日経BizGate「すべてを飲み込むアマゾン、『持つ経営』で何を狙うのか」を寄稿しました
ご存知でしたか?
アマゾンはネット企業とは言え、資産をどんどん取り込む企業として成長を続けています。
一般的にネット企業は資産を持たない「軽い」経営をすると見られがちですが、アマゾンはそのスタンスをぶち壊しています。
日経BizGateへの寄稿です。
不定期ですが、ご興味あればぜひ。
あわせて読みたい
東芝は次の一歩に踏み出せそうな印象
東芝が増資を発表して-なんと6000億円!-ウェスティンの債務保証と売却も見えている気配。
東芝メモリの売却がうまくいく前提と合わせて、今年度の債務超過を解消し上場廃止リスクを回避、というストーリー。
発行済株式総数は記事にも記載があるとおり果てしないが、まあ企業としての継続性の方がより重要だろう。
今後は、様々な出資者がいるメモリとそれ以外の成長事業をどう見つけていくか。
いろいろあったが、立て付け&座組はほぼ固まったといったところか。
終わってみれば、いろいろすったもんだはあったが、お見事!といえる範囲。
【追記】リリース発表後のその後
11月20日の株価は17日終値の292円に対して▲17円下落して275円で引けたが、21,22日は反発。
22日は303円で引けている。
日本株も米国株も投信もNISAもiDeCOもいずれも始めたいならネット証券がお得です【PR】
株を始めるのも、投信を買うのも、NISAを始めるのもイデコを始めるのも証券口座が必要です。
大手証券会社や銀行で口座を開設しても、手数料が高かったり、商品の品揃えが少なかったりと使い勝手が悪いこと多いです。
ネット証券はインターネットを使って口座を開設して、取引がネットで完結するうえ、手数料が安く、品ぞろえが豊富なので、使い勝手は良いです。
ネット証券の解説に興味があれば、以下のリックから色々検索してみてご自身にあった証券を選んでみてはじめてみてください。
私どもが運営している「投信1」内のページです。
別に会社から広告費をもらっているわけではないのですが【PR】とつけてみました。
そちらの方がPRしているっぽい感じになるかなと思い。
ネット証券比較の決定版 powered by トウシンワン | 個人投資家の声 × アナリストの視点をもとにネット証券を徹底比較!
iDeCoについて詳しく知りたい
The Economist でインタビュー記事が公開されました。
英エコノミストとのインタビューでは、日本の現金嗜好の強さやポイントカードなどの話をしました。
でも、やっぱり中国の決済、FinTech動向の方が個人的には気にはなります。
英語ですが、ご興味があればどうぞ。
川崎フロンターレが鹿島を倒して2017年リーグ優勝できるシナリオとは
2017年9月30日のJ1の第28節、川崎フロンターレ対セレッソ大阪戦。森谷選手のスーパーミドルシュートも含め、5-1という勝利とともに、勝ち点で先行する鹿島が鳥栖に敗れ、また勝ち点で並んでいた柏が甲府に敗れたために単独2位、鹿島との勝ち点の差を5点までに縮めました。どういう条件がそろえば川崎Fは鹿島を上回って、優勝することができるのか考えてみました。
勝ち点5をいかに埋めるのか
勝ち点は、勝利すれば3点、引き分ければ1点、敗れれば0点です。
残り6試合を通じて、鹿島との間の5点差を埋める必要があります。
- 川崎Fが勝ち、鹿島が負ければ、勝ち点の差は3縮まります。
- 川崎Fが勝ち、鹿島が引き分ければ、勝ち点の差は2縮まります。
- 川崎Fが引き分け、鹿島が敗れれば、勝ち点の差は1縮まります。
- 川崎Fと鹿島の結果が同じ場合には、勝ち点の差は変わりません。
勝ち点5の差を詰める組み合わせは、以下の通りです。ちなみに、勝ち点の差を埋める順番を問いません。
また、川崎Fが対鹿島に対してマイナスになるシチュエーションは心持ちとしてもまたシミュレーションが複雑になるので、ここでは考慮していません(実際には十分にありうるシナリオ群ですが)
