泉田良輔の考えたこと

ノマドアナリストが株式投資, テクノロジー, エネルギー, FinTech, メディア, サッカーをテーマに.

ロンジンというネットメディアをやって痛感したこと:佐々木紀彦「5年後、メディアは稼げるか」

 

5年後、メディアは稼げるか――Monetize or Die?

5年後、メディアは稼げるか――Monetize or Die?

 

 

Longine(ロンジン)を立ち上げた経験から、読んでみた。

この編集長は同年代だし、結構うんうんと頷けることも多数。

しかも、この本の巻末にあるように、僕自身も同じことをイメージしてました。

福澤諭吉は時事新報を立ち上げた」

私も佐々木編集長も同じ慶応出身だからですかねぇ。

福澤の歴史を知ると、人生で一度はメディアを立ち上げたいと思いますよね。

 

さて、ロンジンを立ち上げて実感したことがあります。

「情報はたくさんあるけど、世の中に本当のコンテンツって足りてないんだ」

ということ。

 

情報があふれているのに、それらを噛み砕いた分析が足りていないという事実。

よく言われるように、分析は分析であり、見方が違えば別の分析もあります。

ただ、分析をして、さらに批評しあうというのは新しい視点を生みます。

まさに、「動的クリエイティブ」です。

 

私はこれまで証券アナリストであって、書きものの編集者の経験はないです。

(本を出版した時に、編集者って面白い仕事だなぁと感動しましたが)

 

ただ、「世の中のほとんどは編集が付加価値を生んでいる」と思っています。

スティーブ・ジョブズも何を捨てるかを決める天才だった編集者。

ポートフォリオマネジメントも3000銘柄ある中から、ベストの数十を選ぶ編集作業。

日本の電機業界がいまいちなのも、技術の編集が下手だから。

インテリジェンスも情報を組み合わせて大きな画を描く編集作業。

あらゆるカテゴリの肝は「編集」。

 

まあ、イノベーションって「編集」のことを言うんですけどね。

シュンペーターの定義を何度見てもそう読める。

そろそろイノベーションを教える大学の先生たちも気付いた方がいいですよ。

 

さて、証券会社のレポートは、退屈なんだけれども、それには理由があります。

証券会社の名誉のために言います。

それはどうしてもクリアされなければならない問題があるからです。

それは、コンプライアンス

投資家へ誤解を与えないように、各社いろいろ注意を払っているはずです。

本来、クリエイティブであるべき、調査レポートが骨抜きになるわけです。

結果、投資家が損をしているような気がしないでもないですが。

もひとつは、編集機能がそもそも存在しないということ。

これは証券会社の能力の問題というより、怠慢。

本来は調査部長とか呼ばれる人たちがすべき作業なんだけど、できてませんね。

アナリストの調査レポートを編集して、全体をストーリーとして説明できれば最良。

でも、これは能力によるところとアナリストの交通整理に忙しいのが実際でしょう。

 

この本でウェッブメディア成功の条件として挙げられていたのが

  • 「キャラ立ち」
  • 「IT力」

ロンジンは幸いなことに、20年以上の業界に詳しいアナリスト、専門家が勢揃い。

「キャラ立ち」は間違いなくしている(実際はもっと実態に近づけたい)

次いで、IT力。

グーグルアップスのcertified developer、クリエイティブの専門家もそろい踏み。

いけてますかね?! 

 

東洋経済オンラインはまだ広告モデル。

いつから有料になるのだろうか。

優良コンテンツを「有料コンテンツ」として成立する環境にしたいというところでしょうか。

ぜひ!ぜひ!