泉田良輔の考えたこと

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日本海軍にみる、いつまで経っても変わらない日本の組織

日本海軍の功罪―五人の佐官が語る歴史の教訓

日本海軍の功罪―五人の佐官が語る歴史の教訓

野中郁次郎と源田実の対談がおもしろい@千早他「日本海軍の功罪」プレジデント社

野中は言わずと知れた経営学の学者。

源田は元第一航空艦隊参謀、三四三航空隊司令、参議院議員。

主な戦績は、真珠湾攻撃、インド洋作戦、ミッドウェー作戦などで南雲機動部隊を支える。

日本は真珠湾攻撃やマレー沖海戦で航空部隊が勝利したが、大艦巨砲主義から抜け出せなかった。

なぜか。

源田曰く、

「職業意識がつよすぎるからですよ。

とにかく撃つ大砲がなかったら自分たちは失業するかもしれない。

(中略)

兵術思想をかえることは、単に武器の構成を変えるというだけでなく、

それまで大艦巨砲主義に立って築かれてきた組織を変えるということにもなるわけですから、…」

外部環境が変わったのが分かっても、これまでの仕組みを変えると内部で失業者が増える。

だから手が打てない。

でも、これは本末転倒。放置することとで、傷口がさらに広がる。

戦略を変えて、組織をどうするかを決めるのがトップの仕事。

つまり、日本海軍はこの点に関してトップが怠慢だったということになる。

そういう意味では、ばさばさ切れる方が損切りがうまくて大怪我しないともいえる。

さて、源田はもう一つ当たり前だが、重要なことを言っている。

「兵器の性能、兵員の質がおなじならば兵力数が多い方が勝つ」

ワシントン条約で主力艦の保有トン数の割合を決められたので、差は絶対埋まらない。

でも、技術力や精神力を持ち出してみたが、補えなかったという話。

これもどこかで聞いたような話。

主力艦保有トン数 ≒ 資金力

日本は航空主兵により大きな戦果をあげたにもかかわらず、その意味が分からなかった。

結局、戦争が終わるまで、戦艦主兵論も艦隊決戦思想も変わらなかった。

「日本軍は調子のよい時は馬鹿力をだすが、落ち目になるとからきし駄目です。」

というような対談。