- (3、2、0、0、0、0)
- (3、1、1、0、0、0)
- (2、2、1、0、0、0)
- (2、1、1、1、0、0)
- (1、1、1、1、1、0)
1番目のケースは、「川崎Fが勝ち、鹿島が負ける」という組み合わせが1回、「川崎Fが勝ち、鹿島が引き分ける」という組み合わせが1回で、それ以外の4試合の結果が川崎Fと鹿島が同じというものです(もちろんこの試合結果が同じという中には、それぞれが勝利をする、引き分ける、敗れるというのを含みます)。
2番目のケースは、「川崎Fが勝ち、鹿島が負ける」という組み合わせが1回、「川崎Fが引き分け、鹿島が負ける」という組み合わせが2回で、それ以外の3試合の結果が川崎と鹿島が同じ。
3番目のケースは、「川崎Fが勝ち、鹿島が引き分ける」という組み合わせが2回、「川崎Fが引き分け、鹿島が負ける」という組み合わせが1回で、それ以外の3試合の結果が鹿島と同じ。
4番目のケースは、「川崎Fが勝ち、鹿島が引き分ける」という組み合わせが1回、「川崎Fが引き分け、鹿島が負ける」という組み合わせが3回で、それ以外の2試合の結果が鹿島と同じ。
5番目のケースは、「川崎Fが引き分け、鹿島が負ける」という組み合わせが5回で、それ以外の1試合の結果が鹿島と同じ。
こうしてみると、鹿島の強さを考えて、現実的に狙えそうな組み合わせとしては、1もしくは2くらいかなと。
残り6試合で鹿島が最低でも川崎Fに対して2回負け越してくれると…どうなんでしょうか。
1のケースで見た時のそれぞれの結果が同じというのも、鹿島はそんなに負けないでしょうから、勝つか、最低でも引き分けるというところでしょう。
【2017年10月22日・追記】
川崎Fは10月14日の対ベガルタ仙台戦に3-2で勝利。一方、鹿島アントラーズも対2-0で勝利し、お互いの勝ち点差は縮まりませんでした。
ところが、10月21日の試合では、川崎Fが対広島戦でアウェーで0-3で下したのですが、鹿島アントラーズが対マリノス戦でアウェーで2-3と敗れたため、勝ち点差が2点差へと縮まりました。
上記のシナリオでいけば、ケース1及び2で進んでおり、
- (2、0、0、0)
- (1、1、0、0)
のいずれかの組み合わせで川崎Fの優勝が決まります。
つまり、3試合のうち一つで、川崎Fが勝ち、鹿島が負け、また残り3試合で同じ結果か、川崎Fが2試合引き分け、鹿島が2試合負け、残り2試合同じ結果であれば、川崎Fの優勝が決まります。
まあ、現実的には、鹿島が2試合負けるというケースは考えにくいので、川崎Fと2試合は同結果で、1試合で転んでくれればというところでしょうか。
川崎Fは勝ち続け、鹿島の対戦相手にどこかで踏ん張って勝ってもらえれば、というやや他力本願がありますが、そういうことです。
【2017年12月5日・追記】
- 10月22日以降は、川崎Fの戦績は以下の通りです。
- 10月29日の柏戦は引き分け△(鹿島は勝ち)
- 11月18日のガンバ戦は勝ち〇(鹿島は勝ち)
- 11月29日の浦和戦は勝ち〇(鹿島は引き分け)
- 12月2日の大宮戦は勝ち〇(鹿島は引き分け)
結局、最後の4試合は以下の様になりました。
(-2、0、2、2)
柏戦の後は非常に苦しくなりましたが、巻き返しました。
なぜ同じ勝ち点で良しとしているのか
勝ち点に並ぶことを考えるだけでいいのか、というツッコミに対しては、28節を終えての現在の得失点差が川崎Fが+28で、鹿島が+19なので、まあ、残り6試合でこれは埋まらないという前提ではあります。
もしかして鹿島の大量得点で埋まってしまったら、それは前提が崩れることになります。
柏や横浜Fマリノスはどうした
柏の川崎Fとの得失点差が3、横浜Fマリノスとの差が5なので、川崎Fの試合展開次第でまくられる可能性は十分あります。
したがって、ケース4や5では、話にならないわけではあります。
