泉田良輔の考えたこと

ノマドアナリストが株式投資, テクノロジー, エネルギー, FinTech, メディア, サッカーをテーマに.

アベノミクスの舞台裏と今後-政治と経済はシステムそのもの。よってトレードオフが存在する。

昨年来のインタゲ・金融緩和のアナウンスメントと黒田日銀総裁のエグゼキューション。

ここまでは、円安・株高を実現、景気も上向きかであるような演出もできました。

安倍さんとしては、100日プランの立ち上がりとしてはまずますだと思っているはずです。

 

しかし、安倍さんの正念場はここからです。

 

最近の経営者との議論では、

「『実需』が戻ってこないので設備投資への自信がない」

というのがほとんど。

目先の円安・株高はすぐには、設備投資や雇用には効くはずもありません。

株価が上昇すれば、資産効果もあるでしょう。

ただし、相場は依然として「金融相場」の様相です。

GDPの6割を占める消費に果たしてどれだけ効いてくるのかはまだ見えません。

実際、消費にプラスの影響が出てくるのは、賃金が上がってくるのを確認してからでしょうか。

小売業が先んじて、賃金を上げるというはなし、他の経営者ではにわかに信じがたいという意見です。

 

こうした環境の中、今月末以降の企業決算と経営者のコメントに特に注目です。

たとえば、受注動向が回復してこなければ、経営者も強気にはなれません。

最終需要で強気になれる製品や産業とはどういったものがあるんでしょうね。

決算で特段需要に関して強気になれなければ、株価をどう正当化するのか再考必要です。

 

アベノミクスの短期的な成功だけが語られ、マイナス面の議論が足りていないように思います。

政治と経済は表裏一体で、システムとして考える必要があります。

つまりは、「トレードオフ」が確実に存在します。

その代表例はエネルギー問題です。

 

安倍さんは、近々、ロシアとサウジを訪問する予定になっています。

おそらく、天然ガスと石油を安定的に調達・確保というのが目的でしょう。

安倍さんは円安を実現できた一方、輸入する化石燃料への支払は確実に増えます。

これが、アベノミクスのトレードオフ問題です。

震災以降、日本は化石燃料を焚き続けなければならない電源構成になってしまいました。

燃料の調達先を確保するとともに燃料費用をどうするかを考えなければなりません。

アベノミクスは、将来の消費、雇用、設備投資の回復期待がある一方、短期の確実なキャッシュアウトをともなうのです。

電源構成が変わらない以上は、日本からの燃料費としてのキャッシュアウトが続きます。

原発を再稼働できる可能性と景気回復の可能性どちらが高いか。

電源構成が変わらないという可能性が景気が回復することよりもより高いと思います。

だから、キャッシュアウトは続き、円安ということでもあるのでしょう。

 

アベノミクスは長期のテーマで期待を持たせ、短期の現実問題の処理に追われています。

こうしたケースは、大概、「業績下方修正」をともないます。

 

取り急ぎ。