泉田良輔の考えたこと

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なぜストラテジストが2万円を超えるような日経平均予想をするのか

 

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ストラテジストの予想の裏側を考えてみる

 

私はストラテジストが日経平均の予想を毎年発表しているのを見ていて、「いつもどうやっているのかなぁ」と思っていました。各々いろいろなアプローチでやっているのでしょうが、今回はなぜ現在1万6000円弱である日経平均に対して2万円を超えるような予想がされるのかを考えてみました。

 

株価指数は名目GDPとともに拡大する

 

GDPは国内で生み出された付加価値の合計であり、株価指数は企業の時価総額の合計を調整し指数としたものです。時価総額とは、発行済株式数に株価を掛け合わせた数字です。また、時価総額は、企業が生み出した付加価値から経費等を除き税金を支払った後の純利益にPER(Price Earnings Ratio、株価収益率)を掛け合わせることで算出することができます。つまり、時価総額は企業が生み出した付加価値が重要な要素となります。議論を単純化すれば、企業の生み出す付加価値が増え、その合計であるGDPが増えれば、株価指数も上昇していることになります。ここで重要なことは、GDPは実質ではなく名目みてやるである必要があります。理由は、企業収益は当然名目の物価や賃金で決定されるからです。さて、その視点で日本株を代表する株価指数であるTOPIXと名目GDPをみてみましょう。

 

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図表1からは足元のTOPIXが大きく上昇しているのが分かります。いわゆる「アベノミクス相場」です。名目GDPも2012年7-9月期(Q3)から2013年7-9月期(Q3)にかけて増加しているのが分かります。

 

では、TOPIXはどこまで上層すると考えればよいのでしょうか。アベノミクスでは、物価上昇率を2%を目指すとしています。仮にその物価目標を達成することができれば(この前提が非常に難しいことはここではいったん忘れてください)、実質経済が成長しなくても名目ベースで年率2%で成長することになります。

 

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図表2からは、名目GDPが毎年2%ずつ成長すれば、2016年には513兆円となり、図表1にある2007年Q3の514兆円に近付く水準となります。非常に乱暴な議論ですが、名目GDPが2007年Q3と同水準になれば、株価指数も同水準になってもよいとすると、2016年には1,775をつけます。12月20日のTOPIXが1,262であることを考えれば、上昇余地が+41%あることになります。最近のTOPIX日経平均は変動のかい離が小さくなってきたことを考慮に入れると(図表3参照)、現在の日経平均の水準から+41%の上昇余地を考慮すると、22,327円を付けることになります。そもそも、名目GDPが毎年2%ずつ成長し続ける前提をメインシナリオにおくことができませんし、2016年に達成する前提の名目GDPを2014年に前倒しして適用することもどうかと思います。

 

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日本経済は循環するけれども継続的に成長していない

 

図表1からは2004年から2013年までのTOPIXの動きを振り返れば、景気動向に左右されながらボトムの729からピークの1,775を挟んでのボックス圏内で動いていることが分かります。先に見たように、継続的に名目GDPが拡大するようなベストケースであれば、日経平均が2万円が超えるケースは考えられます。しかし、国内景気やインフレ率など人力で長期にわたってコントロールすることは難しいでしょう。投資家はベストケースとしての株価のアップサイドの前提条件を頭に入れながら、現状はどこにいるのかを確認し続けて運用する必要があります。こうしたことを考えると、2014年1月からスタートするNISAも5年後の株価との比較という要素が残りますから、運用を開始するタイミングは非常に重要になります。高値で仕込んでしまうと、NISAの恩恵はまったくありませんから。

 

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