ただ、2017年元旦の天皇杯の屈辱を取り戻すためには、何としても鹿島をどうするのか、どうしたいのかというのが川崎Fサポの共通の思いですので、今回は柏と横浜Fマリノスの動きは対象外としました(すみません)。
鹿島の残りの対戦相手はどこだ
以下の通りです。強豪や上位争いに残っているチームも多く、鹿島といえどもその試合結果には波乱が伴う可能性は十分に残っています。
- 29節:広島(ホーム)=>鹿島勝ち〇
- 30節:横浜Fマリノス(アウェー)=>鹿島負けX
- 31節:札幌(アウェー)=>鹿島勝ち〇
- 32節:浦和(ホーム)=>鹿島勝ち〇
- 33節:柏(ホーム)=>鹿島引き分け△
- 34節:磐田(アウェー)=>鹿島引き分け△
鹿島は常勝軍団とよく言われますが、浦和、柏、磐田と力あるチームが残っているので、全部勝ち切れるかはやってみないとわかりません。
実は、札幌もホームでは強かったりするので、ジェイに一発かましてほしいところです。
まとめにかえて
いかがでしたでしょうか。まだまだ鹿島を乗り越えていける可能性は十分残されています。また、川崎Fは天皇杯とルヴァンカップを残していますので、緊張感は当分続きます。勝手に頑張りたいと思います。
あわせて読みたい
水平分業と垂直統合は繰り返す。20年サイクル?かそれくらいの時間軸
ちょっと前の記事ですが、最近こんなことを考えています。
早稲田大・野口悠紀雄先生との対談記事が公開されました @NewsPicks
ビットコイン、ブロックチェーン、アマゾン、ICO、最後はシェアリングエコノミーと様々なテーマで話が盛り上がり、楽しい時間でした。
詳細は記事をご覧ください。
こちらが前編
こちらが後編
あわせて読みたい
MUFGのJDDの構成を分析した記事を日経BizGateに寄稿しましたの、こちらもご参照いただければと思います。
サッカー日本代表のいつもの議論。カウンター主体かポゼッション主体か論
先日のオーストラリア戦では、ハリルホジッチ監督の戦術-前線プレス&相手にビルドアップさせない、がばっちりはまりました。
結果は見事に日本勝利&ロシアW杯出場決定!!!
めでたしというわけです。
カウンター主体のサッカーしたいんだっけ?
しかし、試合を観ているものにとっては、気になったのは次のような点ではないでしょうか。
- 日本代表ってカウンター主体のサッカー目指してたっけ?!
- 忙しいサッカーしているな・・・
- プレーしている選手はみんな楽しいのかな?
楽しむためにW杯の予選戦っているんじゃないぞ!というツッコミはあるでしょうし、今回は対オーストラリア戦で出場決めるぞ!ということで、最適化した戦術がカウンターだったということなんでしょう。
ただ、その後の対サウジ戦を見る限りでは、方向性はどうなったのか更に疑問がわいたのではないでしょうか。
これもかれこれ相当前からしている議論で、今に始まったことではなく、残念な話でしかないのですが、まだそこという状況。
元ジュビロ磐田の藤田氏、かく語りき
と思ったら、元ジュビロ磐田の藤田氏が次のような記事を公開してました。
あくまでもボールをつなぎ攻撃を仕掛けるスタイルで行くのか。それとも、カウンター主体のサッカーで短期決戦での結果を追い求めていくのか。カウンターサッカーは時として効果的だが、果たして、それは日本サッカーが目指すべきスタイルであるのか。そんなことを自問自答するキッカケにもなったわけだけれど、ワールドカップだけのことに限らず、今後の日本のサッカースタイルを確立する意味でも、積極的に議論し決定していく必要はあるだろう。
いい加減、この議論から抜け出したいなぁと。
まとめにかえて
毎回W杯の度に同じ議論をして、解が出ていない。
個人的には、「日本人代表監督&Jリーグのコアチーム」で、どうしたいかを議論するべきかと思います。
毎回「外国人代表監督&海外組組み合わせ」で、乗り切ってしまうという状況にそろそろ、決めたら?と思う次第。
今回参考にした記事
MiFID2とは何か。証券アナリストはどうなる?証券会社や運用会社どうなる?金融庁は?
