泉田良輔の考えたこと

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オシント(OSINT)とは。その意味と分析方法について

インテリジェンスの勉強を始めた方にとって、オシント、シギント、ヒューミントなど聞きなれない言葉が出てくると思います。今回はその基礎的な意味や分析方法、使い方などについて見ていきましょう。

私も証券アナリストとして調査活動を長年務めてきてはいるので、インテリジェンスの定義は必要ですが、広義のインテリジェンスの端くれという意識を持っています。

さて、今回はインテリジェンスに最も重要と思われる、オシントについて見ていきましょう。

オシントは “Open Source Intelligence” の略

日本語にすると「公開情報インテリジェンス」になるんでしょうか。インテリジェンスが日本語でないというツッコミも気そうですが。

さて、諜報活動をしているインテリジェンス、たちえばCIAのような専門家集団でもオシントの重要性は理解されています。

>>インテリジェンス―機密から政策へ

↑によると、

米国インテリジェンスの冷戦後のロシアに関する公開情報と秘密情報の割合は80:20とのこと。

また「オシントは秘密の情報をより広い文脈に置く上でも役立つ」ということからも、オシントは情報収集のベースであるということもできるでしょう。

8割の公開情報で大まかな構造を推測して、2割の秘密情報でそれを強くサポートするといったところでしょうか。

インテリジェンスもアナリストも基本的な調査の作業は同じ

株式を調査するアナリストといえば、公開情報をもとに分析することになっています。

公開情報にあたって、大まかな全体像を描く作業はインテリジェンスと同じです。

しかし、秘密情報が含まれていればインサイダー取引の可能性が出てくるので、その情報自体は使うことはできません。

この点は諜報活動をするインテリジェンスとの大きな差になります。

公開情報とは

さて、公開情報といっても、公的機関が発表しているマクロデータから業界紙の企業のトップマネジメントのインタビューまで様々です。

マクロ指標は遅行指標のことが多いですし、過去のトレンドは読むことはできても未来は言い当てることはできません。気休めです。

私が大事にしているオシントは、業界紙や業界に特化した雑誌です。幸い慶應義塾大の図書館には一通りそろっていて重宝しています。

役立つ情報源-私が良く使うソース

一般紙やビジネス雑誌とは違って、一歩踏み込んだ業界の見方やデータが散らばっています。

たとえば、エレキ業界であれば「電気新聞」や「日経エレクトロニクス」は毎回勉強になる記事が多いです。雑誌の場合は編集に時間がかけられているので、情報の鮮度は落ちていることもあります。

その点、新聞の方は生のデータや旬の考えが掲載されているのでアイディアのきっかけになります。はじめに電気新聞を見たときは正直内容に驚きを覚えました。

長期的な視点からは、「エコノミスト」紙のテクノロジーの特集が参考になります。

現在どのような研究がされて、どのようなアプリケーションが期待されているのかを書いてくれています。

リアルタイムにニュースを更新するような「Bloomberg」などはあれば便利です。しかし、じっくり業界の将来や変化を考えるときに使うソースではありません。

オシントの重要性は継続性

また、オシントの重要な点としては継続的に入手できるデータかどうかです。

オシントでも一度きりの情報であって、継続的にアップデートができないと利用価値がぐっと落ちます。

定期的に開示されるデータというのがオシントでは一番使い勝手がよいと思います。

過去のデータは未来を語るわけではないですが、過去と比べてどの位置や水準にいるのかや将来を予測しようとするきっかけを与えてくれます。

話が変わって、ヒューミントにおいても、直接取材できてこれまでにない情報を手に入れてもアップデートできないと正直意味がありません。

例えば、インタビューでその人物がそのとき期待を込めてコメントしていたのか、保守的にコメントしていたかで聞き手の印象も違ってくるでしょう。

継続的に取材やコンタクトができればその辺の癖も自分で分かるようになってきます。

そういう意味でも、継続的にアップデートできる情報源というのは何にもまして重要です。

まとめ

いかがだったでしょうか。基本的な調査作業は、インテリジェンスであれアナリストであれオシントが中心になると思います。オシントをどのように活用し、分析した結果を表現するかということはインテリジェンスやアナリストにとっては必須だと思います。