ごとに区分して投資をするアプローチのこと。

一方、テーマ(別)投資というのは、今でいえば、ロボット、ドローンやAIというように株式投資をするテーマに準じた投資アプローチのこと。

どちらが全うというか機関投資家レベルでも成立するかといえば、セクター別投資の方。機関投資家もセクターローテーションというように、景気循環の中で保有セクターの持ち分を意識しながら調整をしている。

セクター別投資は個人投資家に向くのか

 セクター別投資をうたっている本があったので、読んでみた。以下、読後の感想と指摘事項。

内容そのものと本名?ペンネーム?

この本のイマイチなのは、経歴を見ると投資経験が長いのは良いが基本的理解が怪しいことだ。

そもそもこの執筆者の名前は本名か?ペンネームか?少なくとも私は彼らの名前は聞いたことがない。存じ上げない。

たとえば、以下の様な記述をみて、どう思うだろうか。

長期投資に関しては、ここ20年来、相場に勝てていないのが現実だ。

それは、日本株式市場が循環株式市場だったから。

まあ、大きく言えば、日本経済が成長していなかったからだ。

日本に生まれたことを恨むよりほかないが、今は世界に投資をすることができる。

彼らの話は、日本株に限定した話としては正しい。それ以外では、真ではない。

長期保有が投資のカギなのではなく、銘柄選択がポイントである。 

 長期投資を推奨する方も長期で投資をすれば儲かるのではなく、銘柄選択をし、成功した際に長期で持っていれば非常に大きなリターンがあるということと同時に、長期で個別株と向かい合えば、いろいろなチャンスがあるよと言っているだけである。

つまり、銘柄選択がスタートでの長期投資である。もともとの問題定義をすり替えている。ミスリード。

後講釈ならなんとでも言える 

いやー、これはすべてに言えること。

個別銘柄選択に限らず、セクター投資でも同じでしょ。

セクター情報は本書だけでは物足りない

あと、この本の業界ごとのデータを基に勉強しても足りない。

電機セクターを見たけれど、この程度の情報ではセクターコールでエッジはない。うっかり手を出すとやられるのがおちだ。

エッジを出せる領域とは

一般的に、個別銘柄ピック、セクターコール、マクロベットという順に自己調査によるエッジが少なくなる。

つまり、誰でも勝手に言える部分が増える。

あたることもあるし、あたらぬこともある。そして、その根拠も曖昧になる。

自身の情報のエッジがなくなることとほぼ同義である。

セクター投資は投資としてはありだが、投資家としてのエッジを薄めて勝負する?

一時的なさや取りはありとして、果たして継続的に勝てるかどうか…

 投資家は自分が勝負して、一番勝機のあるところで勝負するのが基本。

イチローだって、すべてのたまに手は出さないだろう。

バフェットの理解も不十分

バフェットは、ビジネスモデルに投資をしているというが、スタートポイントは過去の実績だ。それに歴史が重要だ。

実績に基づいて、その背景は何かというアプローチでビジネスモデルを研究している。

ビジネスモデルありきではない。

海外ではセクターファンドはメジャーで巨大 

少し目線を海外に拡げてみる。

実は、米国ではセクターファンドに巨大なファンドがごろごろしている。

加えてセクターファンドの投資信託の品ぞろえも充実している。

フィデリティにも優良なセクターファンドとそのマネージャーが存在する。

実はセクターファンドのファンドマネージャーの方がダイバーシファイドのファンドマネージャーよりも優秀と言えるかもしれない。彼らはそれこそスペシャリストであるからだ。

一方、日本にはセクターファンドの品揃えが少ない。供給サイドの問題もある。

まとめ 

散々パラ書いてきたが、最後にこの本のいいところはバリュエーションに関しての記述。

p.46-54

ここは個人投資家も機関投資家がどういった株価評価軸を持っているのかを知るのには良い。

まあ、機関投資家もこの程度かと悟られるのも裏腹だが。

個人投資家も知らないで戦うよりはいずれにせよましであろう。