元メリルリンチの銀行アナリストの大槻さんのMiFID2についての記事。当記事で言及されている中でもMiFID2には、様々なポイントがありますが、ランダムに。
MiFID2(Ⅱ)の読み方
はじめての方は迷うと思うので、まずかここから。
「ミフィッドツー」と読む。「ミッフィー・ディー・ツー」と覚えよと、別の人に教わった。
そもそもMiFIDの規制概要とは
「ミフィッド」(Markets in Financial Instruments Directive) という規制は、欧州版の「金融商品取引法(金商法)」のことである。2007年11月に、投資家保護を主眼に施行された。日本の金商法と同様に、運用会社や証券会社に対し、投資家に合った取引商品の提供や、取引の透明化などを義務づけている。
そしてMiFID2へ-2018年1月1日
2014年6月に公布された改正法「ミフィッド2」が示した手数料規制の大幅な厳格化
もともと施行はもっとはやい予定だったが、英国のEU離脱などのイベントもあり、伸び伸びとなっていた模様。
そして迎える2018年1月1日。
なぜMiFID2か
ところがミフィッド2では、運用会社が外部リサーチを購入することは「原則として禁止」とされた。購入されたリサーチが本当に投資家のためになっているのかが不透明なためだ。
機関投資家とよばれるバイサイドは投資に必要な判断に至るまでの調査はそもそも自分で調べることにはなっている。
ただ、実際は、証券会社に所属するアナリスト(セルサイド・アナリスト)に会社の業績モデルをもらったり(発行体がセグメントなどを頻繁に変えるケースでは重宝する)、事業会社の特別に人に合わせてもらえるような段取りをしてもらっていた。
そうしたサービスがどれくらい価値があるのかはさておき、「原則禁止」というのはアクティブ運用の実態を完全に無視している。
仮に、セルサイド・アナリストのサービスがゼロになると仮定したときに、バイサイド・アナリストが全部自分で用意するというのは実作業レベルではちょっと考えにくい。
証券会社だけではない、本質は運用会社の直面する苦境
ただ、バイサイド・アナリストはもっとまじめに調査しろ!というメッセージは見えるが、果たしてどれくらいの割合で機能するかは今後時間とともに明確になるであろう。
外部リサーチへの調査費用が明確になるということは、バイサイド自身の調査費用はいくらになるのかという話でもある。
つまり、アクティブ運用に資金を拠出している投資家からすれば、「そのパフォーマンスを出すのに、内部の人材に対してそんなにカネをかけているのか!」ということにもなりかねない。
バイサイドからしてもMiFID2で証券会社のリサーチ費用が数値化されることは歓迎されない動きであるということは言える。
なぜMiFID2はこんなに無茶ぶりなのか
今回のMiFID2の話を聞いて思い浮かぶことがいくつか。
世の中は、アクティブ運用(ベンチマークを上回るような運用、アルファをとることを目指す運用)には冷ややかな一方、インデックス運用を歓迎するトレンドが現在は確実にある。
インデックス運用は、市場そのものに投資をし、運用をするというコンセプトなので、個別で企業調査などは必要ない。
仮に、このインデックス運用が今後も主体になるという発想があるのだとすれば、確かに「調査に費用をかけるなんてばかばかしくねぇ?どうせアクティブのほとんどはインデックスに勝てないんだから、そんなの削れるだけ削ったら?」みたいな読みもあるのかなと。
MiFID2は証券会社ドリブンのアクティブファンドはもはやどうでもいい扱いになっているのではという印象すら受ける。
だとすれば、アクティブファンドは大変だなと。
MiFID2で外部リサーチの扱いは?
例外的に認められるリサーチの購入のためには、運用会社は、どんなリサーチにどれくらい支払ったかを、おカネを預けている人や企業に対して明示しなければならない。リサーチ費用の年度予算は事前に決めることが義務づけられ、その予算を各チームに割り当てることになる。このため、データの必要性やその情報がもたらす価値がこれまでよりも厳しく精査されることになる。
普通の企業で考えれば当たり前かもしれないが、「調査」は事前に読み切るのは難しい。上記でいうと、実質ルーティンものしか事前に組み入れることができない。
そして、外部に見せて納得してもらえるような調査に予算を充てないと、担当者も説明するのにまた時間が取られるというので、外部から一定の評価を得たリサーチに需要が集中するということもあるだろう。
とはいえ、投資の世界でみんなの知っている情報を知っているということも大事だが、既にコンセンサスとなっている情報をどれだけ集めてもエッジはないのはみんな知っている。
MiFID2の料金表で証券会社のリサーチはどうなる
アナリストへのミーティングや個別分析の依頼については、さらに1回につき数万円〜数十万円の別料金を要求するとみられる。
まあ、別にアナリストでなくとも外部に調査を頼むということであれば、このレベルは普通ともいえるが…これで驚かれるとインテリジェンスの値段ってと思う。
投資家で数百億とか数千億を運用している人からすれば、本当にも受かる話であれば、1時間数十万レベルであれば、パフォーマンス次第でなんとでもなる数字だというのは気づいている。
ただ、リサーチの内容にもよるであろうが、機関投資家もコストにより慎重になるであろうから、証券会社のバンドルでのリサーチからより細分化された人ベースのリサーチに需要がさらにシフトするのは自然なことだろう。
証券会社もアナリストを採用するときに、MiFID2の枠内で客に売れるアナリストしかとれなくなる。
ジュニアアナリストを抱えるだけの余裕がなくなるところも多いのではないだろうか。
だとすれば、また業界の高年齢化が加速することになる。
また、クロスボーダー、セクターボーダーのリサーチといっても必ずしも証券会社のリサーチが強いわけでもないので、そうなれば、独立系でネットワークのある人が圧倒的に有利に。
となると、証券会社のリサーチの存在意義が問われる。
証券会社のアナリストの仕事はどう変わる
こういってしまっては身もふたもないですが、私が機関投資家をしていたころは、証券アナリストの公開されたレポートはもちろん見はしますが、それもをもって投資判断を直接するということはない。これは私が特殊というよりはまわりも同じ。
機関投資家も証券会社の証券アナリストと同様に決算説明会に出席し、経営者やIRにも(基本的には)会うことができるので、努力次第ではあるが、入手(アクセス)できる情報には変わりがない。
では、証券会社のアナリストの仕事はこれからどうなるのか。
機関投資家時代にありがたっていたのは「いつもとは違う情報」だ。つまり、証券アナリストが持っている情報ではないことになる。
では、証券アナリストはどう生きるのか。
禅問答のようになるが、証券アナリストが入手できない情報をとってくるということに尽きる。
担当する業種によるが、業界の情報かもしれなし、技術の情報かもしれないし、それらを分析した結果かもしれない。
また、情報を持っている人を見出す目利き力も問われるであろう。
おかしな話ではあるが、決算を分析して投資判断をするのは証券会社の証券アナリストの仕事ではなくなるかもしれない。
とっておきの情報を持ってくるか、めんどくさい収益予想モデルのアップデートをしてその作業をありがってもらうのか、どちらかという極端なことも十分にありうる。
個人投資家と機関投資家の情報格差
アナリストリポートの開示範囲が狭くなる可能性が高い。これまでは、一部の大手証券会社のリサーチリポートは、その証券会社の顧客でなくても、ネット上など何らかの形で読むことができた。しかし今後は、多額の支払いを行う顧客からのクレームが怖いので、顧客以外はリポートを見ることができないように工夫が凝らされるだろう。同様にアナリストのメディアに対するコメントも自粛が促され、個人投資家と機関投資家との情報格差が大きくなる可能性もある。
一番最後が重要。
これまでも個人投資家と機関投資家の情報格差があったにもかかわらず、手数料?調査料?にカネを払わない投資家(別に個人だけではない機関も含まれる)はインテリジェンスにアクセスできないということになる。
機関投資家もネット証券に注文する?
仮に、機関投資家は証券会社には発注だけして、リサーチは別から調達する、という具合にしたときに、さて、これは一体何なんだと。
機関投資家は売買の発注をするときはネット証券に注文を出して、リサーチは自前か、外部から買えばいいということになる。
ただ、昔を思い出すと、インスティネット証券とかあったなぁと思いだす。
時代が一巡したんだろうか。
MiFID2の金融庁の対応はどうなる
問題はここ。
ただ、様子見の様子。
欧州の動きを見て、米国がどうするか、そして日本がそれを見てどう動くか。
まとめにかえて
個人投資家向けの金融経済メディアLongineも4年が過ぎたが、また更にその役割が(勝手に)見直される。とポジショントークでしめるが、いずれにせよアナリストの仕事そのものの意義や証券会社はアナリストを抱え続けるのかという点も。
また、中小型株のようにアルファの取りやすい銘柄のアクセスは引き続きあるであろうから、そこは需要は残るのかなと。
ただ、そこは今まで通りなので、大きい銘柄を見ていた人の競争が第一段かと。
https://www.longine.jp/
ネット証券比較の決定版 powered by トウシンワン | 個人投資家の声 × アナリストの視点をもとにネット証券を徹底比較!
今回執筆にあたって参考にした記事
あわせて読みたい
IKEA(イケア)の全体像を分析した記事は他に見ない…と思いますが:決算、株主、構造
日本のイケアの話は世界の一部。
どちらかというと世界のイケアの話、ファンド、持ち株会社、FCの仕組みも含めて解説している記事はなかなか見当たらない。
一言で言うと、イケアは消費者が買い物に行く時に見る姿とは違って、非常に複雑な組織。
イケアは未上場企業。
秘密のベールに包まれていて、勢いのある会社だなと。
ニトリもいい会社だが、ちょっと規模が違いすぎますね。
参考文献
創業者の話は、壮絶。
第三者の見方もどうぞ。
あわせて読みたい
メディアは本当に自由競争で素敵な世界
下が、8月13日の「投信1」の記事。
お盆のさなか、ヤフトピにもでました。
下が、8月23日の「プレジデント・オンライン」の記事。
何なんでしょうか「時価」って。
市場関係者やアナリストが見たらおっおっおって思います。
魚や野菜とは違うよ、企業の時価総額は。
いずれにせよ、ZOZOTOWN人気ありますね。
まとめ
メディアは自由競争で本当に読者に刺さる記事を書くメディアが残る世界
鹿島アントラーズ。弱者のマーケティング戦略、強者のサッカー実績
鹿島はいつも嫌な対戦相手であると同時に、楽しみなゲーム展開を期待できる相手。その鹿島のマーケティングの裏側がよくわかるインタビュー。今回はエッセンスを更に抽出。
負けない勝ち切るサッカーはコンテンツ
それはそもそもユニバースが限られている分だけ、勝利にこだわる土壌があったという話。
我々のホームスタジアム「茨城県立カシマサッカースタジアム」がある鹿嶋市の人口は6万7000人。スタジアム周辺30キロ圏内の人口を含めても78万人しかいない。このマーケット規模で商売になるかと考えたら、商売にならない。なるわけがないんです。
鹿島のマーケティングのすべてが規模の差にある。
同じ関東圏にあるクラブの浦和レッズやFC東京、横浜F・マリノスは都市部にあり、1800万人~2000万人規模のマーケットを対象にビジネスを展開している。我々とは20倍以上もの差がある。
確かに人口規模でいえば20倍かもしれない。
ただ、都心はサッカー以外のエンターテインメントの選択肢も多い。
時間の奪い合いの競争は厳しいというのは付け加える必要があるだろう。
コンテンツ×流通
どんなにいいものを作っても伝える方法、流通を確保しないとという話。
「アントラーズは強い」というイメージづくりに取り組んできましたが、その情報を伝える手段がなかった。その問題を解決し、一人ひとりのファンとつながるために、ファンクラブを創設しました。
ファンクラブ設立の背景の発想が特殊。リアルのオウンドメディアを作ったと。
茨城県における通勤・通学の手段はほとんどが車。電車を使っている人がいないので、中吊り広告は効果がない。全国で唯一、ローカルの放送局もない。
そうなのか!
ファン層の高齢化
これはサッカーに限らない。米国や欧州のスポーツも同じ。
ただ、これまでの25年間を振り返ってみると、既存のサポーターを大事にしてきた一方で、スタジアムが非常に閉鎖的な空間になっていた。
ここまでの成長は既存サポーターあってこそですが、今の状態のままでは将来性がない。放っておいたらクラブがなくなってしまう。この状況を脱するには、誰もが楽しめるスタジアムに変えていかなければいけないと考えて、現在さまざまな施策を展開しています。
これは鹿島だけではなく、日本中心で商品やサービスを提供する会社すべてにいえることではなかろうか。
アメリカは、「スタジアムを維持するためのコンテンツの一つとしてチームを持つ」という考え方で、スタジアムを持っている人たちがスポーツチームを支えているんです。一方で、日本は「チームのためにスタジアムが存在している」という考え方にもとづいて、チームがスタジアム経営も行おうとしています。
発想がそもそも逆だと。
まとめにかえて
いずれにせよ、ユーザーを作っていくような新しいサービスを目指すときには大木に参考になるインタビュー。
他作だから天才とはかぎらないが、天才は他作
はじめからすごいモノを作ろうとするとリキんで手が動かせなかったりします。ところが、細かなテーマで一つずつ作っていくと、意外に大きなテーマが自分がしたいことがつかめてくるという体験はないでしょうか?
「木を見て、森を観る」vs.「森を観て、木を見る」
そう、ちょうど、「木を見て、森を観る」的なプロセスで。「森を観て、木を見る」が重要と言われる中、あえて「木を見て、森を観る」が大事だと感じてます。
一応自分はアナリストだと思って?生活する中で、毎日いろいろな記事を読んだり、分析したり、アウトプットしてみたりしています。
ただ、はじめから全体像が見えていることなどほとんどなく、マイクロ(日本語で言うところのミクロ)な分析や体験をして、全体が見えてきているというのが率直なところです。
マイクロの分析(ここではレポートや記事などの文章も含めて)をいくつもこなす上で、各マイクロについての理解は平均値よりも知っていると思うようになればさらに先に進めます。
また、同じ対象に対して繰り返し分析を続けていっても、結局は自分の分析内容がマージナル(限界的)になってしまうので、個人的には分析する対象物はどんどん切り替えていった方が結局は「森を見る」のは早くなるのかなと。
優秀だが手を動かせないケース
優秀な人でも、実際は手が遅い人は結構多いと思います。実にもったいないなと。
また、短期間に仕上げられる場合は良いですが、できあがったモノがイマイチであれば、周りからの評価も当然ながら良いものとはなりません。
ただ、手を動かす作業がない分、そこでの気づきは十分とは言えないでしょう。
結局は天才は他作
東洲斎写楽とか司馬遼太郎とか手塚治虫とか、はたまた青山剛昌とか東野圭吾とか(漫画家が多いな)、天才と呼ばれる人たちは創り続けることができるという才能が確実にある。
歴史の登場人物を軸に小説を何作品も書き上げるというのは尋常ではないし、ストーリーと漫画を書き続け、単行本が100巻を超えるとか言うのも超人的。
まあ、普通の才能の人にはそんな機会は与えられもしないですが、与えられても実現はできないです。
編集者から以前聞いた話では、編集者はこの作家が書き続ける才能があるかどうかというのを大事にしているとか。
つまり、人間関係を構築して仕事をするので、確かに長い関係を築けないと効率が悪いとも言えなくもないです。
余談ですが、個人的におすすめなのは、司馬遼太郎だと「燃えよ剣〈上〉 (新潮文庫)」/「燃えよ剣〈下〉 (新潮文庫)」、手塚治虫だと「陽だまりの樹 コミック 文庫版 全8巻完結セット (小学館文庫)」
「陽だまりの樹」は高校のときに国語の先生に教えてもらってから読んだが、今読み直しても毎回感動がある作品。
創り続ける苦しみはやった人にしか分からない
自分も3冊本を書いてみたが、正直しんどいです。
頭にアイデアがぼんやりあるものの、いざ手を動かすとなると、動かない。
そこで気づいたのは、やはり、「書き続ける、創り続けるということの方がよほど難しく、次元が違うほど立派だ」ということ。
なので、個人的には単作でやりきったという意見には賛同しにくいなと。
もちろん、もしかしたらいるのかもしれないですが。
結局、思うのは作品を多く残して、様々な試行(思考)を繰り返した結果が、その作り手の世界観であって、シングルプロダクトでそれを表現できるというのはよほどのことがない限り難しい。
昔、米経済学者クルーグマンが大学院生に「毎日(別々の)レポートを書け」と指導しているというような話を読んだことがあったが、正直そこまでできるかどうかは分からないが、つまりは考えて「手を動かせ」と行っているのだなと。
まとめ
つまり、手を動かし続けることにしか、解はないということ。ということで、今日も書き続ける訳です。
あわせて読みたい
多作の話ではないが、仕事に関しての姿勢として参考になる記事。でも、結局、できる人は手が早いというのは必ずしもではないが、その傾向あるように思う。